アンダーズ 東京の開業が持つ重要な意味
虎ノ門ヒルズの上層階に位置するアンダーズ 東京
ガイドにとって、アンダーズ 東京の開業は、ハイアットの新しいブランドが日本に開業するということだけでなく、もう一つ重要な意味を持っていました。それは、グローバルホテルチェーンが展開する「ブティック」、「ライフスタイル」と呼ばれるカテゴリーのホテルが、日本で初めて開業するということでした。
ホテルも、最近では宿泊客のターゲットセグメンテーションが進んでいます。「ライフスタイル」ホテルは、“独自のライフスタイルを持っている人”“クリエイティブな仕事をしている人”がターゲットで、客室も200室程度という特徴があります(とはいえ、どんな方でも過ごすことができますし、特別な日の宿泊やレストランだけの利用などももちろんおすすめです)。それだけに開業以来、どのように日本で愛されていくか注目していました。
早速、ホテルが開業から1年でどのような状況になっているか、そしてどのような特徴と見どころがあるホテルなのかをレポートしましょう。なお、開業前のレポートについては『2014年夏虎ノ門に開業予定のホテル「アンダーズ 東京」』をご覧ください。
ありきたりなサービスは目指さない!フロントもコンシェルジュもないホテル
名工・小高重光氏が手掛けたという組子細工が目を引くラウンジ
高速のエレベーターで51階のロビーエリアに到着すると、まず名工 故・小高重光氏が手掛けたという組子細工に目を奪われます。その下で、アンダーズ ホストたちがにこやかにお出迎え。このホテルには実はフロントがありません。チェックインの旨を伝えるとアンダーズ ラウンジへ案内されます。チェックインはアンダーズ ラウンジに座りながら、iPadで予約情報を確認され、サインをするだけというペーパーレス。もちろん細かなご案内などは抜かりがなく……スムーズでスピーディです。このあたりからも従来のホテルとの差を感じます。ここで、レストランの予約などもアンダーズ ホストに伝えます。
チェックインはこのアンダーズ ラウンジに座りながら、iPadで予約情報を確認するだけ
このアンダーズ ホストたちが目指すのはありきたりなホテルサービスではありません。ゲストの快適な滞在を提供するのはもちろんですが、彼らに求められているのは、総支配人であるアルノー・ド・サン=テグジュペリ氏の言葉を借りるのであれば“Be Yourself”つまり自分らしく個性を生かしながらゲストを迎えるということ。
こういったサービスは特に真面目な気質を持つ日本人にとっては難しいものです。最初はそれをどのように表現すれば良いか、なかなか苦労していたようですが、開業して1年半が経過して、同ホテルセールス&マーケティング部長の大野さんによると、
「“洗練されているけれども、、決して堅苦しくない居心地のよさ”という今までにないスタイルを目指してきましたが、『こういうホテルを待っていた』とおっしゃっていただける方も多く、間違っていなかったと感じますね。開業して1年半が経過し、オペレーションも安定してきました。最近ではスタッフが今まで以上に個性を出すために、実は色々な新しい取り組みをしているんです」
ちなみにアンダーズ ラウンジは宿泊者専用のラウンジで、24時間いつでも利用可能。ソフトドリンクはもちろん、時間によってはアルコールもビールからワイン、日本酒まで置いてあり、自由に楽しむことができます。
レストランは、やはり大人の空間が漂う
次のページでは客室と2015年にオープンしたスポットについて紹介します。