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【徹底比較】HuluユーザーがNetflixを体験してみた

映画やドラマのネット配信サービスが続々と誕生する中、世界NO.1のネットフリックス(Netflix)がとうとう日本でもサービスを開始しました。国内では先発のHuluを使っているガイドが、ネットフリックスのサービスがどのようなものか比較、分析してみました。

福田 正人

執筆者:福田 正人

インターネットサービスガイド

 ネットフリックスが配信サービス開始

世界に6500万人の会員を持つ世界最大の動画配信サービス、米国の「ネットフリックス」が、2015年9月2日に日本でサービスを開始してから一か月以上が経ちました。国内では先発のHuluはもちろんのこと、Amazonも動画見放題の「プライム・ビデオ」をスタートするなど、まさに今は動画配信サービスの戦国時代と言えます。

ネットで映画見放題!動画配信サービスを徹底比較

ガイド自身はHuluユーザー歴1年以上になりますが、噂に聞こえるネットフリックスのサービスがどんなものか興味津々です。1か月間無料体験が可能ということなので、サービス内容によってはHuluから乗り換えることも念頭に、ネットフリックスを試すことにしました。

ネットフリックスを1か月無料体験してみた!

ガイドはHulu歴が長いのでHuluと違う点や長所短所に着目してネットフリックスを評価してみたいと思います。

3種類の料金プランから選べる

ネットフリックスでは以下の3種類の料金プランを設けています。
  • ベーシックプラン/画質:標準/同時視聴:1/月額650円
  • スタンダードプラン/画質:高/同時視聴:2/月額950円
  • プレミアムプラン/画質:超高)/同時視聴:4/月額1450円
この点Huluでは同時視聴は1デバイス、月額933円と選ぶことはできません。家族で利用するユーザーにとっては同時視聴が可能なネットフリックスはお得感があります。
ちなみにガイドはひとり暮らしなので同時視聴は1でいいのですが、画質が高い方が良いのでスタンダードプランにしました。(無料視聴開始の時点で料金プランを選択。ひと月後の無料期間終了時に自動的に有料サービスへ移行。)

レコメンド機能がユーザーにわかりやすい

ネットフリックスは入会登録の際、ユーザーにどの映画が好きか三本選択させます。その三本を元に、「〇○が好きなあなたにはこちら」と動画をオススメしてくれます。また、その三本以外の動画でも視聴すると「〇○をご覧になったあなたへ」とさらに動画をオススメしてくれます。
実際これらオススメ動画は必ずしも面白いとは限りませんでしたが、動画を選択する際にあまり迷わなくていいというメリットがあります。
こうしたきめ細やかなレコメンド機能はHuluでは見かけません。「おすすめ」というカテゴリもあるのですが、それが個別ユーザーの視聴に基づいたものなのか、ユーザー全体に一律でオススメしているのか判別がつきません。

オリジナルコンテンツが充実

ネットフリックスは配給会社やテレビ局から映画やドラマの放映権利を買うだけでなく、自社オリジナルの映画やドラマ、ドキュメンタリーを製作しています。それらのコンテンツはネットフリックスの看板作品となっています。

例えば、『デアデビル』はネット配信ドラマとして初めてエミー賞(優れたドラマ作品に贈られる賞)を獲得 しました。また、『センス8』は映画「マトリックス」で注目を浴びたウォシャウスキー姉弟が高額の予算をかけて世界9都市で撮影したSFドラマとして話題を集めています。

フジテレビの大ヒット・リアリティ番組、東京のど真ん中にあるシェアハウスで共同生活を送る男女6人の恋愛模様を描く台本のないドラマ『テラスハウス』ではネットフリックス限定のストーリーを見ることができます。

ネットフリックス製作のオリジナルコンテンツには大きく二つの利点があります。
「全エピソードを同日に一気に配信できる」
気に入ったシリーズ作品を一気に観られることが動画配信の醍醐味ですが、リアルタイム配信の場合、次の配信まで長い時間を待たなければいけないことがあります。その点、オリジナル作品は全作品を一挙に配信するのでそうしたストレスがありませんでした。

「視聴率やスポンサーに左右されない作品づくりができる」
テレビ番組は視聴率が低いと脚本の書きかえなどテコ入れがなされることがあります。また、スポンサーの要望を反映したり、過度の暴力シーンや性描写が敬遠されたりなど、制作側にとって自由な作品づくりができないことがあります。
その点、ネットフリックスは外的要因に左右されない自由な製作体制を確保でき、その結果優秀で才能あるクリエイターがネットフリックスへ流れる可能性は十分あります。オリジナルコンテンツはジャンルも豊富で、製作費もかなりかかっていることが伺えます。通常のドラマに比べて何ら遜色のないクオリティを提供しています。

Huluもオリジナルコンテンツを作成してはいますが、その数はネットフリックスに比べて圧倒的に少なく、カテゴリを作るにも至っていません。

結局どちらのコンテンツがより充実しているか?

料金やレコメンド機能、オリジナルコンテンツについて書いてきましたが、一番重要なのはやはり「継続的に面白いコンテンツを配信するか」ではないでしょうか。

ここでふと悩みました。

好きな動画はHuluにもあればネットフリックスにもあります。オリジナルコンテンツはネットフリックスに軍配が上がりますが、HuluはHuluで魅力的な映画やドラマを配信しています。どちらがより充実しているかを定量的に判断するのは困難です。しかも今後自分好みの動画をどちらがより多く配信してくれるかは予想がつきません。
どちらにしようかなと悩んでいると、こんなニュースが飛び込んできました。

さらにオリジナル作品に軸足を移すネットフリックス

ネットフリックスは人気映画「トランスフォーマー」や「ハンガー・ゲーム」などの放送権を持つ米ケーブルテレビ局、EPIXとの契約を打ち切りました。これにより10月以降、これまでネットフリックスで視聴できた数千本の映画やドラマが見られなくなります。EPIXは新たにHuluと契約を結んだため、大量のコンテンツがHuluに移籍することとなります。

ネットフリックスがこのような経営判断をしたのは、コンテンツを配信する権利を複数のネット配信業者が所有し、サービスに独自色を出すことが難しくなっている背景があるためです。この契約終了により、ネットフリックスはオリジナルコンテンツへの投資をさらに増加する方針です。

別の理由として、ネットフリックスがディズニーと契約したことが挙げられます。その契約はただ単に過去作品を配信するだけでなく、劇場公開後に最初に放映する権利も含まれています。ディズニーの関係会社にはピクサー(トイストーリー)やマーベル(スパイダーマン)、ルーカスフィルム(スターウォーズ)など、魅力的なコンテンツを抱える企業が含まれており、今後ネットフリックスがそれらの配信を手掛けていくことが予想されます。

ネットフリックスとHulu両方契約もあり?

ネットフリックスがオリジナルコンテンツに軸足を置き、他の動画配信サービスと差別化を図っていると書きましたが、ここから考えられるのはネットフリックスが地上波テレビと競うつもりではないかということです。簡単に言えばHuluのような動画配信サービスはレンタルDVDショップ利用者を取り込もうとしているのに対し、ネットフリックスはテレビ視聴者を取り込もうとしているのではないでしょうか。

私たちの生活においてテレビを観るという行為とレンタルDVDを観るという行為は両立しています。そうであれば必ずしもひとつのサービスにこだわる必要はないかもしれません。

そういうわけでガイドは今しばらくネットフリックスとHuluの両方を楽しむことにしました。合計して月額2000円は果たして高いのか安いのか。みなさんはどう思われますか?
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
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