冬のスイスをもっと楽しもう

冬のスイス

標高の高い場所ではカラリと晴れていることが多い冬のスイス


冬のスイスと聞くと、どんな事を思い浮かべますか? 日本とは比較にならない山のスケールに、多くの人は「寒そう」というイメージを持ってしまうようです。ガイド自身も、最初に冬のスイスを訪れるまでは、そんな一人でした。

例えば人気スキー場のひとつ、グリンデルワルトの場合、一番寒くなる1月の最高気温の平均は3°、最低気温の平均は-6°。それに対し、東京の1月は最高が10°、最低が2°。東京と比較すればデータ上ではスイスの方が確かに低くなります。

しかし実際に訪れてみると、思ったほど寒くないというのが実感でした。ガイドは関西在住ですが、これなら日本の冬とあまり変わらないなと思ったものです。北海道や東北出身の人なら、なおさらそのように感じるかもしれません。

もちろん天候が崩れて吹雪の日もあるので、十分な防寒対策は必要ですが、必要以上に寒さを恐れることはありません。ここでは意外に思ったほど寒くない冬のスイスの楽しみ方をご紹介します。
スイスの冬景色

雪の中でのんびり日光浴を楽しむ



山岳リゾート地では、冬こそハイシーズン!

スイスの冬~山のレストラン

山のレストランでランチの後は日光浴が楽しみ


スイスを訪れる日本の旅行者は、6月から8月の夏場が中心です。しかしスイスの山岳リゾート地では夏より冬の滞在客が多く、特にクリスマスシーズンから年始の時期は、年間を通して一番のハイシーズンになります。

ツェルマットやサン・モリッツといった人気の山岳リゾート地では、冬のホテル予約は週末から1週間単位(土曜チェックインの7泊)が基本になります。地元スイス人はもちろん、ヨーロッパ周辺国からスキー休暇を過ごす人は最低でも1週間、中には2週間、3週間と同じ場所にのんびり滞在します。

ホテルとしては週中チェックインで2~3泊といった予約よりも、週末チェックインで7泊の予約を優先するので、年末・年始などハイシーズンは計画の段階で注意が必要です。週末チェックインの計画でなかなかホテルが見つからない場合、前後の週末にずらして探してみると良いでしょう。


スイスの冬の過ごし方、3大人気は?

スイスのスキー

スイスの冬はどこもスキー天国に

スイスの冬の人気の過ごし方と言えば、スキー(スノーボード)、ソリ遊び、そしてウインターハイキングが人気です。夏の間、観光客やハイカーたちを展望台に運び上げていたロープウェイやゴンドラは、冬になるとスキーヤーやボーダーで一杯になります。さらに夏の間休止していたリフトも動き出します。

ユングフラウ地方やツェルマットなどスイスを代表するスキー場では、アイガーやマッターホルンなどの名峰をバックに、初級者から上級者まで滑走を楽しむことができます。ゲレンデの大部分は森林限界よりも高い地点に位置。そのため林間コースは少なく、広大なゲレンデが広がります。空気が乾燥しているため、雪質もさらさらのパウダーです。

ソリ遊びは子供向けのイメージですが、スイスでは大人も一緒に十分楽しむことができます。木製のソリは現地ではトボガンと呼ばれ、スポーツ店でレンタルも可能。靴はスノーシューズを履きます。曲がる時は片方の足を、止まる時は両方の足を雪面に踏ん張れば良いだけ。ソリは全く初めてという人でも、少し慣れれば操作は簡単です。
スイスのソリ遊び

大人だけでも十分楽しめるソリ

ガイドは一度、グリンデルワルト地区にあるヨーロッパ最長のソリコースを滑ったことがあります。大人数人と一緒でしたが、皆予想をはるかに超える楽しさからか、大声で笑いながら快適な滑りを楽しみました。

ソリコースの中には鉄道の駅と駅を結ぶ特大スケールのコースもあります。場所はスイス東部、レーティッシュ鉄道アルブラ線の一区間。標高1789mのプレーダ駅からベルギュン駅まで、標高差400m、6キロを一気に滑り下ります。現地でソリのレンタルも可能。列車をリフト替わりに何度も楽しむ愛好家も多く、この区間はソリを持った乗客で列車内も大賑わいです。

ウインターハイキングは、整備された雪道のコースを歩きます。スキーをしない人にぜひお勧めしたい過ごし方です。近年その人気の高まりとともに、各地のスキー場ではウインターハイキングのコースもどんどん整備されてきています。コースは歩きやすいように圧雪され、コース脇には蛍光色のペンキを塗ったポールが一定の間隔で立てられています。これなら道に迷う心配もありません。場所によってはウインターハイキングとソリ遊びを組み合わせることもできます。
スイスのウィンターハイキング

冬の清冽な空気の中、山も一層美しく見える


スイス人になった気分で冬の一日を過ごしてみよう

フォンデュ

冬の一日の後はフォンデュでホカホカに

スイス人やヨーロッパ各国からやってくる滞在客は、どのように冬の一日を過ごしているのでしょうか? 彼らに倣い、平均的な過ごし方を真似てみましょう。

まず朝はのんびり起きます。朝食は早くても8時過ぎ。日本と比べてヨーロッパは緯度が高いため、真冬のスイスはこの時間はまだ日が昇ってません。2月の中旬頃になると日の出は7時30分前後になりますが、12月~1月は8時30分頃にようやく明るくなります。

朝食の後ホテルの部屋に戻り、スキーやウィンターハイキングの準備をして出発。午前10時頃から活動を開始し、山のレストランでランチ。天気が良い日はサンテラスでグラスを片手に日光浴を楽しみます。

冬は標高の低い平野部は霧に覆われてカラッと晴れる日が少ないのですが、スキー場では低い雲を眼下に陽光が降り注ぎます。「寒そう!」というイメージのスイスの雪山ですが、多くの人が日光浴も楽しみにやって来ます。

午後はスキーやハイキングもほどほどに切り上げ、午後早目の時間帯に部屋に戻ります。サウナやジャグジーで冷えた体をほぐした後はお楽しみのディナータイム。たっぷり時間をかけて楽しみます。

夕食の後、飲み足りない人はさらにホテルのバーで一杯というのも良いでしょう。おしゃべり、ゲーム、読書と、皆長い冬の夜を思い思いに過ごします。日本からの旅行客、特に高齢の方は「早寝、早起き」の傾向がありますが、「遅寝、遅起き」がスイス流冬の一日の過ごし方です。

冬のスイスは航空運賃がぐんとお得

旅費の中で大きな割合を占めるのが航空運賃ですが、年末年始など特定日を除いて冬場は安くなるのも見逃せません。特に12月上旬から中旬、1月(お正月明けの出発)は一年の中で航空運賃が最も安くなる時期と言えます。この時期ホテル代も割安になることが多いので、全体の旅費を押さえるのに最適です。

2月から3月にかけて航空運賃は徐々に高くなりますが、現地ではだんだんと日が長くなり、暖かくなってきます。寒さが心配という方は、この時期を選ぶと良いでしょう。スキーヤーやスノーボーダーにも、積雪の安定したこの時期はおすすめです。

スキーと観光の組み合わせはスイスならでは

冬景色を走るスイス国鉄

冬場も正確な運行を保つスイスの鉄道

九州くらいの小さな国土に交通機関が発達したスイスでは、スキー場から鉄道やバスを利用して周辺の町や村に簡単に足を伸ばすことができます。毎日スキーばかりだと疲れてしまうと心配という方は、スキーと観光の組み合わせがお勧めです。疲れた日、天候の悪い日は無理してゲレンデに出ずに、手軽な観光に切り替えましょう。

特にユングフラウ地方は、スキーに観光をプラスするのに絶好です。登山口となるインターラーケンまで降りてくれば、例えばスイスの首都ベルンまで列車で1時間。半日もあれば、観光とショッピングを兼ねて往復できます。ただし日曜。祝日はほとんどお店は閉まっているのでご注意ください。
冬のベルン

スイスの首都、ベルンの冬景色

チューリッヒやルツェルンから近い本格的なスキー場と言えば、エンゲルベルグ。ティトリス山の麓に広がるスキー場で、スイスの古都、ルツェルンまで列車で片道1時間と簡単に足を伸ばすことができます。

フランスやオーストリアなど、スイスの周辺国にも良いスキー場はたくさんありますが、列車など公共の交通機関を利用して手軽に観光を組み合わせることができるのはスイスならではです。

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※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。