おいしい体験！ 世界一高い場所にあるビール醸造所

マリーナベイサンズが一望できる場所でビールと美食を楽しむ

金融街の真ん中の地上33階、テラス席からはマリーナベイサンズを望む美しいロケーションに位置するブルワリー（ビール醸造所）、レベル33。高い天井、開放感あふれる雰囲気で、お店の中央には醸造タンクが並んでいます。ビールは鮮度が命、できたてが楽しめるとあって、いつも混雑している人気店です。常備された5種類のビールと、季節限定で1ヶ月～1ヶ月半位のタイミングで出るビールの計6種類が揃うほか、ビールを使ったモヒートなどのカクテルもあります。

眺望とビールだけでなく、イギリス出身のJames Michael Tegerdineエグゼクティブシェフ、通称Jimiさんが生み出す、本格的なヨーロッパ料理の数々とのペアリングが楽しめるのが、人気の秘密。「クラフトマンシップ（職人魂）」で醸造したこだわりのビールに合う料理をいつも考えている」という彼が生み出す手の込んだメニューは、ビールをはじめとしたアルコール類とのとの相性も抜群。

醸造所直結なので、ビールの輸送のためにCO2を排出することもなく、ゴミになってしまう瓶や缶もいりません。オーガニックの野菜や、環境に優しい、サステイナブル（持続可能）な漁業で獲られた魚を使うなどした、「グリーンチョイス」というメニューもあり、環境への意識の高い層にも人気です。

美味しくて環境にも優しいメニューの数々

まずは、前菜から。そのグリーンチョイスのメニュー、Octopus (Pan seared Australian octopus, toasted hazelnut satay, samphire and coal smoked aioli(24.5シンガポールドル）は、程よい食感を残した柔らかさ。添えられたスパイシーな「サテソース」は、本来は鶏肉などの串焼きに添えるピーナッツのソースです。ピーナッツの代わりに濃厚で薫り高いヘーゼルナッツを使い、タコのうまみを引き立てる一皿に。ピクルスの酸味がアクセントになっています。スパイシーさが自家醸造のラガービール、33.1 Blond Lagerとよく合います。

続いては、オーストラリア和牛のカルパッチョ、Carpaccio（Thinly sliced Wagyu beef, grilled porcini pea tendrils, burnt onion and torched goat cheese 25シンガポールドル）。実は、LeVeL33はビールだけでなく、幅広いワインのラインナップでも有名。イチゴのようなフルーティーさと、ヨーグルトやバニラのような香りのあるロゼワインRockford, Alicante Bouchet, Barossa Valleyと合わせて。なめらかな牛肉のカルパッチョとローストしたオニオンの甘みがフルーティーさと、中央の軽く表面をあぶったヤギのチーズがこの乳製品系の香りとよく合います。ところどころにあしらわれた粒マスタードがアクセントに。

メインディッシュからは鹿肉、Venison （Pan seared loin, charred onion, espresso gastrique, pistachio oil and blueberry jus 
43.5シンガポールドル）を。しっとりとした鹿肉のステーキは臭みのない上質なもの。余分な味付けはなく、その肉質を十分に堪能できます。エスプレッソを濃縮したソースに漬けたビーツが、カラメル香のある濃厚な黒ビール、33.4 House Porterと絶妙の相性です。

魚は、環境への負荷の少ない素材のブルターニュ産の鱈、Brittany Cod （Pan baked, cauliflower rice,vanilla fennel compote and squid ink smoked yoghurt 39シンガポールドル）。表面をカリッと、中はしっとり焼き上げてあります。ソースはイカ墨とスモークしたヨーグルトの組み合わせ。ヨーグルトの乳製品の味、上にあしらったフェンネルのコンポートのバニラの香りが、無農薬のブドウを使っているというシャルドネのワイン、Hannes Reeh ‘Unplugged' Chardonnay, Neusiedlerseeの樽のバニラの香りと合います。どのメニューも、アルコールとのペアリングを考えて組み合わせになっているのがうれしいところ。スモークの香りは、ビールともよく合いそうです。

一番のオススメは、スペイン直送の豪快な仔豚の丸焼き

大勢で集まる際には、ぜひオーダーしていただきたいおすすめが、シェアリングポーション（3～4人前）の仔豚の丸焼き、Pork（Spanish suckling pig rack,toasted nuts and mushrooms,　sage pangrattato and candied apple compote　135シンガポールドル）。

メニュー上は3～4人前となっていますが、日本人の感覚だと、6～8人でシェアできそうな分量です。カリッと焼かれた皮の部分、そして柔らかい身と、なめらかで甘い脂、本場スペインから直送の仔豚だけあって、その味はまさに極上。添えられているナッツの香ばしさとコクが、この脂の味わいを引き立てます。そして、季節限定ビールのボックビール、33.22 Oaked Bock Beerとぜひ合わせてみて！14世紀から伝わる伝統的な製法で作られ、通常よりもややアルコール度の高い濃厚な味わいで、オーク樽の香りをゆったりと味わいながら飲みたいビール。仔豚の甘い脂の香ばしさと、絶妙なコンビネーションです。

サイドディッシュは、ベジタリアンメニューから。様々な色や形のイタリアから空輸された伝統的な品種のトマトを使ったサラダ、Heirloom Tomato （Ricotta terrine, basil sponge, black garlic balsamic, peperoncino and walnut oil, 14.5シンガポールドル）。リコッタチーズを使ったマフィンと、バジルのスポンジケーキ、熟成された黒ニンニクとバルサミコを合わせたソースを添えて、様々な食感や香りを楽しめる一皿に。

味も盛り付けも絶品！ デザート

デザートは、Mint Choc Chip（Mint chocolate mousse, chocolate shrapnel, pistachio mascarpone, boozy morello cherries and flowers, 16シンガポールドル）。ミントチョコのムースに、昔のカラメル焼のようなカリカリのキャラメル、そしてピスタチオマスカルポーネのソルベが添えられています。

チョコレートのババロアBavarois（ruffle salted chocolate ganache, sea buckthorn sorbet, olive oil and basil caramel, 15.5シンガポールドル）は、下にチョコレートとキャラメルのがナッシュクリームを敷き、上からトリュフソルトを散らします。オリーブオイルを閉じ込めたキャンディと相まって、甘さと塩のバランス、そしてオリーブオイルの緑の香りがとても好みでした。

どのメニューも、素材の味を引き出した繊細な味付けで、かつアルコールとのペアリングも絶妙です。世界で最も高い場所にある天空のブルワリーで、できたてのビールとともに、おいしいヨーロッパ料理を味わってみてはいかがでしょうか？

＜DATA＞
■LeVeL33
営業時間：11:30～24:00（月～水曜）、11:30～26:00（木～土曜、祝前日）、12:00～24:00（日曜）
住所：8 Marina Boulevard #33-01, Marina Bay Financial Centre Tower 1, Singapore 018981
電話： +65　6834 3133
アクセス：MRTラッフルズプレイス駅から徒歩5分
（マリーナベイファイナンシャルセンター、タワー1。専用エレベーターは正面受付を左、少々分かりづらい場所ですのでご注意ください。）