「踊ること」も演じること
地球ゴージャスプロデュース公演vol.13 『クザリアーナの翼』
「有難うございます。地球ゴージャスの舞台は宝塚に在団中に初めて『クラウディア』を拝見したときから、いつか立たせていただきたいなと思っていたのが、10年越しで叶ったんです。岸谷さんは私の宝塚の舞台と退団後の舞台も観に来てくださって、私も退団後も地球ゴージャスさんの舞台はずっと拝見していたので、オフの“お兄ちゃ~ん”という私の末っ子気質の部分と男役で培ったものの両面を出していただけたのかなと思います」
――今後のビジョンもうかがっていきたいのですが、フォッシー・スタイルにタンゴにと海外のダンスも極めていただきつつ、プロフィールを拝見していましたら、湖月さん、名取でいらっしゃるのですよね。日舞を踊る湖月さんも拝見したいです。
「有難うございます。恐縮です。日舞は、宝塚でバウホール公演などで主役をいただくようになって、準備派の私としては(笑)“日本物の演目もちゃんと踊れるようになっていないと”と思い、花柳流の先生のところに通って名取をいただいたんです。背が高くてなかなか安定感のある日舞ができず、苦労しましたね。退団後は大学のこともありましたし、ミュージカルを中心に歌と多種多様なダンス公演が続きまして、なかなか日本舞踊と向き合う時間が作れませんでした。
地球ゴージャスプロデュース公演vol.13 『クザリアーナの翼』
――他に胸に抱いていることなどおありでしょうか?
「私は目の前のことに夢中になるタイプで、今は『シカゴ』のことしか考えられないのですが、来年は「グランドホテル」という作品に日本版オリジナルの“スペシャル・ダンサー”という役で出させていただくことにもなっていますし、ダンスは自分と切っても切り離せない部分があります。年齢とともに難しくなって来る部分もあるかもしれませんが、踊ることも演じることであって、経験を重ねてきたからこそお見せできるダンスもあると思うので、自分の体が続くうちはダンスというものに向き合っていきたいなあと思っています」
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「目標が持てない」という若者も少なくない昨今、小学5年生で定めた夢を一心に追いかけ、それが完結したと思われた後も、目の前に現れる課題に夢中で取り組んできたという湖月さん。地道に、こつこつと努力を積み重ねる彼女はこれからも、一つ一つチャレンジする度、さらに大輪の花を咲かせてゆくのでしょう。その彼女のキャリアにとって、大きな節目となる今回の舞台。彼女がブロードウェイで“シャーロット応援団”の一員として“ドキドキワクワク”を味わったように、私たちも胸高鳴らせつつ、湖月さんの努力の成果を見守りましょう!
*公演情報*『シカゴ』上演中~12月23日=東急シアターオーブ、12月26~27日=梅田芸術劇場
*次頁で観劇レポートを掲載しました!