マレーシアの“物づくり”にたいする価値観
金や銀の糸を折りこんだ布「ソンケット」は、男性の民族衣装によく使われる。トレンガヌ州の市場にある店では、キュートなふたりの女性が接客してくれた
マレーシアは、マレー系、華人系、インド系、先住民族など、多くの民族が暮らす多民族国家です。そのため、宗教、行事、風習は民族ごとに違い、生活習慣もさまざま。ところが、マレーシアには、国民みんなが「そうそう!」とうなづく共通の価値観が2つあります。この価値観が物づくりのベースになっています。
伝統を重んじるマレーシアの文化
職人が手がける民族衣装「ニョニャ・クバヤ」。繊細な刺繍がほどこされ、細やかなデザインになると、製作期間は3カ月以上にもおよぶ
自分の国、故郷のことを誇りに思っている
マレーシアの観光地では、名所をモチーフにしたバックを販売。左がペナン、右はボルネオ島のコタキナバルで購入。価格は600~900円。持ち手部分がもろいことが多いが、それを補強すれば日常使いもマル
マレーシア人がマレーシア好きなことを表しているのが、国旗をモチーフにしたお土産品の数々。カラフルでかわいい!
それでは、この2つの価値観をもとに、おすすめのお土産を紹介します。日本に帰ってもしみじみ眺めたくなる、ストーリーのあるものばかりです。
お土産1 温もりを感じるピューター(錫)製品
100年以上の歴史を誇るピューター・メーカー「ロイヤル・セランゴール」。ビアマグなどの酒器やティーポットセット、ゴルフグッズやUSBメモリ入れなど、アイテムの種類は驚くほど豊富
1970年ごろまで、マレーシアで錫(すず)が採掘されていたことから、今でもピューター(原料の92%以上が錫)製品の製造がさかん。なかでも老舗ブランドとして名を馳せているのが「ロイヤル・セランゴール」です。国王からロイヤルの称号が与えられた由緒正しいメーカーで、マレーシアVIPの御用達。オーナーのこだわりで、どの商品にもかならず職人が手作業する工程があり、クールな印象のなかにも人の温もりも感じます。ピューター製の容器にビールやワイン、お茶を注ぐと、驚くほどなめらかな舌触りに! これは錫の性質が影響しているといわれ、一度体感すると忘れられないおいしさです。一生使える上質なアイテムなので、大事な人へのお土産にぜひ。
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■ロイヤルセランゴール・ビジターセンター
住所:4 Jalan Usahawan 6, Setapak Jaya 53000 KL
Tel:+60-3-4145 6122
アクセス:KTMケポン駅よりタクシーで5分、またはクアラルンプール中心地よりタクシーで30~45分
※ビジターセンターでは、ピューター製品作りの体験もできる。KL市内のホテルから無料送迎あり
※ショッピングモール「KLCC」「パビリオン」などにも専門のショップがある
お土産2 珈琲カップ、鶏モチーフの食器
チキンライスを盛り付けて欲しい鶏柄のプレート(手前)。タオルでしっかりくるんで慎重に持ち帰ろう
食いしん坊の国、マレーシア。料理をおいしく見せてくれる食器は、センスがよくて、値段も手ごろ。中国の縁起のいいモチーフをあしらった陶器、屋台でおなじみの珈琲カップ、南国の花柄をあしらったコップやプラスチック皿など、種類豊富にそろっています。陶器やガラス製品は重いのが難点ですが、帰国後に食卓で重宝するアイテムです。
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■Kwong Yik Seng Crockery
住所:144 Jalan Tun HS Lee,50000 KL
Tel:+60-3-2078-3620
アクセス: LRTパサールセニ駅より徒歩5分、チャイナタウン近く
お土産3 食卓を華やかに彩るニョニャ食器
エメラルドグリーンとピンクの配色は、ニョニャ食器の特徴。ただし、皿の内側に色がついているものは、使われているカラーの性質上、カレーなどの液体ものは避けたほうがよい
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■Kwong Yik Seng Crockery
上記と同じ
お土産4 ステンレス製のキッチュなカレー皿
カレーパーティーで活躍! カレー系のグッズをお手ごろ価格で買える
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ブルックフィールズにあるスーパーMangala Theebamにて購入可。インド系民族が日常的に使用している食器なので、どこの都市に行っても、インド系の店なら、ふつうに販売している
お土産5 マレーシアの伝統生地、ソンケット
ソンケットの手触りは着物の帯のように重厚。柄の繊細さ、折の美しさはピカイチで、上質なものは2~5万円ほど
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クアラルンプールのトゥンクアブドゥルラーマン通りに多数の生地店あり。セントラルマーケットでも購入可
お土産6 マレーシアの伝統生地、バティック
バティックの布を使った子供服。そのほか、テーブルクロス、ハンカチ、ポーチ、シューズなど様々なアイテムがそろっている
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■Central Market(セントラルマーケット)の「C Batik」にて
上記と同じ
お土産7 天然素材をつかった籠やランチョンマット
ボルネオ島、コタキナバルのサンデーマーケットに並んでいた籐やラタン製の小物入れ
マレー半島北東部のトレンガヌの市場で見つけた籐製のピクニックシート
ちなみに、この“編む”という技術は、彼らにとって生活に必須なもの。雑貨やお土産品としてだけでなく、民族衣装の一部である円錐型の傘にも籐を編んだものがあります。
■KARYANEKA(カリヤネカ・クラフトセンター)
住所:5 Jalan Conlay 50450 KL , Federal Territory of Kuala Lumpur
Tel:+60-3-2162-7459
アクセス:KLCCから徒歩20分(タクシーで10分)
お土産8 キラキラのブローチやビーズネックレス
マレー系女性の必需品ブローチ。シルバー、ピンク、エメラルドグリーンなど、カラフルでキラキラ光るものが多い
サバ州の手工芸品、ビーズのネックレス。単色のセーターや白いTシャツに合わせるとおしゃれ
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ブローチは、各ショッピングセンターのマレー系洋服のコーナーにあり。
ビーズアクセサリーは、ボルネオ島のサバ州のお土産物店(カダイク)、クアラルンプールのセントラルマーケットで購入可。
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■Central Market(セントラルマーケット)
上記と同じ
お土産9 クアラルンプールの名所、ツインタワーモチーフ
ツインタワーがデザインされた雑貨。ショットグラス、ガラスの飾り、キーホルダーの他、Tシャツ、エプロンなど多数!独立公園広場近くの「Kuala Lumpur City Gallery」にて、多数のグッズを販売している
木製クラフトのブランド「Arch」で販売しているツインタワー。木の層は、なんと150層にもなっている。お見事!
コテコテのお土産デザインではありますが、帰国後に思い出を蘇らせてくれるのは、こういう“ザ・お土産”的なものなのかも。デザインの種類は豊富で、クアラルンプールっ子の愛情もたっぷり込められています。
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■Kuala Lumpur City Gallery(クアラルンプール シティギャラリー)
住所:No. 27, Jalan Raja, Dataran Merdeka, 50050 Kuala Lumpur
Tel:+60-3-2698-3333
アクセス:LRTマスジットジャメ駅より徒歩10分
※シティギャラリーと同じ店である「Arch」が、KLCCにも店舗あり
お土産10 マレーシアの名所がデザインされた雑貨
マレーシア人デザイナー、ピーター・ホー氏がプロデュースする雑貨店「ピーター・ホー・レボリューション・ビヨンド」のアイテム
クアラルンプールの雑貨店といえば、「ピーター・ホー」なくしては語れません。店内には、センスのいいインテリア商品、キッチン雑貨、キャンドルホルダーなど色々並んでいて、あれもこれも欲しくなります。
チャイナタウンから移転し、現在は、シェラトンホテル近くのお洒落スポットThe Rowのなかにある
なかでも、オーナーのマレーシア人がデザインしたマレーシアの名所をモチーフにしたアイテムはお土産にぴったり! 商品のクオリティの良さも抜群で、日常で使える雑貨です。ちなみに、併設しているレストランも素敵です。木製のテーブルに、窓から光がさしこむ空間で、ホッとひと息つきましょう。
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■Peter Hoe Evolution + Beyond(ピーター・ホー・エボリューション+ビヨンド)
住所: 62-1 First Floor, The Row KL, Jalan Doraisamy, Kuala Lumpur City Centre
TEL: Tel: +6-18 223 5199
アクセス:モノレールのメダントゥンク駅、またはLRTダンワンギ駅から徒歩15分弱
お土産11 民間療法からうまれた、なまこ石けん
ランカウイ島の名産だったが、最近ではクアラルンプールでも購入できるようになった。なまこはマレー語でガマといい、ガマソープとも呼ぶ。香り付き、バティック生地で包まれたものがお土産におすすめ
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■Central Market(セントラルマーケット)
上記と同じ
※値段はサイズにもよるが、1個10~15リンギット程度(約300~450円)
お土産12 マレーシア王室御用達のスパグッズ、タナメラ
マレーシアうまれのスパグッズ。天然由来の成分で作られているので、安心
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■Central Market(セントラルマーケット)
上記と同じ
※値段はエッセンシャルオイルで30リンギット(約1000円)ほど
お土産13 歴史がうんだ食文化、紅茶
お土産には、ソンケット柄の箱に入ったティーパックのフレーバーティーがおすすめ
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※ショッピングモール「KLCC」「パビリオン」などのスーパーで購入可
お土産14 香り高い、ホワイトコーヒー
砂糖とミルク入りの甘いコーヒーで20袋入り15リンギ(約400円)です。
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※ショッピングモール「KLCC」「パビリオン」などのスーパーで購入可
お土産15 会社のバラマキ用に、マンゴーグミ
マンゴーの果汁をギュッと凝縮したグミ。硬めの食感で、噛むごとにマンゴーの風味が口中に広がる。大好き派と苦手派にわかれるほど濃厚な味。
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※ショッピングモール「KLCC」「パビリオン」などのスーパーで購入可
※空港では、お土産店ではなく、薬局で買うとお手ごろ価格
お土産16 ほっこり甘いご当地ジャム、カヤ
カスタードクリームのような、やさしい甘みのカヤジャム。パンダンの葉の香りをまとった緑がかかったものとオリジナルの茶系の2種ある
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※ショッピングモール「KLCC」「パビリオン」などのスーパーやベーカリーで購入可。写真はパビリオンに入っているベーカリー「Bread Talk」にて
お土産17 料理好きにおすすめ、カレーパウダなどのスパイス
カレーパウダーは魚カレー用、肉カレー用と分かれている。おすすめのメーカーはアダビ(Adabi)、ババス(BABA’S)など
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※ショッピングモール「KLCC」「パビリオン」などのスーパーで購入可
お土産18 自宅でバクテーが簡単にできる漢方パック
メーカーは多種あり、パックのなかには当帰や熟知黄などの漢方が、計10種ほど入っている
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※ショッピングモール「KLCC」「パビリオン」などのスーパーで購入可
お土産19 ヒット商品、ペナンホワイトカレーヌードル
カレースープのインスタントヌードル。具は、ゆで海老、ゆで卵、もやしがおすすめ。フライドオニオンをちらしてもおいしい
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※ショッピングモール「KLCC」「パビリオン」などのスーパーで購入可
※2017年より、なんと、日本でも販売スタート!
お土産20 パイナップタルトなどのクッキー
クッキーの生地はやわらかいことが多いので、大きく揺れたり、ゆすったりすると粉々になってしまうことも。持ち運びは慎重に
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※ショッピングモール「KLCC」「パビリオン」などのスーパーで購入可
※チャイナタウンなどのマーケットでも購入可。
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