「壁勝(かべがち)」の巾木の納め方
次に床(フローリング)と壁の接点……床と壁は5mm程度の隙間を空けています……を綺麗におさめるために「巾木(はばき)」を製作します。建材として樹脂製のソフト巾木がありますが、せっかく無垢フローリングを張ったのですから「樹脂」じゃぁ興ざめですね。
床のフローリングの延長として巾木を捉えるなら巾木は「木製」。逆に壁の延長として巾木を捉えるなら壁色と合わせて白系の巾木です。
部屋の足元や床材を美しく見せるなら壁の延長としての巾木・・・つまり壁が勝つ、「壁勝(かべがち)」の納め方を選択します。
仕上げは白系の塗装としますので、材料は9mm厚のMDF。
MDFとは、Midium Density Fiberboard(中質繊維板)の略。マツやスギなどの材料+合成樹脂を熱圧成型した板、つまり木の粉を樹脂で固めて作った板です。
安価で、加工性も良く、均一性があって、塗装するにはもってこいの材料です。収納家具など箱物家具や建具などに使用する大変ポピュラーな材料です。
巾木高を60mmにして、必要な長さ分、巾木を揃えます。巾木はドア枠、家具の下部などと関係しますら、それぞれの形に合わせて調整加工します。
作り付けの収納家具の扉下部分用に巾木をカットし、形状合わせをします。
カットした巾木を適合部に合わせて、調整します。
巾木は長さが決まっていますので、つなぎ合わせながら、ぐるりと部屋一周します。
つなぎ合わせ部分には「サネ」を入れ、巾木通しの狂いやズレが生じないようします。
(*サネとは、「実 」と書きます。板と板をつなげるための接合方法の一。一方の板の側面に彫った溝に、他方の板に作った突起(実 (サネ) )を差し込んで接合する本実矧ぎ(ホンサネハギ)と、両方の板に溝を彫り、細い棒(雇い実)を差し込んで接合する雇い実矧ぎ(ヤトイザネハギ)とがあります。*←フローリングの木口の凹凸もサネでの接合です。)
「サネ」は、木片で製作しています。
巾木の木口にはあらかじめ「サネ用の溝」を引いておきます。
厚さ3mmのサネを使用しますのでサネに合わせた溝幅で。
サネを溝に差し込み、接合具合を見ます。
サネを入れながら巾木をつなげ、部屋全体の巾木のおさまり具合を見ます。床との隅間があれば、巾木を削って合わせます。
各部調整加工し、仮納めができたら巾木の塗装に移ります。MDFは塗装に適した材料ですからとてもきれいに仕上げることが可能です。
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