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専業主婦の年収を計算する簡単で誰も反論できない数式

専業主婦の年収はいくらに相当するか議論が盛り上がっています。しかしそもそもの間違いは、家事の質や量で時給を考えてしまうことだとしたらどうでしょうか。1分もかからず専業主婦の年収は分かるのです。

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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専業主婦の年収がいくらかネットで話題だが

専業主婦の年収はいくら

専業主婦の年収はいくら

専業主婦の年収についての話題がネットで賑わっています。ネタ元は「マイナビウーマン」のネットアンケートのようですが、専業主婦の年収についていくらくらいが妥当か質問をしたところ、男女で大きな差が出たというものです。

女性は「200万円」が一番多い回答で、「100万円」「300万円」がこれに続いたそうです。しかし、男性は「0円」が一位で「100万円」「200万円」と続く結果だったというのです。

これをみて男性が専業主婦を低く評価している、家事や育児を低く評価していると指摘されたり、いろんな議論がネットを飛び交っています。「0円なんてひどい!」「200万円でも安い!」と憤慨した人も多いはずです。

専業主婦の年収をどうみなすか、マネーハック的に、誰も反論できない、簡単で単純な数式を示してみたいと思います。

専業主婦の年収は0円でも200万円でもなく「夫の年収の2分の1」である

専業主婦(主夫でもよい)の年収は、マネーハック的には簡単に計算できます。誰でも1分もかからず、すぐにはじき出せるでしょう。
それは、

「夫(働いている側)の年収÷2」

です。

片方が働き家庭のすべてのお金を稼ぎ、片方は家事や育児をすべて担当している、という家族内の役割分担なのですから、夫の年収の半分が妻の稼ぎ、と考えればいいのです。単純な話です。

仮に夫が年収400万円なら専業主婦の年収は200万円、夫が年収600万円なら専業主婦の年収は300万円、夫が年収1000万円なら専業主婦の年収は500万円、ということになります。

きわめて簡単な計算式ですが、あまりそう主張する人はいません。
なぜなら、「これだけの家事や育児をしているのだから労力的に年収XXX万円の価値がある」という時給や労働時間の見合いで積み上げていった年収が専業主婦の年収である、という常識的発想に囚われているからです。

マネーハック的に考えると、「労働力から専業主婦の年収を考えることが間違いである」という結論になります。もう少し解説してみましょう。

はっきりいって、家事をちゃんとしたかどうかは「専業主婦の年収」には関係がない

よく、「専業主婦の年収」は実際に稼いでないのだから意味のない数字だ、という意見がありますが、それはそのとおりです。専業主婦の家事や育児にどんな金銭的価値があったとしても、それは他者に対して提供し、金銭的対価を得て初めて「年収」となるからです(家事代行サービスのように)。

ですから、「夫が仕事で年収500万円+専業主婦としての私の価値は300万円だから合計800万円」というのはまったく意味がありませんし、「夫の年収500万円から、専業主婦の年収300万円を引いて、夫の実質的年収は200万円」というようなロジックもまったく意味がないわけです。

となると、専業主婦の年収は、夫の年収以下であって、その範囲内で合理的に計算すべきということになります。だから、夫の年収の半分になるのです。

しかし、「夫の年収÷2」という計算式が無慈悲なまでに厳しいのは、妻がいくら家事や育児をがんばったとしても、それは専業主婦の年収の多少に反映されない、ということです。

逆にいえば、家事や育児を手抜きしていたとしても、それは専業主婦の年収には関係ないことになります。これも違和感があるかもしれません。

夫婦をひとつの会社として考えてみればいい

夫婦はひとつのかたまりとして、協働して家事や育児、仕事に取り組んでいるものです。そこにどちらが偉いとか偉くないということはありません。

そう考えてみれば「夫の年収の30%」とか「40%」という考え方も不適切です。やはり「夫の年収÷2」という計算式が専業主婦の年収として正しいことになります。

例えとして、ひとつの会社として夫婦を考えてみてください。夫が「営業兼生産工場」、妻が「総務・労務」を分担しているようなものです。
営業マンにしてみると総務部の人間は何も売り上げを立てていないようにみえます。しかし総務部が工場や本社を維持する努力をしなければ会社はうまく回っていきません。会社の社員ひとりあたりの売上を計算するとき、総務部だけ除くようなことはしません。

専業主婦の年収は「夫の年収÷2」を今後の議論のスタンダードにしてみることをお勧めします。

共働きの場合も「夫婦合計年収÷2」で考える

ところで、この単純な計算式、共働きの場合にも応用できます。「夫は600万円、妻は100万円の年収だが家事や育児の9割は妻が担当している」といったとき、難しいことを考える必要はありません。同じ計算式を使えるからです。

「夫婦の合計年収÷2」が妻の年収なのだ、と考えればいいだけのことです。

たまたま、家事や育児の負担が多いので、夫が年収が高いようだが、夫婦で平均してならし、「年収350万円の夫と妻」と考えるのが合理的なのです。ここで家事や育児の価値を時給換算するから話がズレていくのです。

ちなみに、離婚したときの年金の権利は夫婦の合計の権利を2分の1にすることができます。それぞれの年収比は関係ありません。専業主婦は自動的に夫の厚生年金を半分もらえます。

国の年金制度のほうが、一番ドライでマネーハック的なのかもしれません。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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