ツッコミ
三番手には『偽装の夫婦』。日本テレビでの遊川和彦脚本大ヒット作『女王の教室』『家政婦のミタ』は、過去の経緯からヒロインが無表情に極端な行動をとることが特徴でした。それに対して『偽装の夫婦』は嘉門ヒロ(天海祐希)が微笑みの仮面をカブっていることは共通していますが、心の声で毒舌を吐き、時には文字でツッコミをいれていることが特徴です。朝ドラ『純と愛』での愛(風間俊介)が周囲の人の声が聞こえたのを発展させたのでしょうか。まともな人間がほとんどいない極端な設定の中で人間関係を考えていくのがテーマでしょうが、展開も意外で飽きさせません。
日本テレビは『掟上今日子の備忘録』と『エンジェル・ハート』も堅調。前クールに続いてキャラクタードラマ路線がうまくいっています。
『無痛』ではなく痛かった
フジテレビは『5→9~私に恋したお坊さん~』が前クールの『恋仲』に続いての恋愛ドラマで合格点なのを除くと不振。特に27日(火)から29日(木)の3日連続、プロ野球の日本シリーズ中継が入ったため『サイレーン』『無痛』『オトナ女子』の22時台の三作が1時間以上放送時間が遅れてしまったのが痛かった。
『無痛』『オトナ女子』はその前の週の第2話から視聴率低下傾向だったので、日本シリーズがなくても結果は同じだったかもしれません。しかし『サイレーン』は前週の第1話は菜々緒の悪女役がハマり、好評だっただけに気の毒です。
日本シリーズはもつれて終了時刻が遅くなることが多いので、21時台まで中継を予定しておけばドラマの放送時間の遅れも短くて済むと思うのですが、そういうわけにはいかなかったのでしょうか。ドラマへの愛情が感じられませんね。
再映画化もある?
高年齢層向けドラマでは『遺産争族』がやや期待はずれ。伊東四朗、岸部一徳などベテラン勢は期待通り濃い演技を見せてくれるのですが、主人公・育生を演じる向井理の演技がアッサリしてるのが足を引っ張っています。育生の「婿入りした本当の目的」でストーリーを引っ張っていくのでしょうが、あまり魅力的な謎ではなさそうな。『釣りバカ日誌』はテレビ東京ドラマとしては好調。鈴木社長、スーさんを西田敏行に演じさせていることが効いています。濱田岳の演技も安心して見ていられます。制作は本家の松竹なので、この勢いなら再映画化という可能性もあります。
視聴率ではもう一つでも内容面でいいのは『コウノドリ』。出産を丁寧に愛情を持って描き、好感のもてる内容です。
視聴率グラフ