フォレスターがマイナーチェンジで乗り心地を改善
悪路走破性を最重視するスバル・フォレスターは、オンロードの快適性に重きをおく乗用車系のSUVと比べると乗り心地で不利なのは否めなかった。
2015年11月2日に発売されたフォレスターのマイナーチェンジ後モデルでは、「アイサイト2」から「3」へのアップデート、スバル初となるLEDハイ&ロービーム(ステアリング連動付)、つまりオートマチックハイビームの採用や、レヴォーグなどでもお馴染みの「アドバンスドセイフティパッケージ」の設定が主なトピックス。
さらに、シャーシの強化やサスペンションセッティングの見直しも盛り込まれていて、課題のひとつだった乗り心地の改善、そして操縦安定性の向上も図られている。
具体的には、フロントサスペンションはダンパーの減衰力とスプリングのバネ定数の変更、ロッドガイドブッシュと作動オイルの変更、クロスメンバーの剛性向上が施されている。
リヤサスペンションも減衰力とバネ定数の変更をはじめ、ダンパーレバー比とアライメントの最適化、リヤスタビライザーの取付位置の最適化が実施されているという。
乗り心地も大幅に改善
今回試乗したのは、売れ筋であるNAエンジン搭載の「2.0i-L EyeSight」。タイヤサイズは225/60R17で、今回の改良により路面の状態を問わず非常に滑らかな乗り味が得られている印象だ。
今回試乗した西湖、河口湖周辺は荒れた路面から良路まで揃っていて、ラフロードこそほとんど走る機会はなかったが、220mmという高めの最低地上高が確保されているとは思えないほど、ボディの揺れが少なくなっているのには驚かされた。
こうしたSUVが苦手としがちなピッチングも押さえ込まれているし、ステアリングのフィーリングも雑味を感じさせないスムーズなものになっている。ステアリングギヤ比を従来の15.5:1から14.0:1へとクイックにして、アシスト特性も変更しているそうだが、コーナーの大小を問わず自在に向きを変えてくれる。
それでも背の低いスバルXVと比べると、さすがにコーナリング時のロールは大きめだが、全高を考えると十分に納得できる範囲。それよりも室内の広さ感やSUVならではの開放感など得られる利点も多く、購入を躊躇するような懸念材料にはならないはずだ。
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