子どもの持ち物が急増する小学校入学は、子ども専用の荷物をまとめておく場所が必要になってくるタイミング。慣れるまでは一緒に時間割を揃えてあげるのも楽しい親子の時間になりますが、いつまでも親が持ち物を準備してあげたり、掃除をしてあげたりしていては自立のタイミングを逃してしまう可能性もあります。

とはいえ、全く放っておいてどうしようもない状態になってしまうと、整理整頓に苦手意識を持ってしまう場合があるのも難しいところ。では、どのようなポイントに気をつけて子ども部屋の環境を整えていけばいいのでしょうか?

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長男の小学校入学のタイミングで、子ども部屋に作った壁一面の棚。ドイツのシステム収納 ip20と、IKEAの棚で作りました。また、勉強などはダイニングテーブルでしていました。


ポイント1:コーディネートに、子ども自身も参加させる

お部屋のコーディネートを通して、子どもが自分で考えて決定する機会を増やしてみましょう。能力的にも、予算的にも無理のない範囲で選択肢を与えてみてください。もし後々不満点が出たとしても、自分で決めたことなので、文句を言う前に自分で工夫する知恵が身に付きます。

では、具体的にどんな選択肢があるのでしょうか?以下で考えてみます。

■テーマカラーを1色決める
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壁に好みの色を選ばせてあげて、一緒にペイント。自分好みの空間になる体験を通してセンスが身に付き、実際に手を動かした事でメンテナンス方法を学ぶことができます。


色の効果は絶大で、それを決めるだけでも「その子らしい」スペースを作ることが可能です。カーテンやベッドリネン、収納ボックスなどのテーマカラーを意識して揃えていくと、インテリアとしてもまとまりが生まれます。

また、壁紙の上から塗れる臭いのしない塗料も出ています。親子で一緒にペイントしたり、クッションを手作りしてみたり、手を動かしてお部屋を作っていくのはとても楽しい親子の時間になります。

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■家具や小物を選ぶ
子どもが小さなうちは遊ぶスペースを広くとることが重要です。兄弟がいる場合は、必要な床面積が少なくて済む布団か二段ベッドを設置するのもよいでしょう。その上で、ベッドリネンやカーテンなどをテーマカラーで揃えることを伝え、具体的なアイテムを選ばせてあげるとインテリアがまとまります。

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我が家では、長男が小学生のうちはip20の二段ベッドを使っていました。実際は、気密性の高いマンションでは上段は暑く寝苦しいとのこと。寝るよりは漫画を読んだり、コレクションを邪魔されずに広げたりと「自分だけのスペース」として昼間に使われている事が多かったです。


ただし布団の場合は、押し入れのスペースを空けておく事が必要になります。布団をカバーの中にいれることで昼はソファーにもなるアイテムなどもあるので、活用するのもおすすめです。

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ボルスター(円形のクッション)を用意してあげることで、寝転ばずにリラックスできるよう促すのもアイデアのひとつ



■家具の配置を検討する

少し高度になりますが、子どもも一緒に考えたいと言ってきた場合には、図面を拡大コピーして、手持ちの家具の大きさを厚紙で作ると一緒に考えることができます。実際に机やベッドを一緒に動かして検討するのもよいでしょう。

ポイント2:子どもに良品を与えることを惜しまない

子どもが独立するまでのひとときと考えると、15年~20年程度になるでしょうか?その期間にだけ使われる前提で購入しようとなると、どうしても高額な買い物は出来ません。そういった意味で、贅沢をする必要はありませんが、子どもの頃から良品を日常的に使っていると、センスが培われることもあると思います。また、子どもが独立し不要になった際も、よいものであれば知り合いに譲ることもできるでしょう。

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デスク部分を持ち上げると、裏面には鏡がついているライティングビューロー。子どもが独立した後に、空いた部屋でお化粧台として使うこともできます。


大人から見たら短い時間でも、子どもにとっては一日がとても長いもの。特に宿題をやったり、試験勉強をしたり、勉強机は思い出を共有する相棒のような存在でもあります。シンプルでインテリアにも馴染み易いデザインであれば、大人になっても使う事が出来ます。

また子どもが家庭を持ったとき、世代をまたいで受け継ぐことが出来れば、親が子どもと同じ視線にもどって話に花が咲き、いつもとちがった会話が弾む事もあるかもしれません。

ポイント3:無理なく整理整頓ができる場所をつくる

学校・部活・遊び・習い事と、いまの小学生・中学生はとても忙しいので、日常的に片付けのために時間が取れないのは仕方ないとも言えます。基本的には「使った物を元に戻す」ことで、ある程度の綺麗さを保てるように環境を整えていきましょう。

■ものを戻す場所をあらかじめ決めておく

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幼児用の椅子はランドセル置き場にも丁度いいサイズ


よく収納の本にも「ものの住所を決める」などと言います。その際のポイントは「遊び」と「学用品」の場所を分けること。勉強するときに「遊び」のものが視界に入らない工夫をしてあげましょう。

■ぴったりサイズで片付けたくなるようにする
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寝る前は次の日の服を、起きたらパジャマを畳んでいれるカゴを枕元に用意するのもおすすめの方法


朝起きてパジャマを脱いだときに、たたんで入れておけるちょうど良いカゴを枕元に用意しておく、洗濯後にきれいにたたんだハンカチを並べてぴったり入る箱を用意する、など片付けのための「枠組み」を作ってあげるのもおすすめです。自分から喜んで取り組むきっかけになり、毎日繰り返す事で自然と習慣になります。

■壁を利用する
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大人が思っている以上に子ども達の荷物は重いことが多いです。子どもが自分で無理なく持ち上げられる高さは、思った以上に低い位置である場合も。有孔ボードだと高さも場所も変えられるので、成長過程の子どもにはとても適しています。


有孔ボード(※)や、インテリアに合う金具を壁に取り付けるのも有効です。子ども自身で配置換えがしやすいのも特徴です。

(※)穴のあいたベニヤ板。いくつか種類がありますが、穴の大きさが5mmで、隣り合う穴の中心の距離(ピッチ)が250mmのものが、出回っている多くの金具に合う仕様です。

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ディスプレイ感覚で、まずは子ども自身でレイアウトしてみるのがポイント。使いやすい高さの把握ができます。そのうえで「どれを一番よく使うの?」と対話しながら、使いやすくするために親が目の前で手直ししてあげるのが理想です。


インテリア性の高い金物を上手に使って、お店のディスプレイのような収納をするのも、喜んで片付けてもらえるいい方法です。DULTON(ダルトン)GALLUP(ギャラップ)など、インテリア性の高い金物を扱うショップも増えつつあります。

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存在感のある金具は、インテリアのポイントにも。制服用とお気に入りの服をかける場所を分けて作っておくと、朝の準備もスムーズです。


多くのお宅では柱の間に「石膏ボード」と呼ばれる壁材を貼って室内が作られています。これは粉を固めたような素材なので強度はなく、重さに耐えられません。そのため、下地の入っているところを探して固定するのがベストです。

ホームセンターでは「下地センサー」という道具も売っており、壁にものを取り付ける際にあると便利です。配置の問題などで、下地のない石膏ボードの箇所にどうしても固定したい場合は、アンカーを打ち込んでから付属の金物で固定します。




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子どもと一緒に国産材で「自分の勉強机をつくる」ツアー(外部サイト)もおすすめです。

ポイント4:プリントのやりとりをする場所は動線上に

学校からの連絡事項や提出物などは、いまでもプリントが主流。放っておくと溜まって行く一方なので、スムーズなやり取りをしたいですよね。ポイントはそのやり取りする場所の位置です。できれば廊下か、キッチンの入り口などのみんなが日頃出入りする場所に、A4の入る薄めの引出しかトレイを3段用意します。

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我が家の「手紙用トレイ」は、子ども部屋の前のリビングに行く廊下にあります


■1段目は「プリントを出す」場所
子どもの持ち帰ってきたプリントは、まずはランドセルや通学バッグから「出してもらう事」が必須条件。当たり前のようですが、なかなか習慣づくまでは根気のいることです。兄弟がいる場合は、それぞれ分けて透明ファイルに入れられるようにラベリングしてあげるとスムーズです。夕食後やお風呂の前など、一日のどこか決まったタイミングで声がけすると、そのうち「言われる前にやる」ようになります。

■2段目は「提出物がなくならないよう置いておく」場所
プリントに目を通し、いる物といらないものの仕分けをしたら、提出物がある場合は各自のファイルにいれ2段目に置いておきます。翌日の準備をしているタイミングや、朝ご飯のときに声がけをして持っていってもらうとスムーズです。

■3段目は「期日まで保存する」場所
運動会のプログラムや、少し先の授業で必要な持ち物の記載があるものは、蛍光ペンで囲うなど目立つようにして保存しておきます。すぐに用意できるものは子ども部屋の「学校のもの」のある棚に置いておけるよう、子どもに手渡しします。すぐに用意できない場合は、我が家では持ち物が必要になる日に間に合う日程で、スケジュール帳に用意する品目を書いておくようにしています。パンパンにならないよう、月初めなどに期日が過ぎたものを整理するとよいでしょう。

ポイント5:親としての考えを、子どもに伝える

ここまで話した内容と多少の矛盾を覚悟しても、はずせないポイントがあります。間取りと家庭の教育方針は、きっても切り離せない関係にあるという問題についてです。一人っ子なのか、兄弟は同性なのか異性なのか、中学受験するのかしないのか、物理的・金銭的な問題などよりも、親がどのような家族像を理想として考えているのかによって、家も使われかたが変わってきます。

多忙な家族が顔を合わせられるようにあえて個室を与えない選択肢や、独立心を育むために幼い頃から個室を与える選択肢も、その根底には「ひとりできちんとした生活を送れる人間になって、幸せに暮らしてほしい」という、親の想い(=家庭の教育方針)があります。子どもが個室を欲しがったときなど、折りをみて、親御さんの考えを子どもに話してあげるのも、実は自立への第一歩に繋がるのかもしれません。

また、実際子どもが成長するにつれて個室にいる時間は長くなります。話をしない時期があっても、子どもの様子を見守ることは必要です。お互いに気配を感じ取れる配慮をする事は、家の風通しを気持ちの面でも衛生面でも重要です。

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見えない位置に窓がある扉。漏れてくるあかりで気配が伝わり、暗くなりがちな廊下の明かり採りにもなります。


子どもの自立の大きな一歩としての部屋作り。テーマカラーに合うインテリア小物を探してきてみたり、カフェのインテリアを参考にして部屋に取り入れてみたり、日常の小さな手がかりが、自分なりの工夫やセンスを育てます。工夫できると毎日が発見の連続になります。そうやって、将来自分の家全体をきちんと整えられる能力が身に付いていくといいですよね。




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