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東京で働くなら「通勤ストレス」は宿命!?

東京圏の鉄道混雑率は以前に比べれば少しずつ改善されているようですが、それでもかなり酷いことに変わりありません。通勤に伴うストレスも相当なもの。都心部の会社に通うなら、それは避けることのできない宿命なのでしょうか。(2017年改訂版、初出:2016年1月)

執筆者:平野 雅之


国土交通省鉄道局がまとめた2016年度の「東京圏における主要区間の混雑率」(継続的に統計をとっている31区間における最混雑時間帯1時間の平均)から、ワースト10をピックアップして並べてみると次のようになります。

1 東京メトロ東西線(木場→門前仲町)  199%
2 JR総武・緩行線(錦糸町→両国)    198%
3 小田急小田原線(世田谷代田→下北沢) 192%
4 JR横須賀線(武蔵小杉→西大井)    191%
5 JR中央・快速線(中野→新宿)     187%
6 東急田園都市線(池尻大橋→渋谷)   184%
6 JR東海道線(川崎→品川)       184%
8 JR総武・快速線(新小岩→錦糸町)   181%
9 東京メトロ千代田線(町屋→西日暮里) 178%
10 JR京浜東北線(川口→赤羽)      176%

地方にお住まいの方からみれば、信じられないというか、想像できないような数字が並んでいることでしょう。

ちなみに、大阪圏では大阪市営地下鉄御堂筋線(梅田→淀屋橋)の147%、名古屋圏では名鉄本線(神宮前→金山)(栄生→名鉄名古屋)の142%が最混雑区間です。

それでも、東京圏における2006年度の混雑率をみると、JR山手線(上野→御徒町)の216%を筆頭に、5路線(区間)が200%以上となっていましたから、少しずつながらでも改善は進んでいるのでしょう。

その一方で、大型のタワーマンションが数多く建てられて居住者が増えた「武蔵小杉」を通る路線などでは、以前より混雑が悪化している例もあるようです。

2014年度と2016年度の結果を比べてみても、2年間で混雑率が悪化している路線がいくつかありました。

すべての乗客が座るか、または、つり革につかまっている状態が混雑率100%ですが、国土交通省は「180%以下が望ましい」としています。

しかし、すべての区間で「180%以下」を実現することはかなり困難でしょう。将来的に首都圏でも人口減少が進めば、ようやく鉄道混雑率の改善が加速するのかもしれません。

電車の乗客

電車の混雑はストレスにもなる


見知らぬ他人が一定の範囲内に近づいたとき、誰でもストレスを感じるのだそうですが、都市部の通勤電車では、近づくどころか複数の他人と体を密着させ続けなければならないような状態のときも多いでしょう。

東京都心へ通う人の通勤ストレスや、満員電車における精神的疲労の長年の「蓄積」は相当なものになるはずです。

住宅の購入を決める前には、自分の通勤時間帯に合わせ、実際に乗り込むであろう通勤電車の様子を確認しておくことも欠かせません。

住まいそのものを都心部にすれば、この過酷な「宿命」からは逃れられるわけですが……。


>> 平野雅之の不動産ミニコラム INDEX

(この記事は2008年1月公開の「不動産百考 vol.19」をもとに再構成したものです)


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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