最も成功したヒップホップのレコードレーベルはDef Jam
1989年から現在に至るまでのビルボードのチャートを元に、ヒップホップで最も成功したレーベルはどこなのか、ポリグラフが統計を取ったところ、Def Jamという結果に。2位は過去6年の活躍が目立つ、ドレイクやニッキー・ミナージュが所属するCash Moneyで、3位はJay-ZのRock-A-Fella。ポリグラフが作成した統計図は、約25年間のヒップホップレーベルの流れが分かり、懐かしいインディーレーベル名なども出て来て面白いです。その動きを見ると、ここ数年の業績が目立つのはCash Moneyのみ。その原因にはアーティスト達がメジャーレーベルと契約するのは流通のみといったように、マーケティングからプロモーションなど全て自分達でするという傾向になっているからでしょう。SNSの発展が向上していく一方、今後のメジャーレーベルの立ち位置やアーティスト達がどう動いていくのか、気になるところです。
スウィズ・ビーツがブルックリン美術館の理事に
90年代半ばからラッパー、プロデューサーとしてヒップホップ界で活躍し続け、R&B界のディーヴァ、アリシア・キーズを妻に持つスウィズ・ビーツ。
音楽以外でもアートコレクターとして、NYはブルックリンを代表するアーティスト、KAWSやSwoonなどを始め、数多くのアートを“ザ・ディーン・コレクション”として集めていることで知られています。そんなスウィズがブルックリン美術館の理事に就任。アート界に新たな風を吹き込んでくれることでしょう。
片目の新鋭ラッパー、フェティ・ワップ、新人賞を総嘗め
ニュージャージー州出身で現在24歳のフェティ・ワップは2015年最も注目を集めた新人ラッパー。2014年の終わりにリリースしたシングル「Trap Queen」が長期間に渡ってじわじわと人気を伸ばし、2015年の5月にはビルボードのチャート2位にランクイン。8月には続いて出した「My Way」、「679」も含め、フェティの3曲がビルボードのトップ11入りを果たしました。
2015年のBETアワードやMTVビデオ・ミュージック・アワード、アメリカン・ミュージック・アワードなどで新人賞を総嘗めにした彼ですが、ラップ歴は何とまだわずか3年未満。一気にスターの座を獲得しても、動揺することなく落ち着いた雰囲気を醸し出すフェティの今後の活躍に期待がかかります。
N.W.A、ロックの殿堂入りを果たす
80年代のギャングスタ・ラップを代表するグループ、N.W.Aが第31回目となるロックの殿堂入りを果たす5組の内の1組に選出され、その式典が2016年4月にNYのバークレイズ・センターで行われます。
アイス・キューブは殿堂入りを果たしたことに対して「言葉に表すのはとても難しいけど、多くのことを意味していて、N.W.Aというグループの存在が認められたということであり、俺たちが過去にしたことが今の音楽シーンでどんな意味を持っているかを理解してもらえたと思う」とコメントしました。
過去に3回、殿堂入りのリストに挙ったことのあるN.W.Aでしたが、今回殿堂入りを果たした理由の一つとして、8月に全米で公開されたN.W.Aの伝記映画「Straight Outta Compton」が大きな反響を呼んだこともあるでしょう。世界での累計興行収入が2億ドル(約242億円)を超え、音楽アーティストの伝記映画として、過去最高の大ヒット作となりました。オスカーにノミネートされるのではとの期待の声もあり、どうなるか乞うご期待。
日本では現在公開中ですので、まだ観ていない方は是非!
ケンドリック・ラマーが2016年に行われる第58回グラミー賞で、11の賞にノミネート
ヒップホップ界に旋風を巻き起こしたケンドリック・ラマーの2枚目のアルバム「To Pimp a Butterfly」が、2016年2月に行われる第58回グラミー賞で、11もの賞にノミネートされました。
ラッパーとしては過去にエミネムが10の賞にノミネートされたのを超えて、歴史上最高のノミネート数で、アーティストとしてはマイケル・ジャクソンの12の賞にノミネートに続く第2位。11のノミネートの内、いくつの賞を獲得するのか、目が離せません。
ラマーは5月にもカリフォルニア州の上院議員からジェネレーショナル・アイコン・アワードという素晴らしい賞を受賞しています。若い世代に影響を与え、ハードワークの大事さを示し、地元のコミュニティーに還元したとして、贈られた賞で、ラマーは「自分の音楽を通して、地元の地域社会に貢献出来る機会を与えられ、それを見た若者たちがインスパイアされたことはとても光栄なこと」と授賞式で語りました。ちなみにあのオバマ大統領もラマーの大ファンで「How Much a Dollar Cost」が2015年の一番好きな曲なのだそう。
こうして改めて2015年にヒップホップ界に起こったことを振り返ってみると、約40年の歴史を経てきたからこそ、その功績が認められ、そしてこの歴史を作ってきた先人達を見て育った若手がインスパイアされ、良い事を成し遂げたりと、ヒップホップ界に良い輪が広がってきているように見えます。
もちろん良いことだけではなく、悲しいことや良くない出来事も起こりましたが、この先もヒップホップが多くの人達に良きインスピレーションとなる素晴らしい文化に育っていくといいですね。2016年はまたどんなことが起こるのか、楽しみにしたいと思います。
それでは皆さん、Happy New Year!!