ボストン・テリア

ミックス犬の糖尿病オッズ比を1.0とすると、ボストン・テリアのオッズ比は0.39です。つまり、糖尿病になりにくい血統!

ネコの糖尿病は2型糖尿病がほとんどです。これに対してイヌは肥満から2型糖尿病になったという報告はなく、成因分類からすればイヌの糖尿病は1型糖尿病にあたります。意外でしょう?この謎を調べると私達の糖尿病に対する理解が深まりそうですね。

例えばネコはインスリンの代謝が速くて、人には24時間有効なレベミルやランタスが12時間しか保たないと考えられています。そして、イヌにはヒトの女性と同じような妊娠糖尿病まであるのですが、ネコちゃんの妊娠糖尿病の報告はありません。まだまだ、糖尿病は不思議の国の病気なのです。

ペットの糖尿病

糖尿病は、かつてはインスリン治療の是非による病態によって分類された時代がありましたが、現在の糖尿病は成因分類によって4グループに分けられています。

  1. 膵ベータ細胞の破壊による絶対的なインスリン欠乏の1型糖尿病
  2. インスリン分泌の低下とインスリン抵抗性が主体となる2型糖尿病
  3. 遺伝子異常や膵炎・薬剤などの他の疾患や条件によるもの
  4. 妊娠糖尿病

イヌやネコのようなペットの糖尿病にはこのような分類はなく、そもそも糖尿病の診断基準もありません。ですから、ここで「ネコの糖尿病の80~95%は2型糖尿病」と書いているのは、人間の2型糖尿病に成因、症状が類似しているという意味での数値です。

イヌやネコの糖尿病発症率は0.4%から2%と研究結果がばらつきますが、人間と同じ診断基準が適用されればもっと多くなるのは間違いありません。なぜなら、野犬やのら猫の実態は不明ですし、ペットのオーナーが糖尿病の早期兆候に気付かなかったり、獣医師に診せるのに消極的だったりすれば動物病院の統計による糖尿病有症率は低くなります。

ペットの糖尿病の診断・治療も、人と同じ方法で行う

糖尿病の典型的な症状は人間も動物も同じです。多尿、多渇、多食でやせ始めるという臨床的な症状が現れた時に血糖値を測ると、イヌでは180~220mg/dl、ネコでは220~270mg/dl以上となり、尿糖も現れます。これらの高血糖の諸症状と血糖値、尿糖などから糖尿病と診断されます。

治療法の選択は人間と同じですが、イヌとネコでは病因が異なるので少し違います。いずれにしても食餌の見直し、肥満の解消、イヌでは運動療法が指導され、薬物療法ではインスリンの2回打ち/日が主ですが、ネコでは人間の2型糖尿病の経口薬が処方されるケースがあります。

次ページでは、イヌの糖尿病について解説いたします。