ホテル/東京のホテル

憧れのホテル“アンダーズ 東京”ってどんなところ?

虎ノ門ヒルズに開業したグローバルホテルチェーン、ハイアットが手掛ける「アンダーズ 東京」。ライフスタイルホテルと呼ばれる新しいスタイルのホテルの特徴と見どころをご紹介します。

村上 実

執筆者:村上 実

ホテルガイド

 アンダーズ 東京の開業が持つ重要な意味

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虎ノ門ヒルズの上層階に位置するアンダーズ 東京

2014年6月11日に開業した「アンダーズ 東京」。世界を代表するグローバルホテルチェーン、ハイアットが手掛ける新しいコンセプトのホテル。開業して約1年半が経過しましたが、ハイセンスでエッジの効いたインテリアデザインや有名人が世界中から訪れるデスティネーションホテル(ホテル宿泊を主目的とする観光)としても憧れの的とか。

ガイドにとって、アンダーズ 東京の開業は、ハイアットの新しいブランドが日本に開業するということだけでなく、もう一つ重要な意味を持っていました。それは、グローバルホテルチェーンが展開する「ブティック」、「ライフスタイル」と呼ばれるカテゴリーのホテルが、日本で初めて開業するということでした。

ホテルも、最近では宿泊客のターゲットセグメンテーションが進んでいます。「ライフスタイル」ホテルは、“独自のライフスタイルを持っている人”“クリエイティブな仕事をしている人”がターゲットで、客室も200室程度という特徴があります(とはいえ、どんな方でも過ごすことができますし、特別な日の宿泊やレストランだけの利用などももちろんおすすめです)。それだけに開業以来、どのように日本で愛されていくか注目していました。

早速、ホテルが開業から1年でどのような状況になっているか、そしてどのような特徴と見どころがあるホテルなのかをレポートしましょう。なお、開業前のレポートについては『2014年夏虎ノ門に開業予定のホテル「アンダーズ 東京」』をご覧ください。

ありきたりなサービスは目指さない!フロントもコンシェルジュもないホテル

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名工・小高重光氏が手掛けたという組子細工が目を引くラウンジ

ガイドがチェックインのためホテルへ。ラグジュアリーホテルでありながら、そのエントランスはひっそりと、しかし切子細工のガラスが印象的に使用されるなど、まさにライフスタイルホテルらしいエントランス。

高速のエレベーターで51階のロビーエリアに到着すると、まず名工 故・小高重光氏が手掛けたという組子細工に目を奪われます。その下で、アンダーズ ホストたちがにこやかにお出迎え。このホテルには実はフロントがありません。チェックインの旨を伝えるとアンダーズ ラウンジへ案内されます。チェックインはアンダーズ ラウンジに座りながら、iPadで予約情報を確認され、サインをするだけというペーパーレス。もちろん細かなご案内などは抜かりがなく……スムーズでスピーディです。このあたりからも従来のホテルとの差を感じます。ここで、レストランの予約などもアンダーズ ホストに伝えます。

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チェックインはこのアンダーズ ラウンジに座りながら、iPadで予約情報を確認するだけ

先ほどご紹介したとおりアンダーズ 東京には従来のホテルに見られるフロントデスクだけでなく、ベルアテンダント、コンシェルジュというセクションは存在しません。それらすべてを一括で行なうのが「アンダーズ ホスト」と呼ばれるマルチタスクなスタッフたち。従来のホテルのように、スタッフが仰々しい制服を着ていたり、全員同じ髪型をしているという事もなく、様々なデザインや色の制服があったり、髪型もみんな個性的。

このアンダーズ ホストたちが目指すのはありきたりなホテルサービスではありません。ゲストの快適な滞在を提供するのはもちろんですが、彼らに求められているのは、総支配人であるアルノー・ド・サン=テグジュペリ氏の言葉を借りるのであれば“Be Yourself”つまり自分らしく個性を生かしながらゲストを迎えるということ。

こういったサービスは特に真面目な気質を持つ日本人にとっては難しいものです。最初はそれをどのように表現すれば良いか、なかなか苦労していたようですが、開業して1年半が経過して、同ホテルセールス&マーケティング部長の大野さんによると、

「“洗練されているけれども、、決して堅苦しくない居心地のよさ”という今までにないスタイルを目指してきましたが、『こういうホテルを待っていた』とおっしゃっていただける方も多く、間違っていなかったと感じますね。開業して1年半が経過し、オペレーションも安定してきました。最近ではスタッフが今まで以上に個性を出すために、実は色々な新しい取り組みをしているんです」

ちなみにアンダーズ ラウンジは宿泊者専用のラウンジで、24時間いつでも利用可能。ソフトドリンクはもちろん、時間によってはアルコールもビールからワイン、日本酒まで置いてあり、自由に楽しむことができます。

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レストランは、やはり大人の空間が漂う

取材した日のアンダーズ 東京のロビーは、昼と夜とで全く異なる表情を見せていました。昼間のレストランを訪れる客層は圧倒的に30~40代のキャリア女性という印象。レストランの客席でもビジネストークが多いように感じました。一方、午後の9時過ぎのレストランは、やはり大人の空間です。特に52階のルーフトップバーは、外国人客も多く、カップルのゲストにとっては最高のデートスポットというイメージが定着しているようです。また、圧倒的にハイセンスなファッションの利用者が多く、ファッションチェックも同ホテルの楽しみ方の一つに加えても良いかもしれません。

次のページでは客室と2015年にオープンしたスポットについて紹介します。

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