文化勲章は毎年10月終わりころに発表される

皇居

文化勲章は文化の日に宮中にて親授される

毎年10月の終わりもしくは11月のはじめあたりに、文化勲章と文化功労者の発表があります。2015年においては、ノーベル医学・生理学賞受賞者である大村智氏、同物理学賞受賞者である梶田隆章氏、俳優の仲代達矢氏など7名が文化勲章を受章しました。

一方、文化功労者には、脚本家の橋田寿賀子氏、ユニセフ親善大使の黒柳徹子氏など16名が選出されています。

さて、そもそもこの文化勲章と文化功労者とは一体何なのでしょうか。また、この2つの違いは何なのでしょう。今回は文化勲章を中心に、この2つの内容について解説していきたいと思います。

文化勲章は日本で最も新しい勲章である

文化勲章は、我が国の文化の発達に関して顕著な功績のあった者に対して授与される勲章になります。実は日本で最も新しい勲章でもあり、1937年(昭和12年)に当時の内閣総理大臣である廣田弘毅の発案により制定されました。

文化勲章受章者は、文化審議会に置かれる文化功労者選考分科会に属する委員の意見を聴き、文部科学大臣から推薦された者について審査が行われ、閣議によって決定されます。毎年11月3日の文化の日に、宮中で親授式が行われ、天皇陛下から直接文化勲章を授与されることになります。

この文化勲章ですが、第一号の受賞者は誰かというと、長岡半太郎理学博士になります。日本の理論・実験物理学の親ともいわれる偉大な功績を残した方が受章されました。ちなみに、最も若くして受章されたのは、湯川秀樹博士です。なんと36歳で受章されています。このように、科学技術や芸術などを中心として、文化の発展に特に顕著な功績を残した方に授与されるのが文化勲章なのです。

文化功労者には終身年金が贈られる

一方、文化功労者は、文化の向上発達に特に功績が顕著な者に対して、文部科学大臣が文化功労者選考分科会に諮り、顕彰される方が該当します。文化功労者の制度は、1951年(昭和26年)に創設されたものになります。これができた理由としては、日本国憲法第14条の規定が背景にあります。日本国憲法第14条では、勲章への特権付与の禁止を挙げており、文化勲章受章者には金品等の副賞を渡すことができません。そのため、別制度として、文化功労者制度を創設することで、文化の発展向上への貢献者に対して終身年金(現在年額350万円)が支給される仕組みをつくったのです。

こうした仕組みが取られていることから、現在では、文化勲章受章者は、原則として前年までに文化功労者として顕彰を受けている者の中から選ばれるようになっています(中には同じ年に選出されるケースもあり)。なお、文化功労者に支給される終身年金は、非課税であり、所得税がかかりません。文化功労者が生存する限り支給されることになります。
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