シンガポール/シンガポールのグルメ・レストラン・屋台

できたてが美味しい! シンガポールのめでたい餅菓子

中国本土以上に、中国の伝統や風習が残っていると言われることもあるシンガポール。人口の7割以上が中華系のシンガポールにも、中国でお祝いの際などに欠かせないとされている伝統的なお菓子、アンクークエがあります。その人気店を、旧正月の時期の特別なお菓子とともにご紹介します。

仲山 今日子

執筆者:仲山 今日子

シンガポールガイド

亀の甲羅が目印のめでたい餅菓子、アンクークエの名店

解説

伝統的には赤色だが、このお店では、色ごとに異なった味が楽しめる


解説

大行列の人気店

鮮やかな赤色、そして亀の形をしていることから、長寿を願って、お祝いごとなどの際に食べられている伝統菓子、アンクークエ(Ang Ku Kueh)。元々は中国が由来ですが、シンガポールでも、旧正月や結婚式、誕生日、そして赤ちゃんが生まれて1ヶ月のお祝いとして、今も親しまれています。30年の歴史を持つ老舗、Poh Cheu(ポー・チュー)は、そのAng Ku Kuehの名店として知られていて、いつも大行列の人気店です。

今は工場で作るお店も多いAng Ku Kuehですが、こちらは手作りにこだわっています。お店の奥で作っている様子を眺めるのも楽しいです。バナナの皮の上で蒸しあげられたできたてが食べられるのも魅力のひとつ。手作りならではの、薄く伸びの良いもっちりした皮に、甘さひかえめのあんが詰まっているのが特徴です。

亀だけではなく、旧正月の時期は縁起のいい形が大集合!

解説

「福」と書かれたネンガオは旧正月の定番のお菓子


解説

左がHong Yuan、右がHong Qian

通常の亀の形だけでなく、旧正月の時期だったため、特別メニューで、お金の形をしたHong Qian(1シンガポールドル)や、丸い形が縁起が良いとされているHong Yuan(90セント)などがそろっていました。Hong Qianは緑豆のフィリング、Hong Yuanはピーナッツのフィリング。ちなみに、この2つがAng Ku Kuehの定番の味です。緑豆は、やや水気が少なく、豆の味を生かした素朴な味わい。もうひとつの定番、カリカリのピーナッツのあんは香ばしく、ピーナッツのコクを感じられる味。

それだけではなく、旧正月らしいネンガオというおめでたいお餅も売っていました(手のひらサイズの小サイズで2.5シンガポールドル)。餅を表す、「ガオ」という言葉は、「高」と同じ発音なので、「年年高」という意味になるとして、 縁起を担いで食べられているのだとか。蒸したてでぷるぷるに柔らかく、黒砂糖の甘さにほっこりする味でした。


バラエティ豊かな味、お気に入りを探してみて!

解説

香ばしいピーナッツあんは定番の味


その他にも、全部で12種類、様々なフレーバーがあります。

個人的なおすすめは、なめらかなこしあんで、黒砂糖の香りが生きたほっとする味わいのレッドビーン(小豆、オレンジ色)。ヤムイモは、ココナッツの甘い香りが、南国らしい品(紫)。緑茶(緑)はすっきりとした味わいで、この三種類は特に食べやすかったです。

面白いものでは、ドリアンや、胡椒などが効いた塩味で、甘いものの合間に食べるのにぴったりのソルテッドビーンなどがありました。緑茶のみ70セントで、あとはすべて90セントと、まさに庶民に愛されているお菓子。

シンガポールでも数少なくなっている手作りの伝統菓子、ぜひ、できたての味を試してみてくださいね!

<DATA>
■Poh Cheu
営業時間:8:00~18:00(日曜、祝日休)
住所:Blk 127 Bukit Merah Lane 1 #01-230 Singapore 150127
電話: +65 6276 2287
アクセス:MRTクイーンズタウン駅から徒歩20分(IKEAアレクサンドラ店のそば、タクシー利用がおすすめ)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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