スレート(石材)・ガラス・大理石(天板と脚が異なる素材)
スレート(石材)や大理石、ガラスやスチール等は、強度的な問題(耐震問題)や重さの問題、趣味趣向の観点から、日本では単一素材で普段使いのダイニングテーブルにする事はほとんどありません。天板(水平面)と脚、異素材同士の組み合わせのデザインで、インテリアに個性を与えるようなアイテムをご紹介します。■スレート
スレートは、粘土版岩を薄く加工した材料。耐火性・耐熱性、耐腐食性、湿気や水に強いという特徴があります。屋根材によく使われている材料で、天然石を使用しているのでシックな味のあるデザインに仕上がります。普段のお手入れは、固く絞った水拭きをした後、乾拭きで水分をとります。
天板がスレート(石材)、脚が無垢のオーク(ナラ材)の異なる素材の組み合わせや、印象的なカタチの脚が特徴あるダイニングテーブル/写真提供:ジェルバゾーニ ジャパン
写真は、イタリアの家具メーカー・GERVASONI(ジェルバゾーニ)の天板がスレート(石材)で、脚が無垢のオーク材(ナラ材)をグレーに塗装したダイニングテーブル「GRAY34」。大胆な素材使いと、存在感のある曲線をもつ脚が、印象に残るデザインとなっています。異なる素材でありながらグレイ一色で揃える事で奥行きが生まれ、このテーブルがあるだけでひねりの効いた空間にしてくれる主役級のアイテムです。
GRAY34(グレイ34) 価格:¥780,000 (税抜)/サイズ:W1800 D1000 H 740(mm)/材質:天板・スレート フレーム・オーク(ナラ)/仕上げ: 天板・防水加工 脚・グレー色 アクリル塗装/重量:149kg
■ガラス
ガラスは透明性を活かして、空間を遮る事なく広く見せてくれる素材です。また脚のデザインを見せてくれるという点で、日常のインテリアに彫刻を置くようなワクワク感を持たせてくれます。テーブル下の脚の組み方等も見えてくるという点でも、ちょっとした緊張感が素材の特徴ともあっています。普段のお手入れは、固く絞った柔らかい布で水拭きをした後、乾拭きで水分をとります。
プライウッドの特徴の小口の縞模様や、カーブの様子が見えるガラス天板のペガサスダイニングテーブル/写真提供E&Y
写真は、E&Y(イーアンドワイ)のシンプルで、エレガントなフォルムが特徴の「ペガサスダイニングテーブル」。緊張感のあるガラス天板に、あたたかみのある素材・プライウッドを合わせる事で、インテリアに馴染みつつも、存在感のあるデザインのテーブルです。椅子のコーディネートが楽しみになる形やディテールをしています。
ペガサスダイニングテーブル(L) 価格:¥130,000(税抜き)/サイズ:W1800 D800 H725(天板厚10),ベース幅:1405/材質: プライウッド,ガラス/木部仕上げ:ダークブラウン染色 ウレタン塗装仕上げ
■大理石
大理石は、石灰岩(動物の遺骸や貝殻等が海底で積み重なって固まってできた石)が熱や圧で固く変化した天然素材で,白地に美しい斑紋がある石です。石灰質なので穴があり、吸水性があります。酸には弱いので、レモンやお酢等を扱う際は受け皿やトレイなど少し気を使う必要があります。
普段のお手入れは、固く絞った水拭きをした後、乾拭きで水分をとります。
FILIGREE(フィリグリー)/写真提供:アルフレックスジャパン
写真の、モルテーニのFILIGREE(フィリグリー)は、シンプルで無駄のないデザインにより、大理石の上質さと美しさが際立つダイニングテーブル。天板の斜めにカットされた断面から滑らかにつながる、アルミダイキャスト(アルミニウム合金を型に入れ、高圧をかけて瞬時に鋳造する方法)による、美しい曲線の脚が静かに主張するさりげないデザインです。天板の大理石はウレタンコーティングがされており、輪染みや汚れの浸透がしにくく、お手入れがしやすくなっています。
FILIGREE(フィリグリー) 価格:¥1,277,000 /サイズ:W1800 D980 H740(mm)/材質:天板・大理石 脚・アルミニウムユーカリ仕上
何色のものを選ぶと失敗しにくい?
「この色」がおすすめというものはありませんが、テーブルの天板面は、室内の水平面で床の次に大きな面積を占めます。ですので、床の色との関係を特に意識すると色味を決めるときの目安になります。家具のショールームに行かれる際は、室内写真を撮ってから行くと迷わずにすみます。洋服を買いに行く時に、手持ちのワードローブを意識するのと似た感覚です。洋服をコーディネートする感覚でダイニングコーナーに作りたい風景を意識することがポイント。
家具にも流行色があり、最近定番色になりつつある「グレー色」を例に、天板と床の組み合わせで演出するインテリアシーンをご紹介します。
・床と同色または、透明なガラスを用いた場合の効果
空間を広く見せたい場合や、落ち着いたインテリアにまとめるのに効果的です。ダイニングコーナーの壁にペイントしたい場合も、天板の色と床の色を揃えておけば、シックな雰囲気にまとめる事が可能です。同じ色味の中で、様々な素材をミックスすることで空間に奥行きがうまれます。テーブルの上の食器や食材、そこで過ごす人の色がインテリアの主役になっていきます。
大理石の天板と、セメント材の脚で同じグレーにまとめられたシックなテーブル・アーク/モルテーニ/価格:¥1,030,000円(税抜)/サイズ:W1800 D1200 H730mm/材質:天板・大理石 脚・ファイバー混合セメント材
・活気のあるインテリアにしたい場合
床とは敢えて異なる色で、お気に入りの家具を主張させるというのも、空間にリズムがうまれて素敵です。ごちゃごちゃ見えないようテーブル周りに置く物の色を、3色程度におさめるか、トーンをそろえると上品にまとまります。
グレーの色目がシックな、Y字の脚が特徴のDAN(ダン)/天童木工/¥140,000(税別)/サイズ:W1650 D850 H700 /材質:プライウッド/仕上げ:ウレタン塗装仕上げ(アッシュグレー染色)
・引っ越し等で、ダイニングテーブルと床の色がイメージが違う場合
ラグを敷いて繋ぐ等工夫する事でコーディネートが落ち着きます。ダイニングコーナーに敷くラグは、毛足が短い、掃除機等で日常的にお手入れできる物をお勧めします。
デンマーク・コペンハーゲン郊外に拠点を置くハンドメイドラグブランド「LINIE DESIGN」( リニエデザイン)のラグは、厳選された天然素材- ウール・コットンの特性を最大限生かしたデザインを、インドの熟練工たちによる伝統的技法で一枚一枚丁寧に織り上げられ、手頃な価格帯も魅力です。
毛足が短い風合いのあるLINIE DESIGNのラグ/価格:¥55000(税抜)/サイズ:1600×2300/材質:ウール90% フラックス10%
いかがでしたか?以前書いた「ダイニングテーブルを選ぶときの注意ポイント」も合わせてご覧頂けると、より多面的な意味でお役立て頂けるかと思います。
次回は「サイズ」と「カタチ」の観点から、空間に対するテーブルの適正サイズや、高さ、形についてのご質問にお答えしていきます。