オーバーマスクと『スカイ・ハイ』で人気爆発

74年の西ドイツ(当時)遠征で現地のプロモーターに「同じ会場で1カ月月以上もの長いトーナメントをやるから、毎回違うマスクを着けられるとファンが混乱してしまう。できれば同じデザインのマスクでファイトしてほしい」と要請されたのを機にマスクを変えるのをやめ、日本でも76年1月からは同じデザインのマスクになりました。しかし千の顔であり続けるために試合用のマスクの上に毎回違うオーバーマスクを被るようになったのです。ちなみにこのオーバーマスクを客席に投げ入れるパフォーマンスは日本限定です。

マスカラスの人気が真の意味で爆発したのは77年2月。マスカラスの入場の際にイギリスのポップ・ミュージック・グループ、ジグソーの『スカイ・ハイ』をかけたところ、これが空中殺法のイメージとマッチしてレコードがオリコン・チャート2位になるほどのブームが起こりました。今でこそプロレスラーの入場時にテーマ曲がかかるのは当たり前ですが、マスカラスと『スカイ・ハイ』がプロレスと音楽の融合という新境地を開拓したのです。


アイドルであり続ける空中殺法と神秘性

この『スカイ・ハイ』ブームからでもすでに38年の歳月が過ぎましたが、それでもマスカラスがスーパーアイドルに君臨し続けるのは、まったく年齢を感じさせないからです。さすがに昨年12月の来日の時には上半身をコスチュームで覆ってファイトしましたが、それまでは衰えたとはいえ、若き日にミスター・メキシコになった肉体を誇示し、ファイトスタイルを変えることなくフライング・クロスアタックやダイビング・ボディアタックファイなどの空中殺法を披露してファンのイメージ通りのマスカラスを守り続けたからです。

また、日本に44年も来ていながら、いまだに神秘性を保っていることも大きいでしょう。レスラー仲間にもほとんど素顔を見せることはなく、シャワールームを覗いたらマスクの上から顔を洗っていたという伝説もあるほどです。また1942年7月15日生まれと発表されていますが、実はもっと年齢が上という説もあり、まだまだ秘密のベールに包まれているのです。

この12月1日には東京・後楽園ホールにおける東京愚連隊興行『東京DREAM2015』(試合開始18時45分)でNOSAWA論外20周年記念試合としてドリー・ファンク・ジュニア、ザ・グレート・カブキ、船木誠勝とカルテットを結成してNOSAWA論外、藤原喜明、CIMA、カズ・ハヤシと対戦します。ちなみにドリー=74歳、カブキ=67歳、藤原=66歳と大ベテランが揃うカードでもあります。ぜひ、一時代を築いたレジェンドたちの名人芸とも言えるファイト、そしてマスカラスの「マスカラスであり続ける空中殺法」を堪能してみてください。


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