「あと少しで正解できた問題」に正解するための行動方針を決める
模擬試験の返却答案の見直しで効率良く得点アップにつなげるにはコツがあります。
たとえば、設問文のなかで「答え方の条件」が書かれているところに線を引いてからその問題に取り組むとか、問題用紙の余白に簡単なメモをとりつつ答えを考えるとか、入試本番で実践できる具体的な行動方針を決めるのです。あと少しで正解できたはずの問題ですから、多くの時間をかけて取り組まなくても、そう難しいことではないはずです。2,3問正解できる問題が増えれば10点程度の配点に相当するので、全科目合わせれば入試の総合得点をかなりアップさせることができ、合格に近づきます。
「受験者正解率50%以上」の問題のなかで、正解できなかった問題の見直し
つぎは、「受験者正解率50%以上」の問題のなかで、正解できなかった問題の見直しです。偏差値50以上の学校をめざすなら、受験者正解率50%以上の問題は正解できるようになっておく必要があるからです。模擬試験は一般的な入試と同じように、受験者平均が60点程度になるように作成されています。ということは、正解しにくい問題から、正解しやすい問題までバランスよく出題しているわけです。受験者正解率50%以上の問題は、「正解しやすい問題」です。したがって、さほど時間をかけずに解けるようにすることができる問題と言えます。受験者正解率50%以上の問題で、正解できなかった問題があるということは、いま以上の点数を取れるようになるというチャンスです。放っておくのはじつにもったいないことです。入試までにできるようにしておきましょう。
「まぐれ正解問題」の解き直しと「ケアレスミスパターン」の再確認
さらに、「適当に書いたが正解できた問題」や、「なぜかわからないけれど正解できた問題」の確認です。特に国語や社会など、選択肢問題が多い科目では、まぐれ正解のラッキーが起こりやすいでしょう。しかし、同じラッキーが入試本番でも起こる可能性は高くはありません。むしろ入試では、緊張してふだん通りの力を発揮することが難しいです。まぐれで正解した問題は、「なぜその答えを導き出せるのか」、その道筋を確認し、つぎに似た問題が出たら根拠をもって正解できるようにしてきたいものです。そして最後は、「自分のケアレスミスパターンを再確認すること」です。ケアレスミスは、「しないように気をつけても、してしまうもの」です。ですから、ケアレスミスをしないように気をつけるだけでは入試本番で同じようなミスをまたしてしまう可能性がじゅうぶんあります。したがって、今までしてしまった自分のケアレスミスの傾向を過去答案のなかから洗い出して自覚し、そのミスを防ぐための具体的な手順、対策を決めておくことが現実的に得点アップに結びつきます。
さて、そのようにして過去の模擬試験を活用して入試本番を迎える準備を進めたら、入試当日は気負わず、アンケートに答えるくらいの心持ちで臨めばいいでしょう。あらかじめ決めておいた具体的な手順を淡々と実践しながら、ひたすら答えを解答欄に記入するだけです。ただし、残り時間は常に気にしてくださいね。そして、自信がまったくない問題でも、書けそうもない記述問題以外はとりあえず答えを書いて空欄をつくらないことです。正解する可能性を捨ててはもったいないです。
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