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2015年11月のオススメ展覧会・美術展(5ページ目)

京都国立博物館 平成知新館(京都府)の琳派誕生400年記念 琳派 京(みやこ)を彩る、三菱一号館美術館(丸の内)のプラド美術館展 ―スペイン宮廷 美への情熱、東京国立博物館(上野)の特別展 始皇帝と大兵馬俑展、早稲田大学演劇博物館(早稲田)の映画女優 京マチ子 展、静嘉堂文庫美術館(二子玉川)のリニューアルオープン展 第一弾 金銀の系譜 ―宗達・光琳・抱一をめぐる美の世界―をご紹介します。

浦島 茂世

執筆者:浦島 茂世

美術館ガイド

より見やすくなって再オープン
静嘉堂文庫美術館(二子玉川): リニューアルオープン展 第1弾 金銀の系譜 ―宗達・光琳・抱一をめぐる美の世界―

俵屋宗達 国宝「源氏物語関屋・澪標図屏風」 江戸時代・17世紀 静嘉堂文庫美術館蔵

俵屋宗達 国宝「源氏物語関屋・澪標図屏風」
江戸時代・17世紀 静嘉堂文庫美術館蔵



三菱二代社長の岩崎彌之助(三菱初代社長の岩崎彌太郎の弟に当たる)、その息子で三菱四代社長の岩崎小彌太によって設立された静嘉堂は、漢学者の重野安繹や『大漢和辞典』を編纂した諸橋轍次などを文庫長に迎え、貴重な図書を収集。また、彌之助、小彌太によって美術品も集められ、現在は国宝7点、重要文化財83点を含む、およそ20万冊の古典籍(漢籍12万冊・和書8万冊)と6,500点の東洋古美術品を収蔵しています。

静嘉堂文庫美術館は、この貴重な彌之助、小彌太のコレクションを見ることができる場所。このたび、よりいっそう作品を美しくみられるようにリニューアルされ、これを記念する展覧会が開催されています。


見どころは俵屋宗達の国宝《源氏物語関屋・澪標図屏風》。琳派の創始者の一人である俵屋宗達の作品は、3点が国宝に指定されていますが、こちらはそのうちの1点。絵具の剥落や画面の亀裂などを、3年間かけて修理しました。直線と曲線を大胆に使った画面構成、金・白・緑を基調とした宗達の色づかいがよりいっそう楽しめるようになりました。このほか、尾形光琳、酒井抱一、鈴木其一など静嘉堂が所蔵する琳派のコレクションがずらりと並びます。

国宝「曜変天目(稲葉天目)」何層時代・12~13世紀 静嘉堂文庫美術館蔵

国宝「曜変天目(稲葉天目)」南宋時代・12~13世紀 静嘉堂文庫美術館蔵

また、3期にわけて行われる展覧会期間中、国宝《曜変天目(稲葉天目)》と重要文化財《油滴天目》が、館内ラウンジで特別展示されます。ちなみに《曜変天目(稲葉天目)》の「曜変」とは、陶磁器が釜の中で焼かれる過程で偶然生まれた釉薬などの模様のこと。世界に3碗のみ現存するうちの1碗がこちらです。天目の美しいきらめきを自然光の下で楽しめます。

※なお、岩崎家の崎の字は つくりが正しくは右上が「立」ですが、機種依存文字のため、この記事では「崎」で代用しています。

■展覧会DATA
展覧会名称: リニューアルオープン展 第1弾 金銀の系譜 ―宗達・光琳・抱一をめぐる美の世界―
会場:静嘉堂文庫美術館
会期:2015年10月31日(土) ~2015年12月23日(水・祝)
開館時間:10:00~16:30
※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜(ただし11月23日は開館、翌24日休館)
Web: http://www.seikado.or.jp

以上、11月のオススメ展覧会・美術展でした。芸術の秋、お出かけはぜひ美術館へどうぞ!
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