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あなたがカモにされる幸せな3つのタイミング

あなたが幸せな気分でアレを始めたとき、実はカモにされる最大のピンチかもしれません。3つのタイミングとはなんでしょうか。

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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幸せなあなたをカモにしようと狙っている人がいる


「私はカモになんかされるわけがない」と思っている人ほど、プロにしてみれば絶好のカモです。

特に危険なのはあなたが幸せな気分でいるときです。実はプロはそうしたあなたを狙っているとしたらどうでしょうか。

今回は「3つの○○し始めたタイミング」がいかに危ないか、お金の発想を切り替えるマネーハック目線でまとめてみます。
 

タイミング1.結婚したての時期

最初の危ないタイミングは結婚したての時期です。結婚をすると家族を守るという責任感が生まれやすいこともあり、保険会社に相談に出かけるカップルがよくいます。

ところが、「何か保険を契約しなくちゃいけないのではないか」と考えて保険相談に行くほど売り手にとって助かる話はありません。保険のビジネスで一番の悩みは「契約してくれそうな相手をみつけること」なのですが、その相手が自ら歩いてきてくれるわけですから。

私の友人は、相談に行って「月5~6万円は契約しなくちゃいけませんよ」とふっかけられて「結婚するって大変なことですね」と納得、危うく契約しそうになっていました。怖い話です。

社会保障の知識が少しあれば、実はすでに入っている健保や年金制度でもらえる保障が相当あることが分かるのですから、かける必要もない高額保障を求めてしまわないように注意しましょう。
 

タイミング2.子どもが生まれたての時期

同様に危ないのは、子どもが生まれたての時期です。結婚したときは保険を見直さなかった人も、多くは子どもが生まれると悩み始めます。自分が死んだとき、子どもはどうなるだろうと心配するわけです。

実はこれは保険をかけてもいい数少ないタイミングなのですが、売り手にとっては絶好のチャンスです。

市区町村の保健所で、0歳児健診がある日は、出口あたりで学資保険やこども保険のちらしを配っている営業マンがいます。健診のスケジュールを調べてやってきたのだそうです。

子どもを連れて行った私にも薦めてきましたが、素人の振りをして話を聞いてみたら、かなり高額の保障額を設定して、保険料をたくさん取ろうとしていました。

「あら、ちょうどいいところに保険の相談に乗ってくれる人がいてくれた!」と喜んだ人は、狩り場にやってきた猛獣の格好のエサなのかもしれません。
 

タイミング3.家を買おうと考え始めの時期

家を買いたいな、と思っている人も、家を売る側にとっては絶好のカモです。モデルルームがなぜオシャレかといえば、買いたい気持ちをその気にさせることと、お客の希望を高くして購入価格をより高額にする効果があるからです。

住宅展示場が仮面ライダーのショーを無料でやっているのは、マイホーム購入予備軍の多くは小さい子どもを抱えたファミリー層だからです。

「憧れのマイホームについて考えてみたい」と気楽に展示場やモデルルームに飛び込んだ人は、曖昧なままの予算を一気に上方修正することになります。

「予定より高い費用になるけれど、いいか」と言わせたり、「返済は大変だけど、ここはがんばっちゃおうかな」と思わせるのが、ある意味プロの仕事です。

買う側、つまりあなたが「安いかどうか」「返せるかどうか」の目線を忘れると、「憧れのマイホーム」があなたの人生を苦しめる大きな負債となってしまうかもしれません。
 

番外編.定年退職時

ところで、もうひとつ危ないタイミングがあります。60歳の定年退職時もカモにされるタイミングのひとつです。

あなたがリタイア生活をスタートさせ、ヒマな時間を持て余していると、銀行のセールスがやってきます。あなたの預金通帳に通常あり得ない金額が入金されたことに気がついたからです。それはつまり退職金の入金です。

このとき、何度か行員と会話をして「親切そうな人」というような、金融商品の中身以外のところで評価して、保険商品や投資商品の提案に応じてはいけません。

銀行員も営業成績に追われるただのサラリーマンです。あなたの購入金額は相手の成績であって、どこまで本当にあなたのこれからの幸せを手伝ってくれるものかは疑わしい、と思うくらいがちょうどいいのです。

また、あやしい金融商品のセールスにも巻き込まれないよう注意してください。10万円しか買ってくれない客と100万円買ってくれる客、どちらに力を入れて売り込んでくるかは明らかです。うまい話を聞いたら、君子危うきに近寄らず、くらいに考えるのがちょうどいいと思います。


……いずれのケースも、あなたの幸せが相手の利益につながるところに注意が必要です。幸せな日々の始まる「○○し始め」のタイミングのはずが、ある日突然後悔の日々とならないようにしたいものです。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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