アール・デコ建築の美術館で楽しむ、アール・ヌーヴォーの逸品
東京都庭園美術館(目黒):ガレの庭 花々と声なきものたちの言葉 

《ひとよ茸文花瓶》 被せガラス、サリッシュール、マルケットリー・アンテルカレール、アプリカッション、石英粉挿入、手彫り 1900-1904年 北澤美術館蔵

《ひとよ茸文花瓶》 被せガラス、サリッシュール、マルケットリー・アンテルカレール、アプリカッション、石英粉挿入、手彫り 1900-1904年 北澤美術館蔵


19世紀末に全世界で大流行した装飾様式、アール・ヌーヴォー。この様式を生み出した立役者の一人が、ガラス、陶芸、木工家具のデザイナーとして活躍したエミール・ガレ(1846~1904)でした。ナンシーに留学していた官僚で、のちには画家としても活躍する高島北海と出会ったガレは、日本の文様や様式、そして日本の植物について学びます。じつは、ガレは14歳のころから採集に打ち込んでいたほどの植物好き。もともと培っていた植物の知識に、日本からの文化が加わり、幻想的な独自の世界を構築していくのです。

この展覧会は、そのガレについて「植物」の観点からたどっていくもの。自邸の庭に2500~3000種類もの植物を育て、つぶさに観察し、そのデッサンをもとに数々の作品を創りだしていったガレ。展覧会では、パリのオルセー美術館が持つガレのデザイン画、そしてデザイン画を元に形作られた北澤美術館の所蔵するガラス作品を合わせて展示。作品だけでなく、彼の発想が形になる過程もわかります。
《デザイン画「脚付杯 ひなげし」》 紙に鉛筆、水彩 1900年頃 オルセー美術館蔵 ?RMN-Grand Palais (mus?e d'Orsay) / Herv? Lewandowski / distributed by AMF

《デザイン画「脚付杯 ひなげし」》 紙に鉛筆、水彩 1900年頃 オルセー美術館蔵 ©RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF


《脚付杯 ひなげし》 被せガラス、マルケットリー、手彫り、脚台熔着 1900年(1900年パリ万国博覧会出品作) 北澤美術館蔵

《脚付杯 ひなげし》 被せガラス、マルケットリー、手彫り、脚台熔着 1900年(1900年パリ万国博覧会出品作) 北澤美術館蔵

美術館の入り口で渡されるのは、ガレの妻・アンリエットが訪問者のために書いたという設定で書かれた手紙風の鑑賞の手引。この手引とともに館内を見て歩きましょう。可能な限り窓を開き自然光を取り入れる本館展示は、光を透過するガラスがより美しく見えます。 時間が許すなら、日中に訪れ、光とともに鑑賞するのがオススメです。


■展覧会DATA
展覧会名称: ガレの庭 花々と声なきものたちの言葉 
会場:東京都庭園美術館
会期:2016年1月16日(土) ~4月10日(日)
開館時間:10:00~17:30
※入場は閉館の30分前まで
休館日:第2・第4水曜日(1月27日、2月10日、 2月24日、 3月9日、 3月23日)
Web: http://www.teien-art-museum.ne.jp/


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