「小学生のうちは遊び優先」は本当か?

私は中学受験に関する書籍をよく書きます。しかし、中学受験は一部の地域の文化でしかありません。全国的には約8%の子どもたちが私立中学もしくは国立中学に通っている。ということは約9割の子どもたちは中学受験をせず、地元の中学校に通い、高校受験においてはじめて自らの進路を自らの努力で切り開く経験をするわけです。
小学生

約9割の子どもたちは、中学受験をしない状況

中学受験勉強については、「何も小学生のうちからそんなにやらせる必要なない」という批判もあります。たしかに毎晩深夜まで勉強させるというのは異常です。何事もやらせすぎは良くないですからね。でも、中学受験をしないからといって、小学5年生や6年生が、毎日ほとんど勉強しないというのはこれまたまずいのではないでしょうか。

日が暮れるまで空き地で野球をするなど、「三丁目の夕日」的な時間の過ごし方ならまだよかった。しかし現実的には、子どもたちの遊び場は減り、家の中でゲームをするか、テレビを見るかくらいしかやることがない。中学受験組の子どもたちが塾に通いながら毎日コツコツと勉強しているというのに、その時間に、同じ年の小学生たちがゲームやテレビで時間を消費していていいわけがないでしょう。それでは学力差が生じるのは当然です。

「小学生のうちは遊んでいればいい。それがいちばんの学習」というのは正論です。しかしそれは実は小学校低学年くらいまでの話です。10歳を超えたくらいから、どうやら子供の脳には変化が起こり始めていることがわかってきています。抽象的な思考ができるようになったり、記憶の仕方が変わってきたりするらしいのです。その時期にはしっかり勉強をして、脳を鍛え始めたほうがよさそうなのです。

付け焼き刃の学力では大学入試に太刀打ちできない

中学3年生になってから、死にものぐるいで高校受験対策をすれば、それなりの高校には入れるかもしれません。しかしそれは受験のための勉強でしかありません。それでは付け焼き刃の学力しか身につかないでしょう。

大学入試改革が予定されている中、もはや付け焼き刃の学力では通用しない時代がすぐそこまでやってきているのです。現在の小学生は、大学入試改革のあとに大学入試を受けることになりますから、今から付け焼き刃ではない学力を付け始めておかないと間に合わないことになります。

初等教育で学ぶことには、広く実生活に関わる事柄が多く含まれています。将来大人になってからの生活力にも大いに関わることばかりです。そこをおろそかにしたままで、受験対策のための学力だけを身につけて育った子どもが、将来生活力のあるたくましい大人になれるわけがありません。たとえ中学受験はしないとしても、小学生のうちから質の高い学びを塗り重ねていくことが今後ますます大切になることを、今の小学生の親は知っておかなければならないでしょう。

関連書籍

『小学生の親が高校受験のために今からすべきこと』

『小学生の親が高校受験のために今からすべきこと』

『小学生の親が高校受験のために今からすべきこと』

おおたとしまさ著、旺文社、1200円(税別)

あえて中学受験をしないという選択をした場合、小学生のうちに何をしておけばいいのか。親の心得を解説する。

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