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不安まみれのアラサー女子たち(2ページ目)

彼の気持ちがわからない、彼と結婚できるかどうかわからない、自分はセックスレスの人生を送るのだろうか――アラサー女子たちと話していると、彼女たちがどれだけ「不安まみれ」になっているのかがわかる。どうにか、そこから打破して楽しく生きられないものだろうか。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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コントロールできない自分に「嫌悪感」

性欲にも恋愛感情にも振り回されず、冷静でいたい。その理由は、失敗したくないから?

性欲にも恋愛感情にも振り回されず、冷静でいたい。その理由は、失敗したくないから?

サヤさん(30歳)にいたっては、妙な質問を投げかけてきた。
「性欲って、もっと均等にコントロールできないものなんでしょうか」
は? ……最初は何を言っているのかわからなかった。

よく聞いてみると、性欲に振り回されたくないらしい。
自分が性欲のあるときに相手に性欲がなかったらセックスレスになってしまう。
しかも昨今、女性の性欲のピークは40代、と言われている。だが、そのとき同世代の相手は性欲が弱まっているかもしれない。それなら、今、性欲をピークに持ってくることはできないのか、ということらしい。

「何でもコントロールできないことが不安なんです。そもそも、恋愛すると自分の感情がコントロールできなくなる瞬間がある。それがすごくイヤ、自己嫌悪に陥る」
メグミさんは、顔をしかめた。

「好き」という感情に振り回され、人には言えない恥ずかしいことをしてしまい、あげく相手に呆れられて……というような経験はないのかと尋ねると、一度もないという。男女問わず、20代にそういうことは多々あるはずだと思っていた私は、逆にショックを受ける。

「そもそも恋愛なんて、精神的コスパが悪すぎますよね」
メグミさんのその言葉には、苦い思いで笑うしかなかった。恋愛に損得勘定を持ち込んだ時点で、それは恋愛ではなくなる。

あとから彼女の言葉を冷静に考えてみた。
確かに恋愛なんて、面倒だし不安だし、「精神的コスパ」は悪すぎる。
だが、そんなことさえ考えられないほどのめり込み、身も心も相手と同化したいと願ってしまうものなのではないだろうか。そもそも、冷静でいられなくなるから「恋愛」なのだ。

アラサー女子はもっと醒めている。
「ムダな恋愛などせずに、さっさと最高の人と結婚し、仕事を続けながら子どもも産み、最後まで夫にきちんと愛されて、イヤな思いをしないで人生をまっとうする」――それが理想だという。
それは誰にとっても理想かもしれないけれど、そんな人生、おもしろいだろうか


傷つくのが怖い、だから不安だらけ

損得では計れないのが恋愛ではないだろうか?

「それでも、ひとりよりふたりが楽しい」……損得では計れないのが恋愛ではないだろうか?

山あり谷ありならまだいいが、実際には谷あり谷ありで、前の谷から見れば今回の谷はまだ浅い……というような「ろくでもない人生」を、どう楽しく生きていくかで四苦八苦している人が大半なのではないか。

不安にまみれているのは、もしかしたら、本当の意味で挫折を味わっていないからなのだろうか。傷つくのが怖いのは、傷ついたことがないからなのだろうか。

彼女たちからは、こんな言葉もあった。
「人がやれることを自分ができてないのがつらい。うちは妹が先に結婚したから、それだけで自己嫌悪」
気持ちはわかるけれど、そこで自己嫌悪という言葉が出てくるところが理解できない。いろいろなことで自分自身に縛りをかけ、がんじがらめになっているように見える。自分は自分、今の状況で最大限に楽しむと割り切ることはできないものか。

アラサー女子たちの不安は、経済的側面ももちろん大きい。
がんばってもがんばっても正社員になれない現状、つきあう彼もまた不安定な生活。それがまた「この人でいいの?」という不安だらけの恋愛へとつながっていく。

「それでも、ひとりよりふたりが楽しい」
そう言える状況に、社会も個人も変わっていかなければいけないのかもしれない。

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