静粛性の向上も朗報
そのほか、音・振動対策も念を入れて行われている。ドアシールへのハイソフトスポンジの追加とリップの2枚化や、フロントパーテンションガラスの板厚アップなどにより風切り音の低減を図るなど、マイナーチェンジでは入念といえるほどのこだわりよう。
市場からの要求といってしまえばそうだろうが、スバルらしく熟成に熟成を重ねる点には好感が持てるし、同クラスのSUVでは、三菱アウトランダーが乗り心地や音・振動面の改善を図っているだけに、国産SUVがより上質な乗り味を得ているのは大歓迎。
より快適になったフォレスターの真価とは?
良好な乗り心地や自然なステアフィールを得たフォレスターは、オンロード中心の使い方でも高い満足感が得られるだろう。それでもスバルのシンメトリカルAWDをはじめ、最廉価の「20i」をのぞき「X-MODE」を全車に標準装備することで高い悪路走破性と安心感を得られるのがやはり同車の大きな魅力で、そこに今回のマイナーチェンジにより最新の安全装備も選べるようになっている。
そう考えると、フォレスターの真価を味わえる悪路走破性の高さを享受するようなシーンで使うのが最もふさわしいはずで、ウインタースポーツやマリンスポーツなどはもちろん、渓流釣りや登山など林道などもよく走るような人にオススメのSUVといえるだろう。
フォレスターのライバルの強みは?
ライバルは三菱アウトランダー(PHEVを含む)や、マツダCX-5、日産エクストレイル(ハイブリッド含む)などの国産SUVが中心となるはず。この3台は燃費(もしくは電費)に優れるという美点がある。
しかし、燃費のいいPHEVもハイブリッドも車両価格にその分だけ上乗せされる。NAエンジンの4WDの比較でいえば、フォレスターはトップクラスの燃費(16.0km/L)を維持しているし、ターボを選べば13.2km/Lと燃費はやや厳しくなるが、豪快な加速フィールを得られるという大きな魅力もある。
街中中心なら走り方によってだが、ほぼEVとして使えるアウトランダーPHEVを指名する手もあるし、ハイブリッドならエクストレイル、クリーンディーゼルを用意するマツダCX-5は、トルクフルな走りと軽油で済むランニングコストの高さが魅力。
こう考えると、このクラスの国産SUVは、バラエティに富んだモデルが揃っているから、使い方に応じた選び方ができる状況にある。