住宅購入の費用・税金/確定申告・住宅ローン減税

住宅を改修したときの確定申告 2016年申告版(3ページ目)

一定の改修工事をしたときには、確定申告をすることにより所得税の還付が受けられます。耐震、バリアフリー、省エネに該当する改修、リフォームや増改築工事をした場合には、通常の住宅ローン控除だけでなく、独自のローン控除や、借入金がなくても適用できる制度があるため、これらの確定申告について手続きを確認しておきましょう。

執筆者:平野 雅之


住宅のバリアフリー改修促進税制の確定申告

住宅のバリアフリー化を促進するため、2007年度の税制改正により「住宅のバリアフリー改修促進税制(特定増改築等住宅借入金等特別控除制度)」が創設されました。その後の税制改正により適用期限が2019年6月30日までとなっています。

この特例は一定の居住者(50歳以上の者、介護保険法の要介護または要支援認定を受けている者など)が一定のバリアフリー改修工事を行なった場合に、5年間にわたって所得税の控除をするものです。

最大控除額は5年間の合計で62万5千円となっています。

また、通常の住宅ローン控除(増改築等)と「住宅のバリアフリー改修促進税制」の両方の要件を満たしていれば、いずれか有利なほうを選択することができます。

制度の内容や適用要件などについては ≪平成19年度住宅税制改正総まとめ≫ の2ページをご参照ください。ちなみに「住宅ローン控除(増改築)の適用対象の拡大」の部分と紛らわしいのでご注意ください。

なお、2011年度の税制改正により、2011年6月30日以降に工事の契約をした場合で、国や自治体から補助金の交付を受けているときには、その補助金相当額を特例の計算対象金額から差し引くことになっています(下記の借入金がない場合も共通)。


【借入金がない場合】

上記の「住宅のバリアフリー改修促進税制」は、改修費用に充てるための借入金がある場合のもので、自己資金でバリアフリー改修工事を行なったときは対象外です。

このため2009年度の税制改正により、借り入れがない場合でも所得税額の控除を受けられる制度が導入されました。

一定の居住者が、既存住宅において一定のバリアフリー改修工事(バリアフリーリフォーム)を行ない、2009年4月1日から2019年6月30日までに居住を始めた場合には、所得税額の控除を受けることができます。

所得税から控除される金額は、実際に要したバリアフリー改修工事費用と、別途定められる標準的な工事費用相当額のうち、 “いずれか少ないほうの金額” の10%です。

ただし、控除額の最大は20万円となるほか、こちらの制度ではその年の所得税で控除しきれなくても翌年に繰り越すことができません。

その他、制度の内容や適用要件などについては ≪平成21年度住宅税制改正総まとめ その2≫ をご参照ください。



用意する書類 (借り入れがあるときの1年目の確定申告の場合)

確定申告書【A】(第一表・第二表)
 
「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」
 
源泉徴収票
 
住民票の写し
 
「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」(借り入れた金融機関などが発行する書類)
 
増改築をした家屋の登記事項証明書
 
バリアフリー改修工事等の証明書(増改築等工事証明書)
 
工事請負契約書の写しなど、工事費用の額、工事年月日を明らかにする書類
 
補助金等の額を明らかにする書類(国や自治体から補助金の交付を受けているとき)
 
介護保険の被保険者証の写し(要件に該当する場合)



page2 ≪住宅耐震改修特別控除
page3 ≪住宅のバリアフリー改修促進税制≫
page4 ≪住宅の省エネ改修促進税制

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