きゃりーぱみゅぱみゅ
ガイド:さて、J-POP界という見方をすると、テクノポップの文脈ではやはりPerfumeときゃりーぱみゅぱみゅの2強状態が長く続いています。中田ヤスタカ1強とも言えますが。2013年の『にんじゃりばんばん』あたりから、ファン層も若年層、いや幼児層へと拡大している感があります。僕の知り合いの1歳児もきゃりーの曲を聴くと踊りだす。不思議とPerfumeではそうでないのに、きゃりーには反応するんです。
マツミ:
きゃりーぱみゅぱみゅのライヴは「100%KPP WORLD TOUR 2013」の福岡公演を観に行ったことがあります。テーマパークのパレードやショーさながらの衣装や演出の応酬は、Perfumeと好対照な印象でしたが、より楽曲や表現の幅も増えたであろう今もライヴも観てみたいところです。客層も若い+女子多めで、気合いの入った服やメイクで固めたお客さんなど、”参加するだけで楽しい”空気感はそれこそハロウィンのようでしたね。
ガイド:
11月6日から8日まで開催された「MOSHI MOSHI NIPPON」の最終日に行きました。外国人はパスポート提示で無料入場ということもあり、外国人比率が高かったです。トリを務めたきゃりーちゃんは、ハロウィンは終わってしまいましたが、ハロウィン・ソング「Crazy Party Night」も披露してくれました。あと、Charisma.comのライヴも初めて見れたのですが、彼女たちについては別に機会にでもぜひ語り合いたいです。
Crazy Party Night ~ぱんぷきんの逆襲~ (初回限定盤) (amazon.co.jp)
Crazy Party Night ~ぱんぷきんの逆襲~ (YouTube)
マツミ:
Charisma.comだけでなく“2010年代エレクトロ女子のニュージェネレーション”とも呼べる存在は、他にも名前を挙げるならFEMMや水曜日のカンパネラなど、多く出てきているようなので、おさらいしたいところですね!
MOSHI MOSHI NIPPON FESTIVALについては、きゃりーぱみゅぱみゅがトリという辺り、彼女が今や「クールジャパン」の象徴として、音楽だけでなくあらゆる文化のシーンを牽引する存在となっていることが窺えますね。
MOSHI MOSHI NIPPONのフェスは10月にパリでも行われていたようで、出演アーティストもCAPSULEを筆頭にCharisma.comやTEMPURA KIDZ、WORLD ORDER、Cheeky Paradeとここでも軒並みエレクトロ度高めなメンツ!ここ数年でJ-POPがきちんと海外のリスナーの声に応える形でライブやイベントが組まれるようになったのも、Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅの積極的な海外でのライブ活動の賜物なのかもしれませんね。
三戸なつめ
ガイド:中田ヤスタカ仕事の中で今年一番僕が評価したのは、三戸なつめの『8ビットボーイ』。オリコン最高順位は45位とまだブレイクという状態ではありませんが、楽曲に対する共感度はめちゃ高いです。彼女のキャラも切りすぎた前髪も好きですが、曲のコンセプト、サウンド、映像(kawaii DEVOです!)、どれを取っても、テクノポップとしての完成度が高い。8bitを極めているマツミさんはどうですか?
中田ヤスタカと服飾系のカンケイ (All Aboutテクノポップ)
マツミ:
いやあ、この曲、タイアップ企画モノと侮るなかれ、ですね。ここまで8bitサウンドを全面に押し出した楽曲も久々な気がします。遡ること14年前(!)にリリースされたcapsuleのデビューアルバム『ハイカラガール』の1曲目を飾る「サムライロジック」とも繋がるような気がします。
歌詞も「なめらかスプライト」など、若年層にはもう分かる人はほとんどいないであろうワードが飛び出したりもして、決して口数の多くない歌詞の中でキャッチーに、かつニヤリとさせるギミックを忍ばせる、作詞家としての中田ヤスタカの手腕も発揮されていますね。個人的には満点に近い評価をしたいくらいにツボにハマってしまいました(笑)。
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8ビットボーイ (YouTube)
ガイド:
最近の中田ヤスタカ仕事をレビューしてきました。とにかく売れ線を狙うでもなく、ちょっと斜め目線で自分のスタイルを保ちながら、アーティストに関わらず良質な作品を提供していると感じます。これが中田サウンドのキモかもしれませんね。