バーネット、李大浩、呉昇桓がメジャー挑戦の可能性
日本球界からメジャーへ挑戦する外国人選手は成功するのか?
自由契約ではなく、移籍金の伴うポスティング移籍は、バーネット側の提案で、お世話になったヤクルトへのお礼の意味がある。小川淳司シニアディレクターは、「戦力ダウンはするが、その気持ちがありがたい」と受け入れた。譲渡金が低いこともあり、今季41セーブを挙げたバーネットが米大リーグへ移籍するのは確実だろう。
また、日本一となったソフトバンクの主砲・李大浩内野手(33)も今オフの大リーグ挑戦を表明した。阪神の守護神・呉昇桓もメジャー挑戦の可能性がある。
外国人選手が日本球界を経て、メジャーリーグの舞台で果たして成功できるのかどうか? 検証してみたい。
じつは実績十分な「日本からメジャー挑戦した外国人選手」
結論からいうと、成功する可能性は高い。野手から挙げていくと、1989年に阪神で1年だけプレーし、打率.302、38本塁打、81打点をマークしたセシル・フィルダーは、1990年に復帰したタイガースで51本塁打、132打点で二冠王となり、3年連続打点王にも輝いた。
1995年に中日でプレーしたマット・ステアーズは、メジャーに復帰した1996年から歴代2位タイの12球団を渡り歩き、28歳以降で264本塁打を放った。アルフォンソ・ソリアーノは1996年から97年に広島に在籍し、たった9試合(17打数2安打、0本塁打)しか出場しなかったが、1999年にヤンキースと契約してから12年連続20本塁打以上を記録するなど、メジャー16年間で412本塁打、289盗塁をマークした。
投手は成功した選手が多い。代表格は元広島(2008年から09年)のコルビー・ルイスで、メジャー復帰後5年間で2ケタ勝利を4度挙げ、今季は自己最多の17勝をマークしてレンジャースの地区優勝に大きく貢献した。また、元横浜のラファエル・べタンコート(2003年からインディアンズ、ロッキーズなど)、元広島のラモン・ラミーレス(2006年からロッキーズ、ジャイアンツなど)、元阪神のスコット・アッチソン(2010年からレッドソックス、インディアンズなど)、元阪神、オリックスのライアン・ボーグルソン(2011年からジャイアンツ)、元巨人のカルロス・トーレス(2012年からロッキーズ、メッツ)など活躍した投手はかなりの数に及ぶ。
日本において、打者は配球の読み、変化球打ちが磨かれ、投手は細かい制球力を身に付けて四球を減らし、安定感を増したことが成功の要因と考えられる。バーネットにしても、李大浩にしても、日本での経験は決して無駄ではなく、逆に最大の“武器”にしてメジャーに挑戦していく。