肩こり

寝起きに体がバリバリになる「寝コリ」…肩こり・こわばり予防法

【カイロプラクティック理学士が解説】寝起きに「肩こりがひどい」「背中がガチガチ」「身体の筋肉が固まっている」「こわばる・凝る」と感じたことはありませんか? 寝コリの原因、効果的な予防法を解説します。

檜垣 暁子

執筆者:檜垣 暁子

カイロプラクティック理学士 / 肩こり・腰痛ガイド

寝起きの体がバキバキになる「寝コリ」

寝起きに身体がガチガチになる寝コリ

寝ている間に筋肉がガチガチに凝ってしまう寝コリ。様々な症状に及ぶ可能性があります

一晩ぐっすりと眠るだけで疲れを解消させ、朝はスッキリと目覚めたいところ。しかし年齢を重ねると、眠っても疲れが取れない、コリも解消されない。それどころか、睡眠中に力んでしまっているのか寝起きに肩周りや背中がガチガチに固まっている感じがする。そんな「寝コリ」状態になることもよくあるものです。

実はこれを放置してそのまま過ごしていると、疲労が蓄積されて慢性的なコリとなってしまう可能性があります。どうにか手を打ちたいところです。そもそも、1日の疲労のバロメータともいえる筋肉のコリは、なぜ睡眠中に解消されなくなってしまうことがあるのでしょうか? その原因と対策法を解説します。
<目次>  

肩こりだけではない! 不調を招く寝コリ度チェック

寝コリが原因で体がバキバキに

寝ている間に筋肉がこるのみならず、様々な症状に及ぶ可能性があります

「寝コリ」というとまずイメージとして起床時の肩こりが挙げられるかと思います。まさしくそうなのですが、こうした筋肉のこり固まった自覚症状だけではなく、筋肉のコリが及ぼす体調不良も含まれます。

次の項目で、当てはまる数が多いほど要注意。眠っていても心身がリラックスできずに体に力が入り、寝コリが生じやすくなっている可能性大です。

■寝コリ度セルフチェック! 睡眠中のリラックス度を確認
□ 睡眠時間は少なくないのに、起床後もとても眠い
□ 仕事をしていても午前中に睡魔に襲われることが多い
□ 朝の洗顔やうがい、着替えといった簡単な動作で体のどこかが痛んだり、体が固く感じて違和感がある
□ 怖い夢や嫌な感覚の残る夢を見る
□ 睡眠時、歯ぎしりを指摘されたり、歯の食いしばりの自覚があったりする
□ 起床後、胃腸の不調を感じることが多い
□ 出勤時や午前中の外出時に脚の疲労を感じる
□ 快晴の日の明るさは、眩しすぎて不快に感じる
□ 以前は違和感がなかったが、枕や布団が体にしっくりこない気がしてきた
 

寝起きに体がバキバキになってしまう寝コリの原因

夜眠りにつくのに必要なリラックス状態になることができない日常生活を送っているケースが多くみられます

夜眠りにつくのに必要なリラックス状態になることができない日常生活を送っているケースが多くみられます


私達が日中、体を動かしたり思考をめぐらせて頭を使ったりしているとき、五感から多様な刺激を受けています。脳で瞬時にそれらを処理して、パソコンで仕事をしたり、駅まで急いで走ったりと活動状態を維持していることになります。

眠っても体が凝ってしまう場合に考えられる大きなポイントは、布団に横になり重力からある程度解放されていても、力を抜くことができないというものです。よく伺うのは「体の力の抜き方がわからない」「自分では脱力しているつもりなのですが……」ということです。

そして、睡眠中も内臓が活発に働いていたり、リラックスを促す神経系が優位にならず、活発に活動する体制のまま就寝時間を迎えていたりといったことが挙げられます。すると、質の良い睡眠をとることができず、しかも筋肉のコリが生じるほど体に悪影響を及ぼしてしまうことが起こり得るのです。
 

効果的な寝コリ予防法・対策法……寝起きの肩こりに悩まないために

1. 帰宅後の室内照明はなるべくリラックス色に
夕暮れ時の空はオレンジ色ですが、その頃、体は入眠に向けてリラックス状態へ移行していきます。しかし、街も帰宅時の電車内も電気が明るくなかなか夕焼け色を感じることができません。せめて、帰宅後は間接照明などを使い、目から入る光刺激を抑えることができると、リラックスを促す神経系が優位になりやすいです。リラックスして入眠することが寝コリ予防につながります。

2. パソコン・スマホを使う時の明るさ
「1」で夕焼け色の照明にしたとしても、その中でパソコンやスマホを使うと、部屋の明るさとのギャップで自律神経系のバランスが崩れ、睡眠の質が低下する恐れがあります。パソコンやスマホを使用する際は、書類や本の文字が無理なく読める程度の明るさを目安にしましょう。

できれば、パソコンやスマホの画面の明るさを抑えるように設定して使用すると目の筋肉の負担も軽減され、快眠の妨げも防止できるかと思います。
スマホやパソコンの明かりも寝コリの原因に

多くの人が毎日使用しているパソコンやスマホも、寝コリを招く要因となります

3. 帰宅したらひと呼吸おく時間をつくる
とはいえ、可能な限りパソコンやスマホはいじらないにこしたことはありません。明るさからの刺激で神経が休まらない以外にも、思考回路がOFFにならないために心の緊張が解けないといったことが寝コリの原因になり得るからです。

多忙な人は、ほんの10分くらいでも良いので、なるべくリラックスできる服装、かつ姿勢(ソファでくつろぐなど)で、目を閉じてみましょう。この時、好きなアロマの香りや音楽を流したり、温かい飲み物(できれば白湯やハーブティーなど)を口にしながら気持ちを落ち着かせることができると良いですね。

4. くつろぎの飲酒・夜食にも要注意
 のんびりした気分になりたい時、嫌なことを忘れたい時にお酒の力を借りるという人もいるかと思います。しかし、深酒してしまうと逆効果です。夜食にもいえることですが、睡眠中に内臓が休まらないとその反応で筋肉が緊張を起こすことがあり、それが翌朝の背中や首のコリ、胃腸の不調となって表れます。
酔いが睡眠の質を下げ寝コリへ

酔いが回り眠ってしまうと、寝返りが少なくなり首に負担のかかる姿勢で寝てしまう場合もあります

5. 合わない寝具はタオルで調整
起床時に首・肩こりを感じると寝具の影響かとすぐに買い替えを検討する人がいます。ですが、一時的に筋肉のコリが生じていることが原因かもしれないため、少し枕の高さを低くするべく重ねたタオルを代用したり、腰部にバスタオルを敷くなどほんの僅かな高さ調整を試みてみましょう。 

6. 1日の中で楽しかったこと・良かったことを思い出す
ストレスが多い日々を送っている人は「今日もツライ1日だった」と思うかもしれません。ツライことがあると睡眠中に歯のくいしばり・首や肩に力が入るといったことが起こりやすくなります。

また、悪夢を見やすくなる人は、夢の影響で身体が強張ったりもします。帰宅後、バスタイム中やその後に今日1日の中で、少しでも良かったと思えることを振り返ったり、興味ある雑誌や本を眺めてみるというように、頭の中のコリも和らげてから就寝時間を迎えるようにしましょう。

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