投資と言えば何度も売り買いするのが当たり前だと思っている人が多いと思います。しかしそんなルールはどこにもありません。もし、何度も何度も売り買いするのが面倒で負担に感じるため投資を避けている人がいたら、この方法をまねしてみてはどうでしょうか。
逆転の発想にあなたの投資の常識も切り替わるかもしれません。
約7年投資をして、売買注文は2回限りなのに、年10%を維持している
筆者は2009年5月から確定拠出年金口座で投資をしています(投資そのものは2000年からしています)。この確定拠出年金口座に関しては、「最初の注文(その後自動的に買い付けられる設定を含む)」を出し、ずっとほったらかしてきました。そのあいだたった一度だけ、「売買注文(全額を別の投資信託にチェンジする)」を出しただけです。1年に一度どころか、約7年のうち、一度しか注文を出しておらず、ほとんど何もしていません。
しかし、2015年12月末の実績では、「年率10.89%」となっています。ちなみにこのペースで毎年増やし続けると最初の入金額は8年後に2倍になるくらいです。
筆者は別に運用成績を自慢したいわけではありません。そもそも売ったり買ったりを繰り返しているわけではないので、何か特殊な売買スキルを自慢するわけでもありません。むしろ、その運用成績に至った経過(プロセス)を自慢させて欲しいと思うのです。
売買注文はほとんどせず、なぜ運用利回りは好調なのでしょうか。
株価が下がっているときほったらかしで買い続けること
ほったらかしの投資でありつつも、高利回りになっているポイントのひとつは、スタート時点の株価が低くて、今の株価が高い、ということです。日経平均株価でいえば1万円を下回っているあいだにスタートしコツコツ積立を続けていますので、今のようなタイミングでは高利回りになります。このとき、大事なポイントは「株価が下がっているときほど、止めずに買い続けた」ことです。私の例でいえば、リーマンショックや3.11のあとに株価が大きく下がったときでも、何も投資方針を変えませんでした。むしろ「株価が下がっているということは安く買うチャンス」と考えて、ただほったらかしにしていました。
確定拠出年金のこのお金は、老後のための準備であって、自分に退職金を払うようなものだと思っていますし、制度上も解約が制限されている口座(60歳にならないと原則受け取れない)であるため、とにかく株価に一喜一憂せず放置し続けたことで、安く買い続け、今のような時期にニッコリしているのです。
ほったらかし、というと悪いことのように思えますが、実は投資においては、ほったらかして自動的に買い続けることも方法のひとつなのです。