「ゆりかもめ」を見上げながら歩くお散歩
散歩中のちょっとした会話の中から次の散歩の企画をひねり出してくるプロデューサーのOくん。これがけっこうユニークなものが多い。「豊洲はなにもなくてだだっ広い空き地なんだよ」というような話をしたら、そのなにもない豊洲を歩く散歩はどうか? とOくんから提案があった。「ゆりかもめ」を歩く散歩なのだそうだ。
歩いてみてわかったけれど、もうすっかり豊洲周辺は工事が進み、なにもない原っぱじゃなくなっていた。
これまで、山手線や都電荒川線沿いを歩いてきた僕としては当然ながらゆりかもめ散歩も考えてはいた。でも、やらなかったのは、レインボーブリッジを歩いて渡るのが怖かったからだ。しかし、そんなこと言えないので、「おもしろそうな散歩ですね、やりましょう」とメールの返信をしてしまった。
というわけで、散歩当日。午前10時に新橋駅だ。少し憂鬱な気分だが、そんなことはおくびにも出さず陽気にあいさつ。まずは、海岸通りを汐留駅方向へ歩く。
Oくんが「せっかくだから浜離宮庭園のそばを歩きましょう」と言う。なるほど、黄葉した銀杏並木がきれいだ。
水面に映る植物がなんとも美しい。庭園内から見えない、ここからだけの景色に感動しながら歩く。
Oくんは個性的なマンションに興味があるようで、そういうのを見つけるたびに、関心している。人それぞれ、目線が違っているのがおもしろい。
たぶん、船から降りてきた人たちだろう、散歩姿の高齢者の方々を多く見かける。Oくんが、「もうこんな場所ですか。まだ1時間も歩いてないのに」。僕は笑顔で「でしょ、でしょ。これなら豊洲駅まですぐだよ」と言った。実はOくん、出発のときは「行けるところまで行きましょう」と言っていたのだ。僕は豊洲駅まで歩く気満々。
そんなことを話していると、見えてきたのがレインボーブリッジ! す、すごい。ここを歩いていくのかぁと思うと気分がブルーになる。
このレインボーブリッジは、車と人、そしてゆりかもめも走っている。入り口付近には通行時間などの案内があった。
平日の昼間ということもあってか、人影はまばらだ。エレベーターで上まであがり、橋を歩く。
いよいよ、次ページではレインボーブリッジを渡ります。レインボーブリッジの長さや全行程の距離も次ページで。