鮮やかな映像は直射日光で差が出る
音が良いカーナビとして評判が高いDIATONE SOUND.NAVIがフルモデルチェンジ。新しいMZ100シリーズは、音が良いだけではなく、カーナビとしての能力も大幅に進化している。そんなDIATONE SOUND.NAVI、MZ100シリーズのデモカーに試乗してみた。クルマに乗り込んでまず感じたのはデザインの良さだ。ディスプレイ周囲のフレームの出っ張りをなくし、左右と上方向を端までフラットにしたデザインは、光沢仕上げの静電タッチパネルとも相まって高級感が漂っているし、インパネへのフィット感もいい。
キーONで画面にメニュー画面が映し出されると、画像の美しさに驚く。とくに黒の締まり具合とコントラスト。前モデルのMZ90シリーズと並べてみる機会があったが、その差は歴然。メニューの文字も地図もはっきりくっきり見える。
さらに驚くのは、走行中に画面に直射日光が差し込んだ時。通常、画面に直射日光が当たると、その部分が白っちゃけて見えづらくなり、見る角度を変えてみたり日差しを手で覆ってみたりしなければならなかったが、MZ100シリーズの画面は、直射日光が当たった部分も地図を確認できるし、交差点拡大などの案内図を見逃さずにすむ。
これは、液晶パネルと表面のパネルの隙間をボンディング材で埋めてダイレクトボンディングとし、パネル表面にARマルチコート・グレア処理を施したことが効いている。これにより、ドライブ中の安心感は大きく高まる。
操作も速さもスマホ並みの快適さ
次に操作性。フリック&ドラッグでスマートフォンのような操作が可能なカーナビはいまどき珍しくはないが、MZ100シリーズは操作レスポンスまで、スマートフォン並みの速さだ。地図を上下左右、斜めにフリックすれば、どの方向へもスムースにスクロール。スクロール中も地図が消えないのもありがたい。また検索リストや楽曲リストも、リストのフリックまたは右横のスライドバーのドラッグでスクロールできる。このリストのスクロールはあまりに速すぎて、コツを覚えるまで慣れが必要なほどだ。
この操作レスポンスの速さをもたらしているのが、新開発のR-Car H1というSoC(System-on-a-chip 1つの半導体チップに動作に必要な機能のすべてを実装する集積回路の方式)。これまでのSoCにはシングルコアのCPUを搭載していたが、R-Car H1にはクアッドコアCPUを搭載したのだから、処理能力は大幅に向上している。
その速さはスクロールだけではなく、すべての操作に波及している。例えばルート探索。100キロ程度離れた目的地へのルート探索ならあっという間。カタログ上では「JR札幌駅からJR鹿児島駅までの5ルート探索が約9.75秒で完了する」という。これは従来モデルの約4.8倍の速さだ。