テクノポップ/アーティストインタヴュー

アーバンギャルドのたのしいプロテスト(5ページ目)

平成二十七年十二月九日、アーバンギャルドが放つ問題作『昭和九十年』! 松永天馬、浜崎容子、瀬々信、おおくぼけい…メンバー全員が一体となって、トラウマテクノポップの枠には収まらない「殺せない言葉」と「ひしめき合うサウンド」が響くコンセプト・アルバムが出来ました。メンバーに登場していていただき、その想いを語ってもらいました。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

テクノ哀歌

ガイド:
 「あいこん哀歌」…ズルい、ズルい、ズルすぎる切ないテクノ哀歌。これはやはり天賦の才。こういう歌を歌っているよこたんは、僕のアイドルです(笑)!

浜崎:
わーい褒められました!!
「昭和九十年十二月」というアルバムのテーマに一番寄り添った楽曲の直後には、どういった曲が聴きたいかと言う事を念頭に置いて制作した楽曲です。映画のエンドロールのような、「昭和九十年十二月」を咀嚼する時間を設けるような、そんな位置づけの楽曲です。鬱くしい歌詞にも注目です。

松永:
「昭和九十年十二月」より先はアルバムのフェーズががらりと変わります。この小品は「荒廃した未来のカラオケスナックでアンドロイドが歌っているイメージで」とか考えながら歌詞を書きました。外国人が勘違いした日本、クール・ジャパンな面白みもありますね。

散りばめられたアイドルのインタヴュー

 ガイド:
 「平成死亡遊戯」では、プロインタヴュアーの吉田豪さんによるあの(ゆるめるモ!)、伊藤麻希(LinQ)、はの はなよ、白石さくら、4名のアイドルへのインタヴューが挿入されています。 これは、テーマがあって、それを元にインタヴューが実際に行われたのでしょうか?

平成死亡遊戯 (YouTube)

松永:
自分が抱えている生き辛さや不安感について、アイドルの子たちに語ってもらいました。ただ現代のアイドルというのは華やかな別世界に生きる女の子というよりはファンにとって身近な存在、日常の延長線上にいる存在ですからね。彼女たちの素の部分を、百戦錬磨のプロ・インタヴュアーである吉田豪さんに引き出してもらってコラージュしています。

楽曲自体は九十年代の街並をイメージし、歌詞は僕も強い思い入れを持っている、或る女の子について書きました。当時のビデオカメラを使ってやはり現代の女の子たち……黒宮れい、矢川葵(maison book girl)、羊戸ひなの(少女閣下のインターナショナル)……を渋谷のストリートで撮り下ろしたターボ向後監督のPVも一緒に視聴していただきたいですね。

おおくぼ:
インタビュー自体はそれぞれ30分以上あって、自分がそこから言葉をチョイスしたものを天馬君が選びました。このサンプリング感も含め、九十年代後半の空気を閉じ込めました。

浜崎:
とても好きな楽曲です。歌っていて、聴いていてグッとくるものがたくさんあります。女の子なら、きっと共感できる部分が大きい曲なのではないでしょうか。
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