人はなぜほめる? その2つの理由

ほめる理由の2つめを上手に活用するのがカギ

ほめる理由の2つめを上手に活用するのがカギ

親は子供が望ましいことをしたらほめます。教師は生徒をほめ、上司は部下をほめます。人はなぜほめるのでしょう?

1つは、相手の喜ばしい行動を称えたいから。子供が上手にお片づけできたことを「ママが嬉しい」と思うと、ほめ言葉が出てきます。「○○ちゃん、きれいにお片づけできたね。ママ嬉しいよ」と。

もう1つは、その行動を次も繰り返して欲しいから。
  • 今回のようなお片づけを次回もやってもらいたい
  • 今回のようなテスト結果を次回も出してもらいたい
  • 今回のようなプレゼンを次回も披露してもらいたい
と思うとき、「ほめ」の力を使って、次回以降の軌道を作ろうとします。「ほめてその気にさせる」という作戦です。良い行動をクセにするために、ほめてやる気をアップさせていくんですね。

これを心理学用語で、”正の強化“と言います。


子供が面倒くさがる行動こそ、正の強化を使うべし

”正の強化“というと、難しく聞こえるかもしれません。でも、日常の出来事に置き換えれば、「あるある」と思っていただける現象です。たとえば、
  • 肉じゃがを作ったら、パパにすごくほめられた。嬉しくて、また作ってしまった。
  •  新色の口紅をぬったら、顔色が明るく見えた。明日からはこれにしよう!
このように、自分にとって嬉しいことがあると、それを次回も繰り返したくなります。強化とは、このこと。逆に、嫌なこと、不快なことがあったら、次回は続けようとは思いません。いずれも、人間にとってはごく自然な反応ですよね。

さて、ここで質問です。親が子供にしっかりと教えていきたい「お片づけ」「お着替え」「歯みがき」、どうやって習慣づけていったらよいでしょうか?

子供にとって、「お片づけ」「お着替え」「歯みがき」自体は、たいして面白くも魅力的でもなく、繰り返したいと思える行動ではありません。だから、放っておいたら、そのままフェイドアウトします。要は、習慣にはなりません。

行動を繰り返すパターンに持っていくには、「お片づけ」「お着替え」「歯みがき」が「嬉しいこと」とセットになっている必要があります。その「嬉しいこと」が「ママのほめ言葉」です。ママがほめてくれるのが嬉しくて、面白みのない行動でも繰り返そうと思えるようになっていくのです。たとえば、お子さんが自発的に本を収納したり、1人で靴下を履けたりしたら、すかさずほめますね。それにより強化が起こり、徐々に習慣づいていきます。「正の強化」は、子供たちに生活習慣を定着させる際の欠かせないツールと言えます。

>>次ページでは、強化を上手に起こすほめ方のコツをご紹介していきます。