皮膚・爪・髪の病気

巻き爪・陥入爪になってしまう原因と予防法(2ページ目)

爪の横方向の湾曲が強くなる巻き爪や、爪の側縁が外側の皮膚に食い込み痛みや炎症を起こす陥入爪は、形成外科の日常診療の中でもとても多く見られます。日本人の10人に1人は巻き爪であると言われているほどです。悪化した原因を知り、それに適切に対処することが重要になります。

野田 真喜

執筆者:野田 真喜

皮膚外科医 / 皮膚外科ガイド

爪の切り方

深爪で痛みはさらに悪化する

深爪で痛みはさらに悪化する

■原因
巻き爪の原因として第三に挙げられるのは「爪の切り方」です。深爪をすると一時的に痛みが和らぐこともありますが、最終的には痛みが増し、重症になってしまいます。また、爪周囲の皮膚をむやみにいじったり、不適切な爪切りをすることなどで皮膚に傷ができると、細菌感染を起こしやすくなります。

■対策
正しい爪の切り方をしましょう(「病院で教える正しい爪の切り方」参照)。巻き爪・陥入爪になることが多い足の親ゆびの爪は、ゆびと同じかそれよりわずかに長い程度に四角く切ります。爪の角は靴下などに引っかからないようにヤスリで軽く削ります。

靴下、ストッキング、タイツなど

■原因
忘れがちなものに、靴下・ストッキング・タイツなどが挙げられます。いくら適切な靴を履き、歩き方に気をつけ、正しい爪切りをしていても、靴の中が変わらなければ予防力ダウンです。1日中ストッキングやタイツで足を締め付けていませんか?五本指靴下で1本ずつ指を締め付けていませんか?ベリーショート丈ソックスで足先に負担がかかっていませんか?

■対策
巻き爪に好ましいタイツのタイプ

巻き爪に好ましいタイツのタイプ


極力タイツ・ストッキングは控え、レギンス・トレンカのように足先があいていて締め付けのないものが好ましいです。ストッキングでも、つま先部分があいている(オープントゥーストッキング)もあります。実際に履いたときにゆびの締め付けのないものを選んでください。締め付けている限りは、巻き爪を作り続けていることと同じです。

その他の原因

■外反母趾など足の骨格の変化により正しい方向に荷重ができない
外反母趾では、足の親ゆびが人差しゆびの方にくの字に曲がり、付け根の関節の突き出したところに痛みが出ることがありますが、その際親ゆび自体の軸も内旋しますので爪は地面と平行でなくなります。すると地面への垂直荷重ができなくなり、先に述べた爪の湾曲しようとする力と足裏からの荷重のアンバランスが起こり、巻き爪が起き易くなります。

■もともとの骨格や爪の形によるもの

■爪白癬、外傷などによる爪の変化によるもの

まとめ

今回解説した内容を参考に、靴・正しい姿勢と歩き方・爪の切り方などを今一度見直していただけると幸いです。


■写真提供
神楽坂 肌と爪のクリニック

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