「納得」だけでは、見込客の心は動かない
安心させるためには、誠意を持って丁寧に説明することが重要です
一方的な理屈で言いくるめてしまう「説得」は論外ですが、「なるほど、それなら効果がありそうだ」と「納得」させるだけでは、まだ不十分。
新しいことに取り組む際、さまざまな疑問や不安が浮かび上がってくるのが当たり前です。その当たり前に丁寧に対応し、「これなら信じてもよさそうだ」と「安心」させることで、初めて見込客の心を大きく動かすことができるのです。
安心させるための証明 実例1「効果や手間への不安」
前回の記事と同様、例として「飲食店向けのホームページを作成する」というサービスを提供している営業担当者になったつもりで説明してみます。自社の商品やサービスを営業する場合、見込客のどのような疑問や不安に対して安心させればよいのか、その方法を参考にしてください。まず最初に、見込客である飲食店がホームページに対して不安に思うことを考えてみましょう。
おそらく、「効果があるかどうか」「手間がかかるのではないか」「価格が高いのではないか」「解約できないのではないか」といった不安や疑問が挙げられるのではないでしょうか。
それぞれに対する証明は、次のようなものとなります。
1.効果があるかどうか
なんらかの費用を支払う以上、成果を求めたくなるのは当然の欲求。その欲求が本当に満たされるかどうか不安に感じるのも、自然な話です。
「納得させる証明」で、成果が上がる仕組みや裏付けを丁寧に説明したうえで、それでも不安を訴えかけてくる見込客に対しては、「絶対に儲かります」などと安請け合いするのは逆効果。「うまい話すぎて、うさん臭い」と思われてしまいます。
相手の不安をやさしく受けとめたうえで、言葉を変えながら納得させる証明で話したことを再度伝え直しましょう。この際、誠意ある態度を失わないことが重要です。
【トーク例】
「残念ながら『ホームページを作るだけで、お店が繁盛します』とお約束することはできません。ただ、そうした約束を軽々とするホームページ業者は、良心的なところだとは思いません」
「お店の魅力を伝えることのできるホームページを作ったうえで、ホームページへの集客や、折々の更新、メルマガなどでの情報発信を行うことで、効果を高めることが可能となるんです。弊社では、それらのすべてをサポートするための仕組みをご提供しています」
「あと、これはあくまで事例なのですが、実際の飲食店様でホームページの作成前と後で、どれだけ売上がアップしたかというデータがあるので、ご覧いただけますか」
このような説明をしながら具体的なデータをまとめた資料を見せることで、見込客をさらに安心させることができます。
2.手間がかかるのではないか
「ラクして稼ぎたい」というのは、世の中の多くの人が抱く欲求です。それをストレートに口に出すのがはばかられる場合、「料理の仕込みや毎日の業務で時間が無い」「パソコンに不慣れ」など、ホームページを作成しないための理由を並べてきたりします。
こうした見込客の本音を汲み取ったうえで、あえてそれを指摘するのではなく、相手が不安だと感じているポイントを一つずつ取り除いていきましょう。
【トーク例】
「『忙しいのでホームページなんかやっているヒマが無い』と言われる方も多いのですが、ご安心ください」
「初期制作の段階では、弊社からお渡しする質問票への回答と、いくつかの画像をご用意いただくだけで、後はこちらでホームページの制作作業をすべて行います。もちろん、最終的なチェックはお店のほうでしていただく必要がありますが」
「また弊社のホームページには、あまりパソコンが得意でないという方でも簡単に更新できるような工夫がいっぱいです。例えば新メニューを追加する場合なら、ログイン後にメニューの画面に行き、「追加」ボタンをクリックして……(実際に更新画面を見せながら説明)。ほんの1分ほどで完了です」
「わかりやすいマニュアルページも付いているので、初めてホームページを作られる方でも安心です」