掃除道具も日進月歩
それらの多くは、いわゆる時短に有効だったり、家事の手間を著しく減らしたりという、人うけの良いメリットを備えたグッズだったりします。
しかし、そういった「新しい便利さ」をうたう用品や道具には、ほぼ間違いなく「新しい注意点」も付随してくるものなのですが、このことはあまり公言されませんし、使い手の多くの方にはなかなか意識されにくいものなのではないかと思います。
そこでガイドの耳に入る回数の多かったトラブル事例から、「便利グッズとその周辺での注意ポイント」についてご紹介しています。あなたにも「あっ!」と思い当たるところが、あるかも知れません。
かけても洗ったことにはなりません?
「除菌・消臭スプレー」の間違った使い方で、かえって臭くなる?!
夜中に気づくおねしょ、その布団の始末(応急処置)、つらいんですよね
「おしっこで汚れちゃったお布団って、どうやって始末したら正解なんですか?」
というもの。
おしっこ(おねしょ)で布団を汚してしまうのは、赤ちゃん、子ども、ペット、ときに大人も……。「おねしょ」という言葉はコミカルさを感じさせますが、実際に始末をしなければならない立場としては深刻な問題です。
3人の子どもを育てているガイド自身、何回か……10回より多いかな……そんな布団の始末をして来ましたので、その困惑はとっても分かります。
ただ、この質問を訊ねられたということは、これまでにも始末をした経験があるということなのですが、そこで「今までどうやって始末されてましたか?」と逆にお伺いしました。すると……。
「クサい! どうすればいいんだ!」
ガイド:正解ですね、それで?
「紙おむつ(ペットシーツ)を載せて、上から乗ってもっと吸わせました」
ガイド:OKです、それから?
「(市販の除菌・)消臭スプレーを、ワーッて吹きつけました。びしょびしょになるくらい」
ガイド:……なるほど。
――そう、こう仰る方、昨今とても多いのです。しかし、更には、
「でも、いっぱいかけなきゃ効かない! と思ったので、(市販の除菌・消臭スプレー)ボトルの口を外して、そのままジャーッてかけました」
という方も、チラホラ。
ガイド:……うーん。それで、効きました? ニオイ、消えましたか?
「それが、かえって臭くなっちゃって」
ガイド:……。
「もう、どうしていいか分からなくて」
ガイド:ですよねえ……。
「除菌」と「汚れ落とし」は違います!
除菌してもケチャップは消えません
近年、住まいのどこかで「汚れ」「ニオイ」「菌」などが気になる! と、とにもかくにも「除菌・消臭スプレー」をかけたくなってしまう方が、とても多いように見受けられます。
かけたくなってしまう、というか、「そうしなければいけない!」ような気持ちになっているようです。
でも、ちょっとだけ考えてみて下さい。
例えばケチャップ「汚れ」がついているシャツを「除菌」したとしても、ケチャップは残ったままです。どんなに「除菌」してもケチャップ成分は消えません。
また「汚れ」ているから、そこで「菌が繁殖している」という図式もイコールではありません。そのシャツにたとえば墨汁が飛んで黒く「汚れ」てしまった場合、黒い部分を嗅ぐと墨の「ニオイ」がします。
でもそれは「菌」が繁殖しているから? 違いますよね。ただ「墨が付いているから」です。
そもそも元のシャツじたいに、「シャツの生地(繊維)のニオイ」も存在しています。
つまり「ニオイ」の発生の原因とは「菌」によるものだけではありませんので、「除菌」しても何の影響もないことが多々あるわけです。
さらに、「ニオイ」には、物質(同士)の化学反応によるものも少なくありません。