マンションや一戸建て住宅の隣やごく近いところが公園になっているとき、一般的には周辺環境のプラス要因として挙げられることが多いでしょう。緑が多ければ気持ちが和むだけでなく、高い建物が建てられて眺望や日照が遮られる心配もあまりありません。
しかし、夜間の人通りが極端に少なくて街灯もまばらだったり、通行人からの死角が多かったりするような公園では、とくに小さな子どものいる家庭は注意が必要です。安全対策が不十分な池などがある場合も同様でしょう。
そればかりではなく、サッカー場や野球場などを兼ねているような公園であれば、土曜日や日曜日は朝早くから小学生の歓声が響いていたり、ときにはスピーカーによる大人のアナウンスが流れたりすることもあります。
スポーツ大会などがあるときには朝から大騒ぎのようですから、夜が遅い仕事などで休日には昼頃までゆっくり寝ていたい、というような生活スタイルの人は気をつけなければなりません。
さらに、土のグラウンドをもつ公園からは、強風のときに砂塵が舞い上がることもあります。外に干しておいた洗濯物が茶色っぽく変色したり、イヤなにおいが付いてしまったりすることもあるので油断は禁物です。
また、夜も暖かな季節になると深夜0時過ぎになってから若者が集まり、花火を上げては大騒ぎするようなケースもあるようです。
「~ようです」とは書いてみましたが、いずれも私自身が以前に経験した内容であり、可能性の話ではなくて一部の公園では現実に起きていることなのです。
その一方で、繁華街に近い都心の公園などでは、裏通りの小規模な公園であってもホームレスの人たちが集まってくるようなケースもあります。以前に私自身が調査をした東京都心某所のマンションでは、夜になると目の前の公園にホームレスが4~5人集まり、朝にはどこへともなく立ち去っていくような状態でした。
そのときは、公園内のトイレの手洗い場で全身を洗っている20歳代らしき人物も見かけたものです。ホームレスの人が悪いのではなく、その状況を生み出してしまう社会が悪いのでしょうが、お客様にはそのマンションの購入をやめるようにアドバイスせざるを得なかったのです。
もちろん、何ら問題がなく安心できる公園のほうが多いでしょうが、いずれにしても公園の隣などの物件を検討するときには、平日だけでなく休日、昼間だけでなく夜間の確認といったものも欠かせません。
>> 平野雅之の不動産ミニコラム INDEX
(この記事は2008年4月公開の「不動産百考 vol.22」をもとに再構成したものです)