切手収集家にふさわしいプリンタとは?
前回の記事では毎年文化の日前後に開催される全国切手展の様子についてお伝えしました。今回は切手収集家が買うべきプリンタについてです。11月から12月にかけてがプリンタ本体やインクなどのサプライが1年で最も多く売れるシーズン。年賀状を印刷するこの機会に買い替えを検討される方も多いのではないでしょうか。そこで、切手収集をしている、もしくは切手収集を開始したいとお考えの方は、ちょっと背伸びをして、切手に役立つハイエンドモデルを購入しても面白いかもしれません。なお、筆者自身はプリンタの専門家でも、メーカーの事情に精通しているわけでもありません。あくまで1人のエンドユーザーとしての意見を述べさせていただきたいと思います。リーフ作りに最適なプリンタとは
切手収集家であれば、まず念頭に置きたいのが、アルバムリーフ作りに適切なプリンタであることです。切手はA4くらいの大きさの厚紙(郵便はがき程度)に、WordやPowerPointなどで見出しや解説文を印刷して整理を行います。人によってはアメリカの文房具の規格であるLetterサイズ(レターサイズ)や、A4よりも一回り小さいB5ノビというサイズを使うこともあるかもしれません。これらのリーフ用紙を丸めずに、気持ちよく印刷できなければなりません。そう考えると、背面印刷の機能はほぼ必須だといえるでしょう。背面印刷・紙厚は要チェック!
そうなると、実は切手収集家向けの選択肢はあまり多くありません。というのも、最近は背面印刷(フラットな状態で印刷できる機能)のできるプリンタが減ってきているのです。Canonの一般家庭用のプリンターでは一部の旧式のモデルを除いて、背面印刷の機能を持ったものはありません。アルバムリーフには、切手保護の観点からポスター印刷などに用いる135kg・0.19mm程の厚さの紙を使います。せいぜい郵便はがきよりも若干厚手の180kg(超厚口)・厚さ0.25mm程度までです。ですから、背面印刷も0.25mm以上の厚さの紙が印刷できるものを選びましょう。その点でいえば、現時点でオススメなのは、EPSONとBrotherの2社のハイエンドモデル、ビジネスモデルなどになります。
用紙サイズは何がポイントか?
A4に加えて、アメリカの文房具の規格であるLetterサイズの印刷は必須です。実は日本で最もよく使われているアルバムリーフのサイズが通常のA4よりも少し横幅のあり、縦幅が短いLetterサイズなのです。EPSONのプリンタのラインナップを見ると、A4プリンタの上位機種であれば、たいていLetterサイズ(あるいはLegalサイズ)まで印刷できることが明記されています。A4プリンタにはLetterサイズが印刷できることが明記されてなくても、メーカーのホームページやドライバのダウンロードができるサイトをよく読むとLetterサイズも対応可能であることが明記されている機種もあります。ここはぜひ購入前にチェックしてみてください。できればA3プリンタも検討したい
紙のサイズに関してですが、やはり置き場所さえこまらなければ、A3ないしA3ノビにも対応したプリンタも検討したいところです。実は世界的に見たところ、切手展の展示作品のリーフは大型化しています。世界的な切手収集家団体である国際郵趣連盟は、大型リーフとしてA3のほかに、46cm×29cm、31cm×29cmの3サイズを推奨しています。将来的に国内外の切手展への出品も考えているようであれば、こうした大きなサイズの紙が印刷できるプリンタを購入しても良いと思います。A3プリンタといっても、一昔前のA4複合機くらいの大きさまでコンパクトになっている機種もあります。また、ビジネス用のA3レーザープリンタも一考に値します。それぞれ一長一短ありますが、印字した文字がコンビニのコピー機で出力するようなシャープな仕上がりになり、根強いファンもいます。
さて、次のページではプリンタ選びで気を付けたい用紙以外の観点や考え方について紹介していきたいと思います。