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あっちこっちに流れ星! 年末恒例「ふたご座流星群」

一年の最後を飾る天体ショーといえば「ふたご座流星群」。毎年たくさんの流星が見られることで知られ、年間最大の流星群といっても過言ではありません。澄み切った冬の夜空に流星のきらめきを探してみませんか?

執筆者:景山 えりか

流星数トップクラスの「ふたご座流星群」とは

「ふたご座流星群」は、1月の「しぶんぎ座流星群」、8月の「ペルセウス座流星群」と並ぶ、三大流星群のひとつ。毎年12月14日前後に活動のピークを迎え、多くの流星が見られることで知られています。

なぜ、毎年たくさんの流星が見られるのでしょう? それは、ふたご座流星群には、次のような特徴があるからです。

・活動が安定している
・ピーク日が冬至に近いので夜が長く、観察時間も十分
・放射点(流星が飛び出してくるように見える中心点)のあるふたご座が、ほぼ一晩中見え、深夜に空高く昇る

1時間あたりの流星数は40~60個、ピーク時には100個近くに達するといわれ、年間最大の流星群といっていいでしょう。

流星群を観察する最高の条件とは

当たりはずれがほとんどないふたご座流星群ですが、観察条件が整うと、さらに多くの流星をキャッチできる可能性が高まります。

その条件とは、
・活動のピークとなる時刻が夜間であること
・月明かりの影響を受けないこと

よく混同されているのが、流星群の「活動のピーク(極大)」と「見頃」。この2つは別物です。

流星群の活動がもっとも活発になる時刻は、夜とは限りません。
一方、見頃というのは流星を探すのにもっともよい時間帯のことですから、当然夜間になります。

つまり、流星群の活動がピークを迎える日時と、見頃(見やすい時間帯)はズレる場合があるということ。
このズレが小さいほうが、より多くの流星を観察できるわけです。

たとえば2013年の場合、活動のピークは12月14日の午後2時頃でした。日中の空に星を見ることはできませんから、流星群の見頃はピーク時を挟んだ夜の時間帯。前日の宵から当日の未明、もしくは当日の宵から翌日未明となりました。

このような活動のピークと見頃のズレは、どの流星群にも起こりえます。

ふたご座流星群

流星はどの方向にも現れるので、空全体を見渡すようにするのがポイントです


2015年は最高条件! ひと晩に500個も夢じゃない?!

今年のふたご座流星群の活動は、12月15日(火)午前3時頃にピークを迎えます。そう、夜間です。
気になる月相は、三日月を過ぎたばかり。14日(月)の、宵の早いうちに月は沈んでしまうので、月明かりの影響はまったく心配ありません。

ということは……今年はふたご座流星群を楽しむ最高条件がそろっているのです!

国立天文台によれば、今年は前後10年の間で、もっともよい条件なのだそう。
また、流星電波観測国際プロジェクトのウェブサイトを見ると、今年ほどの条件がそろうのは、次回は2023年もしくは2026年というから驚きです。

人工の灯りの影響を受けない、星空が美しい場所ならば、1時間に100個近い流星が数えられそう。ひと晩中空を見上げていれば、500個超も夢ではありませんね。
街灯りがある市街地や郊外でも、1時間に10~20個は見られそうですよ。

もう、これは絶対に見逃せません!

流星群の見頃は、14日(月)の宵から15日(火)の夜明け前まで。ピーク時刻の午前3時にこだわる必要はありません。一番大切なのは、空を見上げること。当たり前すぎることですが、当日になると「忙しい」とか「やっぱり面倒くさい」とか「見えるはずがない」とか、いろいろ理由をつけて実行にうつさないことって、きっとありますよね。どんな場所でも、流星キャッチの可能性はゼロではありません。「夜空を見上げる」という簡単な行為を意識するだけで、流星に出合うチャンスがぐんと広がりますよ。

ふたご座流星群は、今年最後の華やかな天体ショー。年末の忙しさや日常からほんの少しだけ離れて、大いに楽しみましょう。流れ星に一年間の感謝を伝え、来年の希望を託してみるのもロマンチックです。

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