その新しい波とは、劇場で活躍し多くのファンを持つ「舞台男子」たちの台頭。これまで舞台発の俳優がドラマに出演する場合、キャラクター重視のスパイス的役柄か、年齢を重ねた渋みが重要視される役どころがほとんどでした。そんな中、今期のドラマではヒロインの相手役や苦悩を抱えた犯罪者役など、いわゆる”イケメン枠”に複数の「舞台男子」が進出しているのです。
今回はその中からドラマ界に新風を吹かせる「舞台男子」4人をご紹介していきましょう。
ミュージカル界のプリンスが深海の王子に!?
井上芳雄『海に降る』
2000年に『エリザベート』の皇太子・ルドルフ役でデビューして以来、多くのミュージカルで主役を務める井上芳雄さん。最近ではバラエティなどのトーク番組にも出演し”ミュージカル界のプリンス”としてご存知の方も多いのではないでしょうか。今年だけでも『SHOW -ism ユイット』『正しい教室』『エリザベート』『パッション』『漂流劇 ひょっこりひょうたん島』と5本の舞台に出演し、コンサートやWOWOWのトニー賞スペシャルサポーターとしても精力的に活動している彼が出演しているドラマがWOWOW製作の『海に降る』。
有人潜水調査船「しんかい6500」で日本人初の女性パイロットとなった天谷深雪(有村架純)と彼女を取り巻く人間模様、そして深海の神秘が描かれる本作で、井上さんが演じるのは”偏屈王子”と呼ばれる地質学研究者の高峰浩二役。朱野帰子氏の原作では高峰が”偏屈王子”と評される場面はなかったそうで、これは彼がミュージカル界のプリンスと呼ばれている事から新たに付け加えられた設定とか。
自らの研究に一途な故、時に偏屈に映ってしまう高峰浩二役。舞台での華やかさとは一味違った井上さんの理系モードに注目です!
事件の鍵を握る容疑者役
浦井健治『MOZUスピンオフ 大杉探偵事務所』
デビュー以来、ミュージカルとストレートプレイの双方で高い評価を得ている浦井健治さん。今年はマサラミュージカル『ボンベイドリームス』とシェイクスピアの問題劇『トロイラスとクレシダ』の二作品で、全く違う姿を披露してくれました。そんな浦井さんが挑むのは2014年にオンエアされ、劇場版も公開される人気シリーズ『MOZU』のスピンオフドラマ『大杉探偵事務所 砕かれた過去編』(WOWOW×TBS)。
『MOZU』で刑事として事件の捜査にあたった大杉良太(香川照之)が警察を辞め、探偵事務所を開くきっかけとなった事件が描かれる本作で彼が演じるのは物語の重要なカギを握る容疑者・佐藤恒吉役。
かなり複雑でぶっ飛んだ佐藤のキャラクターを、時に”天然”とも評される浦井さんがどう演じ切るのか……アクション多用の本作で全く新しい”ハード”な彼の姿を堪能できそうです。
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