豊富な商品バリエーションが揃うカーポート
洋風の建物からモダンな建物にも調和するデザイン。耐風圧強度 風速=42m/秒相当、高さH22柱を標準化。 [フーゴAプラスレギュラー 27-50型 アイボリーホワイト/エクリュアイボリー(屋根材:クリアマット)] LIXIL
メーカー商品としてのカーポートは、豊富な商品バリエーションが揃い、さまざまな条件、プランに対応することが可能。スタイルやデザイン、性能なども多種多様なので、外観デザインや好みに合わせて取り入れることができるでしょう。選ぶ際には、日々の使い勝手や安全性、敷地条件に適した性能にも配慮すること。専門的な知識も必要なので、設計担当者と充分に検討することが大切です。
Point1. 1台?3台?将来的な変化も予測した台数、車サイズを明確にする
カーポートを選ぶ際には、まず、車の台数と車種、サイズ(横幅・全長・高さ)を確認すること。車の大きさに適したサイズを選ぶことが基本ですが、乗り降りがしやすいようにゆとりを持って。車のドアの開き方なども確認して選ぶことが大切です。また、注意したいのは高さ。ワンボックスタイプのように高さがある車種の場合は、屋根の高い(柱の長い)タイプを選ぶことになるでしょう。忘れてはいけないのは、現在、使用している車だけでなく、将来的に買い替えを予定していたり、車の数が増える可能性など、今後のライフスタイル、家族構成の変化なども考慮すること。その他、車だけでなくオートバイや自転車の駐輪スペースも確保するのか、なども検討しておきたいポイントです。
Point2. 雪や風など、設置するエリアの自然環境に適したタイプを選ぶ
200cmまでの積雪と46m/秒相当の風圧に耐える、強靭な折板屋根カーポート。 [ジーポートneo 200cm積雪対応(フリー) 積雪200cm対応 2台用] YKK AP
厳しい自然環境にさらされるカーポートは、積雪や強風など、地域特性に適したタイプを選ぶことが大切です。積雪に対しては、一般的なカーポートの場合、耐積雪20センチ程度ですが、積雪地域や豪雪地域向けであれば、30センチから200センチ程度まで、いくつかのランクで積雪荷重に耐えられるように設計されたタイプが揃っています。また、風に対しては、耐風圧性能が54m/秒相当から34m/秒相当などの商品がラインナップされています。
雪や風に対して高い性能を持つタイプは、形状やデザインなどにある程度の制約がある場合もみられるので、設置する地域に適しているか、設計担当者に相談しながら選ぶことが大切でしょう。
Point3. 出し入れのしやすさ、敷地条件などを配慮したスタイルに
前方に柱がない後方支持タイプ。フロント部分が180°オープンになっているので、柱がジャマになりにくい。[アーキフラン ナチュラルシルバー×クリエダーク] LIXIL
カーポートには、さまざまなスタイルやデザインがあるので、出し入れのしやすさはもちろん、敷地条件(道路付けや間口の広さ)などにも配慮して選ぶことが大切です。カーポートの主なスタイルは、屋根の支持の仕方の違いによって、片側支持(片流れ)タイプと両側支持タイプがあります。
片側支持(片流れ)タイプは、左右どちらか片側に2~3本の柱を設けたもの。柱が片側のため駐車の際に邪魔にならず、狭い敷地でも出し入れがしやすいのが特徴でしょう。後方(背面)だけに柱を設けたスタイルなども出入りがしや」すいものです。
両側支持タイプは、両側に設けた柱によって屋根を支える形状。デザイン的にも性能的にも安定感があるスタイルです。車の回転半径などを考慮してカーポートの間口に余裕を持たせることが大切でしょう。
Point4. 必要な機能、適した素材の屋根材を選択する
カーポート商品によって、ポリカーボネート板や熱線吸収ポリカーボネート板、熱線遮断FRP板などが揃う。必要な機能を選びたい。 [ネスカ 熱線遮断FRP板DRタイプ ミストグレーS] LIXIL
カーポートの屋根の素材には、ポリカーボネートやFRP、スチール折板などの種類がありますが、多くみられるのはポリカーボネート。紫外線をカットし、塗装の色褪せやシートの日焼けなどを防ぐことができる素材です。商品によっては、特殊な加工を施すことで、防汚機能を持たせたタイプもみられます。ブラウン系やブルー系の透明なタイプ、半透明なタイプなども揃っているので、必要な明るさなどを考慮して選ぶようにしましょう。
また、熱線遮断もしくは吸収機能の持つポリカーボネートであれば、熱線をカットするので、真夏の太陽光線下での車内温度の上昇を抑えることも可能です。Point5. 照明やカーゲートなど、セキュリティ機能も考慮する
周辺の環境によっては、防犯性能も高めておきたいもの。夜間に暗がりになることを防ぐため、カーポートの天井や柱部分に照明などを組み込むことができる商品もみられます。すっきりとしたダウンライトや省エネのLEDなども揃っているので、デザイン性も合わせて検討を。センサー付きタイプを選んでもいいでしょう。
また、カーポートだけでなく、カーゲート(車庫前の門扉)を組み合わせても。シャッターや跳ね上げタイプ、引き戸や伸縮タイプなどがありますが、電動のリモコン式を選べば、車に乗ったままでも開閉することが可能です。
エントランス全体をトータルにプランニング。夜間のカーポートやエントランスを演出するダウンライトもオプションで揃う。 [エフルージュシリーズ] YKK AP
Point6. サイドパネルやコンセントなど、必要なオプションを選ぶ
カーポート商品には、さまざまなオプションが揃っています。メーカーや商品によっても異なりますが、たとえば、横からの雨風を防いだりプライバシーを守るサイド(側面)パネル、風対策のサポート柱といった性能を高めるもの、車庫入れや乗降時のドアの傷つきを防ぐ柱ガードや車止めなど、運転操作を助けるものがみられます。
また、照明や防水コンセント、車関係用具を収納できる棚や洗濯物干しなど、使い勝手を高めるパーツ、屋根にソーラーパネルを搭載することができるタイプや雨水タンクなど、環境に配慮したアイテムも揃っています。 取り入れたいアイテムがあれば、希望するカーポート商品に設定されているか、事前に確認しておくことも大切でしょう。
カーポートの雨樋に接続が可能な貯水タンク。本体は光を通さないため、藻や苔が繁殖する心配がほとんどない。 [グリーンブリック 雨水タンク] YKK AP
Point7. 外観デザイン、門扉やフェンスなどとトータルに検討する
カーポートを選ぶ際には、外観デザインはもちろん、門扉やフェンスなどの外まわり建材とのコーディネートも重要なポイントです。住まいのデザインテイストや窓サッシ、玄関ドアなどの色などと揃える、門扉やフェンスとデザインを統一する、など、全体のバランスに配慮するようにしましょう。最近のエクステリア建材は、シリーズ化された商品も多く、門扉やフェンスなど同じデザインを取り入れることも可能です。カーポート単体で考えるのではなく、外まわりをトータルにプランニングすることが大切です。
Point8. ショールームなどで実物を確認する
家づくりを進める際には、外構プランはどうしても後まわしになりがちですが、駐車スペースは、安全性にも関わるものなので、充分に配慮することが大切です。カーポート商品を選ぶ際には、できる限り実物を確認するようにしましょう。エクステリアのショールームはあまり多くはありませんが、近くにある場合は、積極的に利用すること。ボリューム感や素材感、屋根材の色など、カタログではわからない部分を見ておきたいものです。
また、規模の大きいホームセンターなどでも展示しているケースもみられますし、住宅街を歩いて、どのようなカーポートがプランニングされているか、家本体とのバランスや道路との関係など、日頃からチェックしておくことも大切でしょう。
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