湊二丁目東地区(中央区)
隅田川、中央区役所に近く、東京駅も徒歩圏
東京駅から徒歩圏、八丁堀から茅場町にかけては近年住宅供給が相次ぐエリア。そのうちでもこの開発は隅田川に近く、川沿いには広場も設けられるなど、都心近くながら水辺の景観が楽しめる住まいが生まれる予定だ。最寄り駅は東京メトロ日比谷線八丁堀駅で歩いて6分、有楽町線新富町へも8分ほど。新富町駅近くには中央区役所もあり、さらに歩けば20分ほどで東京駅だ。敷地面積は約0.5ヘクタール。そこに36階建て、9階建ての2棟が計画されており、住宅戸数は東京都都市整備局の資料によれば約440戸ほど。平成30年の竣工に合わせてスーパーの出店も予定されている。また、広場には防災倉庫その他の設備も用意される。
勝どき東地区(中央区)
計画戸数3100戸超の大規模プロジェクト
勝どき駅周辺も近年の再開発で大きく姿を変えた場所のひとつ。すでに多くのタワーが建設されているが、今後の計画のうちで最大規模となるのが、朝潮運河沿いの勝どき東地区。面積は約3.7ヘクタールに及び、イメージパースを見ると3棟のタワーが並ぶことになっており、うち1棟は200メートル近いものになるのだとか。住宅のほか、商業施設、オフィスに消防署なども計画されており、住宅戸数は約3120戸。ただし、都市計画決定は平成26年に行われているものの、建築工事着手の予定は平成29年9月とまだまだ先だ。浜松町一丁目(港区)
浜松町駅から数分、約560戸の住宅に公園など
平成28年2月から建設が始まる予定なのが、JR浜松町駅の北側、汐留地区のイタリア街に隣接する浜松町一丁目の開発。公開空地の整備や電線の地中化などが予定されており、このエリアの街づくりのモデルケースとされる。計画では再開発ビル、住宅棟、オフィス棟が作られることになっており、住宅は高さ140メートルのタワーになる予定。戸数は約560戸だ。ただ、交通の利便性には恵まれた地域ではあるものの、生活利便性となるとこれまでオフィスばかりの街だっただけに、不便な印象は否めないが、今回の計画では住宅棟低層部には商業施設、子育て支援施設なども入るとか。地域一体が便利になることを期待したい。白金一丁目東部北地区(港区)
もう一度、白金が変わる、住商工医一体再開発
その昔の白金高輪駅周辺は小さな町工場が並ぶ、今とは全く異なる風景の街だった。それが一気に変わったのは平成17年。駅前にある「白金アエルシティ」の誕生である。そのすぐ近くで白金アエルシティ同様に既存の病院や工場などといった都市機能を包含した再開発が行われる。場所は古川沿いの約約1.7ヘクタール。計画では44階、17階の2棟のマンションが建つことになっており、そこには住宅のみならず、店舗、工場、病院も入る。住宅の戸数は約1220戸。また、これまであまり顧みられてこなかった古川の水辺を生かす公園なども計画されており、これで白金の風景は二度変わることになる。平成28年に本体着工、平成32年には完成する計画だ。
西新宿五丁目(新宿区)
西新宿最後の再開発エリアが動き始めた
長年に渡る西新宿開発の中で最後に残されてきた西新宿五丁目がいよいよ変わり始めている。すでに西新宿五丁目中央北地区では日本最高階となる60階建てのタワーが建設されており、平成29年には完成する。950戸超があっという間に売れてしまったことはニュースにもなったが、この地域の開発はまだまだ今後も続く。以前と比べ、商業施設その他住むための設備も増え、住む街として認識されるようになった新宿。これからどう変わっていくか、職住近接に興味がある人なら注目しておきたいところだ。四谷駅前地区(新宿区)
外堀通り沿いに広い公園と住宅、文化国際交流施設が
廃校となった旧四谷第三小学校、廃止された財務省公務員宿舎という2つの公有地を核に、広い公園と文化国際交流を目的とした施設、オフィス、商業施設に住宅を複合的に開発しようというのが四谷駅前地区。場所はJRと東京メトロ南北線が交差する四ツ谷駅近く、外堀通りに面した約2.4ha。工事着工は平成31年度を予定しており、詳細はこれから。住宅は100戸ほどとあまり多くはない。春日・後楽園駅前地区(文京区)
文京区役所至近の広大なエリアに約775戸
文京区役所の入った文京シビックセンターと春日通りを挟んで向かい側、千川通りと白山通りに挟まれた約2.4ヘクタールを南街区、西街区、北街区の3ブロックに分けての開発が進められている。南街区はオフィス仕様、西街区は低層部に小規模店舗、中高層部にコンパクトなオフィスや住宅を配し、北街区の低層部には商業施設、中高層部には小~中規模オフィス、中~超高層には60~80平米のファミリータイプの住戸が予定されており、多世代が働き、暮らす場になりそう。住宅の総戸数は約775戸。子育て支援施設の誘致や中央部には広い公園も計画されている。
西品川一丁目地区(品川区)
地域に不足していた緑の空間も誕生
大崎駅の南、すでに開発が行われた西口地区の並び、湘南新宿ライン、東海道線・横須賀線の線路に挟まれた地域で行われるのが西品川一丁目の開発だ。ここにあった国際自動車教習所の跡地を核に中央に広場を設け、事務所中心のA街区、住宅中心のB街区でそれぞれタワーが建設される。住宅は約379戸という。竣工予定は平成30年。この開発では地域に不足していた大規模な緑の空間が生まれることになっており、地域の雰囲気も変わるはず。防災面でも安心できる要素が加わることになる。大井一丁目南第1地区(品川区)
木密解消のためにタワー。子育て支援施設なども整備
大井町周辺には細街路が多く、敷地は細分化され、そこに古い木造家屋が密集する地域が少なからず存在していたが、このところへ来て解消への動きが目立っている。大井町一丁目南第一地区の開発もそのひとつ。場所はJR大井町駅西側で、隣接する土地にはすでに再開発ビルが完成している。今回の計画では1階に子育て支援施設、店舗棟が入り、2階以上に約650戸の住宅が配される予定。工事着工は平成28年12月で完成は平成30年の予定。29階、高さ100メートルを超すタワーになる。武蔵小山駅前通り地区(品川区)
駅前に高層、低層の2棟。商店街の魅力を生かした開発を
東急目黒線武蔵小山駅は平成18年7月に地下化、その後、平成21年5月に駅前広場、平成22年9月に駅ビルが開業しており、次の変化は駅前の再開発。長いアーケードで有名な武蔵小山パルム商店街に隣接する飲食店街を中心に高層、低層2棟のビルが予定されている。高層棟は地下2階地上41階建て、低層棟は地下2階地上7階建てで、低層部に店舗と地域コミュニティー施設(子育て支援施設)、4階以上に住宅。戸数は約615戸と、この周辺では過去も含め、最大規模となる。平成28年3月に着工、平成31年年5月末竣工の予定だ。2棟は1、2階部分で接続する計画で、接続部分の上部には屋上庭園が作られる。駅側には、駅前広場と一体となる広場が設けられる予定で、また、パルム商店街に面して歩行者通路などを新設し、周辺エリアの回遊性を高め、利便性向上に寄与する。当然、防災性にも配慮される。このビルに続き、商店街も再開初の予定があるというが、武蔵小山の魅力は活気ある商店街。その賑わいが消えるような再開発にならないようにしていただきたいものだ。
渋谷駅桜丘口地区(渋谷区)
4街区のうち、住宅があるのはここだけ!
平成38年(!)まで延々と再開発が続く予定の渋谷駅周辺。4つの街区に分けてそれぞれに開発が行われる予定だが、そのうちで住宅が予定されているのはこの街区のみ。それ以外はオフィスや商業施設、ホテル、ホールなどとなっている。東京都の都市整備局ホームページによると戸数は約170戸、着工は平成29年度、工事完了は平成32年度となっている。もちろん、かなりの額の住宅になりそうだ。渋谷駅前エリアマネジメント協会によると、この街区は「産学連携による渋谷発のビジネス・企業を育成する起業支援施設や、多言語での対応が可能な国際医療施設・サービスアパートメント・子育て支援施設等を整備し、オフィス、マンション、商業施設等の計画とともに、暮らしやすい国際都市「渋谷」に生まれ変わります」とのこと。他エリアに比べると多少なりとも生活感のある地域ということだろう。
今回は20数カ所ある再開発エリアのうち、都心部を中心に取り上げたが、注目したい街はまだまだある。他の街についてはいずれ改めてご紹介したい。