子供がやる気になるために……心理学を活用!
ほめる理由の2つめを上手に活用するのがカギ
1つは、相手の喜ばしい行動を称えたいから。子供が上手にお片づけできたことを「ママが嬉しい」と思うと、ほめ言葉が出てきます。「○○ちゃん、きれいにお片づけできたね。ママ嬉しいよ」と。
もう1つは、その行動を次も繰り返して欲しいから。
- 今回のようなお片づけを次回もやってもらいたい
- 今回のようなテスト結果を次回も出してもらいたい
- 今回のようなプレゼンを次回も披露してもらいたい
これを心理学用語で、”正の強化“と言います。
子供が面倒くさがる行動こそ、正の強化を使うべし
”正の強化“というと、難しく聞こえるかもしれません。でも、日常の出来事に置き換えれば、「あるある」と思っていただける現象です。たとえば、- 肉じゃがを作ったら、パパにすごくほめられた。嬉しくて、また作ってしまった。
- 新色の口紅をぬったら、顔色が明るく見えた。明日からはこれにしよう!
さて、ここで質問です。親が子供にしっかりと教えていきたい「お片づけ」「お着替え」「歯みがき」、どうやって習慣づけていったらよいでしょうか?
子供にとって、「お片づけ」「お着替え」「歯みがき」自体は、たいして面白くも魅力的でもなく、繰り返したいと思える行動ではありません。だから、放っておいたら、そのままフェイドアウトします。要は、習慣にはなりません。
行動を繰り返すパターンに持っていくには、「お片づけ」「お着替え」「歯みがき」が「嬉しいこと」とセットになっている必要があります。その「嬉しいこと」が「ママのほめ言葉」です。ママがほめてくれるのが嬉しくて、面白みのない行動でも繰り返そうと思えるようになっていくのです。たとえば、お子さんが自発的に本を収納したり、1人で靴下を履けたりしたら、すかさずほめますね。それにより強化が起こり、徐々に習慣づいていきます。「正の強化」は、子供たちに生活習慣を定着させる際の欠かせないツールと言えます。
ほめの力を最大限に活用するための7つのコツ
子供の嬉しい行動に、親は自然とほめ言葉が出るものですが、それをさらに効果的にすることができます。要は、強化を起こしやすくするコツがあるのです。それらを「やるべきでないこと」「やるべきこと」のリストにしてご紹介しましょう。■ほめる際にやるべきでないこと
- 行き当たりばったりでほめる:同じ行動なのにほめたりほめなかったりすると、強化が起こりにくくなります。「人前だから」「忙しいから」という言い訳は、一貫性を失う典型例。子供がうまく学べなくなるので気をつけましょう。
- 普段の子育てやしつけと混同する:「お着替え」や「歯みがき」でほめているからと言って、その他のことはほめなくていいというわけではありません。これまでのほめは今までどおりしっかり行うことで、うまく進行していきます。
- ご褒美を乱用する:子供に行動してもらいたいあまりに、高価なご褒美を使う必要はありません。親が自分のことを気にかけてくれているという感覚とほめ言葉が何より強化をスムーズにします。
■ほめる際にやるべきこと
- 毎回ほめる:「ほめ」としっかりとリンクさせることで行動は強化されていきます。よって、ほめ逃しなくコツコツと続けることが大切です。
- すぐにほめる:行動の直後に「嬉しいこと」が起こると、強化が起こりやすくなります。よって、上手にできたらすぐにほめることがポイントになります。
- ほめている理由を明確にする:「すごいね~」「えらいね~」とほめ言葉に一辺倒にせずに、何をしてほめられているかを明確にすると強化が起こりやすくなります。「歯みがき、奥の歯もちゃんと磨けているよ」のように。
- 年齢に合ったほめ方をする:10歳以下(あくまで目安です)の子には、感情をこめたほめ方が効果的です。抱っこしたり、ハグしたり、なでたり、など。しかし、思春期にさしかかると、人前で派手にほめられるのは格好が悪いと感じやすいので、さりげなくほめるのがおすすめです。
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