赤ちゃんの命名・名づけ/赤ちゃんの姓名判断

占いは氏名のデジタル化?姓名判断にとらわれすぎない

氏名を使う占い、つまり姓名判断(字画占い)は、氏名の文字を数字に直すというデジタル化を行います。ただ、数字に置き換えることで名前そのものが見えなくなるという面もあります。

牧野 くにお

執筆者:牧野 くにお

赤ちゃんの命名・名づけガイド

オノマンシーの本は見つけにくい

Q: アメリカの占い、オノマンシー(ONOMANCY)に興味があります。オノマンシーを使った名づけの本は売っていますか?

A: オノマンシーとは、氏名のアルファベットの活字体の画数を数え、それを足し算して占うもの。日本の姓名判断(字画占い)と実によく似ています。ただ決定的に違うことが一つだけあり、それはオノマンシーは子どもの遊びであって大人はやらない、ということです。逆に日本の字画占いは大人ばかりやっていて子どもはやりません。

日本でもオノマンシーの本がまれに売られることもあり、洋書の店でゲームの棚を探すと見つかるかもしれませんが、何かの役に立つものでもないでしょう。

かつて姓名の研究家である佐久間英先生が、次のようにおっしゃっていました。「アメリカの二、三の事典に、オノマンシイを『占術の一種、信ずるに足りないもの』と出ていました。アメリカにある『ローマ字占い』などは、バカバカしい“お遊び”です」(赤ちゃんの名前・大泉書店)。

占いは名前のデジタル化である

氏名を使う占いは、文字を数字に直すという意味では、日本の姓名判断もアメリカのオノマンシーもよく似ています。占いというのはデジタル的に分類するものが多く、それによって元の姿は失われます。

たとえば「花」と「華」は同じ字で書き方が違うだけですし、「太」と「汰」も同じ意味です。ところがこれらの文字を画数に置き換えますと、同じ意味の字でも画数は違いますから、占いではまるで違う答えが出てきます。

反対に、たとえば「ゆうき」という名前をつけるとき、「勇季」と書くことはあっても、まさか「幽奇」という字を使う人はいないでしょう。この二つは誰が見ても受ける印象は違います。しかしどちらも9画と8画の字ですから、字画占いでは同じになってしまうのです。

娯楽に根拠はいらない。左右されすぎないこと

名前の専門の研究家で、姓名判断を信じたり、実際に行ったりする人はいません。姓名判断(字画占い)を「根拠が無い」と否定する人もいます。

しかし占いを娯楽の一つと見たらどうなるでしょうか。世の中には数えきれないほどの娯楽がありますし、根拠が無いからと娯楽全体を否定するのはおかしなことです。娯楽に根拠などいらないのです。

オノマンシーは子どもの遊びですから、利益も弊害もありません。ただ姓名判断となると、統計的な事実だと言って歩く人もいますし、本当にそう思ってしまう人もいます。そうなると、その暗示によって救われる人も出ますし、逆に余計な心配や悩みをかかえる人も出たりしますから、功罪まちまちということになります。
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