健康寿命を延ばすカギの一つ「サルコペニア」

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できるだけ長く自立した生活ができる健康寿命を延ばすために、サルコペニア肥満を防ぐ対策が重要です。

日本は急速に高齢化が進み、平成22年の高齢化率(65 歳以上人口割合)は 23.0%。高齢社会においては、健康寿命をいかに伸ばすかがそれぞれのクォリティー・オブ・ライフを充実したものにし、また国としても国民医療費の負担を抑えることにつながります。

健康寿命を伸ばすためには、後期高齢者(75歳以上)が陥りやすい低栄養状態から、要介護状態や疾病発症につながる虚弱、身体機能障害のリスクにつながる筋肉量の減少(=サルコぺニア)に対する対策が重要と考えられています。

サルコペニアとは、「加齢に伴う筋力の減少、老化に伴う筋肉量の減少」を指し、握力や歩行速度などの身体機能や運動機能機を低下させ、進行すると転倒するなど要介護状態につながる可能性が高くなり、高齢者の生命予後を低下させてしまう場合が多くなります。

サルコペニアの診断方法は、いくつかありますが、主とされる欧米ワーキンググループによる診断は、

  1. 筋肉量減少
  2. 筋力低下(握力など)                
  3. 身体機能の低下(歩行速度など)

*診断は、項目1に加え、項目2または項目3を併せ持つ場合。

項目1.の筋肉量の低下だけなら「プレ・サルコペニア」、項目1に項目2.筋力の低下または項目3.身体能力の低下なら「サルコペニア」、項目1、項目2、項目3すべてが見られれば「重症サルコペニア」となります。

ただし、基準値には人種による体格の差が存在し、日本人は欧米の基準では適さず、近年日本独自の基準が提言されるなど、まだまだ新しい分野だけに今後の研究の積み重ねが求められています。

加齢によるサルコペニアの要因は、まだまだ明らかではありませんが酸化ストレス、たんぱく質・アミノ酸不足、ホルモンの低下、インスリン抵抗性、炎症、活動量の低下、神経・筋接合不全など、様々なものがあると考えられています。

残念ながら薬剤等による効果的な予防・治療法はありません。現時点では栄養と運動が効果的であると考えられ、これらを併用するとより効果的であることも報告されています。

低栄養であるとサルコぺニアにつながり、活力低下、筋力低下・身体機能低下を誘導し、活動度、消費エネルギー量の減少、食欲低下をもたらし、さらに栄養不良状態を促進させるという悪循環になります。

加齢とともに「サルコペニア肥満」が増える傾向

また近年サルコペニアと肥満(BMI25kg/平方メートル以上)の両方のリスクを併せ持つ「サルコペニア肥満」 がクローズアップされています。肥満は、心疾患や脳疾患、動脈硬化、糖尿病、高血圧などの生活習慣病のリスクが高まります。

サルコペニア肥満は、サルコペニアまたは肥満のみの場合よりも、生活習慣病や運動器疾患のリスクが高くなる可能性が指摘されています。

サルコペニア肥満になるメカニズムなどはまだ明確ではありませんが、運動不足や不健康な食事が主な原因とされています。また年齢を重ねて成長ホルモンの分泌が減るにつれ、体脂肪や内臓脂肪の増加や、骨が弱くなり、筋肉の機能低下にもつながると見られています。

サルコぺニア肥満は60歳代から増加する傾向があります。40歳代の中年ではまだ少ない傾向ではありますが、中年時期からの予防が重要と考えられています。

また運動などをせず偏った食事や食事量を減らすなどの間違ったダイエットによっても筋肉量の減少は起こりますから、若い頃からの食習慣は大切だと思います。