とはいえ、「うちの子、友だちとLINEやtwitterばかりして勉強しない」など、スマホ利用に関して問題点があるのは確かなようです。まずは、その点について整理してみましょう。
スマホの何がいけないのか?
まず、スマホに限らずゲームでも、わかっていることはやるべきこと(=勉強)をせずに、長時間使用していることが問題ということです。睡眠時間についても同じことが言え、夜更かしばかりして睡眠不足になっていたり、逆に睡眠時間が9時間以上と過剰な睡眠をとっていたりすれば、成績がふるわないのも当然です。
勉強をせずに、スマホをいじっていれば、当然、成績に悪影響が出ます。しかし、スマホがゲームに変わったり、スマホが夜更かしに変わったりしても、きっかけとなる原因が変わっただけで、問題の本質は変わらないのです。
ようするに、しなければいけないことをする時間を割いて、別のことに時間にあてていることが問題なのです。ですから、スマホを禁止にしただけでは、根本的な解決にはつながりません。
○時以降は使用しないなどルールを決めて、友だちに伝える
グループから外されるといったいじめに遭わないか戦々恐々としている子も少なくなく、使い方を間違えると大変なことにもなりかねないLINE。既読スルーや未読スルーの問題など、「5分以内に返信しないと相手に悪いから」といった理由で、神経質になっている人が多いようです。確かに、メッセージを送って相手から返事がこないのは気になりますが、この暗黙裏のルールに従っているうちに、ずるずると夜遅くまでメッセージのやりとりをすることになっているとしたら問題です。
つまり、際限がないということが問題なわけです。ですから、「LINEのメッセージは夜11時以降は返信しない」など、スマホ利用に関して子どもと話し合ってルールを設定しましょう。
そして、ここがポイントなのですが、それを友だちに伝えておくように、子どもに釘をさしておくことが大切です。
スマホの上手な活用法を身につけよう
ここまでは、スマホ利用の問題を中心に考えてきましたがメリットもあります。大切なことは、スマホ利用のメリットを活かし、上手な活用法を身につけることです。3つあるので、順に紹介していきましょう。
1.わからないことがあったら調べる
スマホ利用の一番のメリットは、わからないことがあったら、すぐ調べられることです。辞書や辞典の機能を活用したり、歴史上の人物について詳しいことや画像・肖像画を検索したりすることが出来ます。また、時事問題についての解説や数学の解法について説明した動画を見ることも出来ます。もちろん、ネット上では信憑性の低い情報や悪意のあるサイトに接するというリスクもあります。しかし、そうした情報を見分ける情報活用力(=情報リテラシー)を身につけることも、大切なことの一つなのです。
2.受験に役立つアプリを活用する
最近では、勉強に活かせるアプリがたくさんあります。英語が学べるアプリはその典型例ですが、日本史や世界史の一問一答式の問題が収録されたアプリなど、その他にもたくさんあります。これらは、問題集や参考書の代わりにスマホで勉強するタイプ。ペーパーレスなので何冊も持ち歩かなくてすみ、移動中に勉強できるのが魅力です。ゲーム感覚で取り組めるのもメリットと言えるでしょう。
また、リクルートが大手予備校と開発した「受験サプリ(980円月額/税抜き)」は、大手予備校のプロ講師の講義が見放題、主要大学の過去問がダウンロードできるなどのサービスで注目を浴びています。
このように、スマホアプリは、お手軽なものから本格的なものまで、幅広くそろっているので、目的に応じて活用してみるのが良いでしょう。
3.勉強することを宣言/したことを報告する
最後に、こんな活用の仕方を提案したいと思います。それは、これから勉強することや今、勉強したことを友人や家族に宣言するというものです。「今日は、英語の長文問題を解くぞ」
「数学の問題集○ページから○ページまで解いた」
など、有言実行するためにLINEやSNSを活用します。
「がんばれ」「すごい、もうそこまでやったんだ」といった反応があるかもしれません。それがまた励みとなって勉強を続ける気にもつながります。
何かと敵視されがちなスマホですが、ルールを設定したりメリットを活かして上手に活用したりすることが大切です。わが子のスマホの使い方で、気になることがあったら、こうした視点で見直してみると良いでしょう。
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