代表的なサービスを3社紹介
さて、現在「個人間売買」をサポートする代表的なサービスとして、「カーコン・マーケット」、「クルマジロ」、「Ancar」を紹介しよう。「カーコン・マーケット」では、サイトから申込んだあと店舗へ車を持ち込めば査定してくれる。外観のキズ、車内の状態、電子制御装置などのチェックを行ったあと、目安となる販売価格を教えてくれるので自分で価格やアピールコメントなどを登録すれば出品することができる。
買い手は「カーコン・マーケット」でクルマを探し、購入申込みをして売り手(出品者)が承諾すれば取引成立となり、代金支払い、車両の搬送、名義変更や車庫証明などの面倒な手続きも「カーコン・マーケット」に任せられる。
さらに、納車前に法定12カ月点検の実施や、約2年間効果が続く車内の除菌消臭サービスがあり、購入にあたってはオートローンの利用ができる。また、うっかりつけてしまったキズやへこみを5万円分まで無償で修理してくれるなどサービスも充実。オプションで「あんしん保証」も用意されているほか、購入後も全国のカーコンビニ倶楽部店舗でいつでもプロに相談できる安心感がある。
「クルマジロ」はスマホのアプリをダウンロードして使う。すでにある店舗を活用し、297店舗という業界で一番多い店舗で査定や納車を行ってくれるのが魅力だ。落札されやすい価格が分かるようになっていて値づけの参考になるだけでなく、成約しなければそのまま店舗で買取ってくれるのは買取店のガリバーならでは。
また、購入の際には、中古車サイトでの販売価格を参考にしながら検討できる。オプションで簡易整備や車内の除菌、ガラスコートなどが設定されているのもうれしい。
そして新たに参入したのが「Ancar」で、こちらもウェブを活用している。査定には査定士を派遣する手法を採用し、成約しなければ買取もしてくれる。見積り依頼をしないと支払い総額が分からないのが難点だが、購入した車の基本性能に重大な瑕疵があった場合にのみ3日以内かつ走行100km以内であれば返品することができる。また、売却する場合も、購入する場合も自動車の輸送を代行してくれるサービスも魅力的といえるだろう。
なお、業者により出品、購入時の手数料や扱いが異なる。たとえばカーコン・マーケットでは手数料は表示価格に含まれているのに対し、クルマジロ、Ancarでは表示価格には含まれていないため支払い総額をしっかり確認しなくてはいけない。クルマジロでは陸送費用は手数料に含まれていたり、それぞれ取得税も必要になる場合があるので、詳細は各サービスを確認してほしい。
■カーコン・マーケット http://carconmarket.jp/usedcar/
■クルマジロ http://kurumajiro.com/
■Ancar http://ancar.jp/
個人間売買は今後さらに盛り上がっていくのか?
「個人間売買」のメリットを中心にお届けしてきたが、デメリットもある。たとえば、肝心なタマ数(販売されている中古車の数)は全国の中古車店を一斉に検索できる一般的な中古車サイトなどと比べてもまだまだ少ない。人気モデルだと成約済みや売却済みになっている場合が多く、ある程度時間をかけてこまめに探さないと欲しい車種に出会えないだろう。
また、売り手、買い手側も適正な金額(相場)を把握しているに越したことはないが、素人ではなかなか難しい。売り手側は車種、年式、走行距離を入れると目安となる価格を知らせてくれるサービスが手軽で便利だろう。買い手側の場合、欲しい車種の相場観は、中古車の情報を集めていればかなり把握できるようになるはずだ。いずれも従来の中古車購入や下取・買取のようにお店任せではなく、ある程度自分で調べたほうがよい。
このところ購入前に業者(プロ)に相談できたり、購入後も各サービスなどを相談できたりする業者がでてきており、個人同士の売買であってもローンが使えたり、保証がつけられるサービスもあるので、「個人間売買」にまつわる不安はかなり解消されてきた。お伝えしてきたとおり「安く」買える、「高く」売れるという、新しいカタチの個人間売買サービスは、今後さらに増えて盛り上がっていくことは間違いない。
どんな仕組みで、どんな中古車が出品されているか気になる人は、まずは各サービスのサイトをのぞいてみることから始めてみよう。