Frenchy but chic
ガイド:FRENCH TECHNO POPのおかげで、Virgin Franceからのフレンチ・テクノポップを集めたCD『Frenchy but chic』(1994年)の存在を知り、偶然中古レコード店で発見した時はとても嬉しかったのを覚えています。ピエール&ジルのジャケも素敵ですよね。このCDについて、Philippeというフランス人は、フレンチ・テクノポップ系アーティストが日本に影響されていることを指摘してくれました。Tokow Boysとか(笑)。
岡本:
Benthølerの「Japanese Garden」とか、Mathématiques Modernesの「Paris Tokyo」とか、当時の東京はヨーロッパのアーティストにとってはある種のエキゾチシズムがあったのかもしれませんね。未来都市感というか。オランダのレーベルから出た『Tokyo Mobile Music 1』とか『Music From The Rising Sun』なんて、そうした「憧れ感」ありましたもんね。
海外からの反応
ガイド:FRENCH TECHNO POPというサイトをやっていて、海外からのコンタクトとかありましたか?
岡本:
ありましたよ。第1期はベルギー人のTelexコレクターのEmmanuel Goedseelsとか、スウェーデン人の「ディスコグラフィーの知識の塊」のJonas Walstadという人と知り合ったりして。彼ら経由で広まったからか、アクセスログを見ると、半分ぐらいはフランスやベルギー、オランダからの人でした。余談ですが、当時のディスコグラフィー系ホームページってテキストのみのものがほとんどだったので、ジャケットのデータはいろんなところで「流用」されました(笑)。なんとLioのオフィシャルサイトでも、「これどう見ても僕のスキャンしたジャケット画像じゃん」なんてことがありましたね(笑)。
ガイド:
本家のサイトに流用(いや採用ですかね)されるとは! それと、Jonas Walstadさん、覚えています!(もうサイトはないですよねー)。フランス人からはあったのでしょうか?
岡本:
フランス人じゃなくてオランダのロッテルダムに住んでいるディーラーの人から「サイトみたよ、お前ならこんなレコード好きなんじゃない?受け取れ」とドーナツ盤ばかり50枚くらい送ってきたことがありました。ほとんどが「うむむ…」なレコードでしたが(笑)。でも中に、LioのブレーンのひとりだったJacques Duvallのシングルで、Telexのメンバーがプロデュースしたレコードが1枚混じっていて、それだけでもとてもうれしかったのを覚えています。
N'IMPORTE QUOI POUR LE FRIC (1984 BE 7") by JACQUES DUVALL (FRENCH TECHNO POP archive)
あとは、「それどこで売ってるの?」とか「自分のレコードと交換してくれ」みたいなオファーは多かったですね。一番多かったのは、さっき話に出てきた『Frenchy but chic』です。
ガイド:
あ、それは僕もありました。阿木譲さんがやっていたVanity Recordsの海外コレクターがいて、僕も何枚か持っていたので、交換した覚えがあります。