ただ運転する「試乗」では車の本当の使い勝手は分かりません。

運転するだけが「試乗」だとしたら、実用シーンを想定して車を使うのが「試用」です。どんな車庫に入れるのか?誰を乗せるのか?など、使い方は人それぞれ。あなたに合う車かどうかを確かめるためには、思いっきり「使ってみる」ことが重要です。
車の運転席にいる女性

ただ乗るだけになってしまいがちな新車の試乗。気を付けるべきポイントを押さえれば、自分に合う車かどうかが分かってきます。

自宅の駐車場に入れてみる!

新車ディーラーだと「ここを走ってきてください」と試乗コースを案内されます。それは広くてフラットな道や、見通しの良い道路など、初心者でも運転しやすいところがほとんど。試乗キャンペーンなどの雰囲気に圧倒されて、「お気軽に試乗だけでも」という営業マンの言葉を鵜呑みにすると、車の良いところだけが印象に残り「買っちゃう?」と、気持ちも大きくなりがちです。

新車は何百万円もする買い物です。「お気軽に」で決めてはいけません。まずは「自宅まで乗って帰り、車庫入れをする」のが鉄則です。
「家に乗って帰っていいかなんて、ずうずうしい客だと思われないかしら?」と思うかもしれませんが、そんな心配は無用です。車庫に入らなければ車は買えないのですから、営業マンも当然ノーとは言えないので、ぜひお願いしてみましょう。

車の長さ、幅、高さがきちんと車庫に入るかどうかをチェックするだけでなく、車庫入れを実際にやってみましょう。車庫の前が狭ければ、何回もハンドルを切り返すのがストレスになることもあります。「前の車とサイズは同じだから大丈夫」だと信じていると、ホイールベース(前後のタイヤ間の距離)が大きくなっていて上手く車庫入れできない、という事態も起こります。
マンションの立体駐車場では、高さ制限や重量制限オーバーもよくある話。とくに最近売れているハイブリッドカーは、エンジンに加えてモーターも付いていて、意外と車が重くなっているので、車種によっては注意が必要です。

いつも走る道路でリアルな使い方をする

試乗は普段からよく使う道路を走りましょう。通勤で使うなら勤務先まで走ってみる、よく行くスーパーや病院があれば、その駐車場でも車庫入れをするとリアルな使い勝手がわかります。

車を買った後のユーザーからは「古い舗装道路を走ったら乗り心地がゴツゴツしていると気づいた」「加速すると思ったよりエンジンの音がうるさかった」「ハザードランプやオーディオのスイッチが使いづらかった」という声が多くあがります。

走りやすい道路をサラーッと運転するだけでは気が付かないことばかりなので「現実に使うシーンを想定して」試乗をするのが大事です
 

「ぶつけるのが心配だから試乗はいいです」は絶対NG!

「擦ったりしたら怖いから私はいいわ」という奥様がいますが、実際に運転する人が乗らなければ試乗の意味がありません。車の大きさの感覚などが取りづらいのは、やはり体の小さい女性。普段から車を使うのが奥様なら、優先的に試乗して、車庫入れなどの細かい操作もやってみましょう。旦那様が余裕で動かせる車も、奥様が運転となると、やりづらいことが出てくるかもしれません。

子供がいる場合は、チャイルドシートを装着して、走行中に子供がどんな動きをするか、何かあったときに大人の手が届くかなどを確認しましょう。チャイルドシートをいやがってすぐに抜け出してしまう癖のある赤ちゃんなら、なおさら注意が必要です。小さい子の乗り降りが安全にできるステップの高さかどうか、赤ちゃんをベビーシートに乗せるときに大人の体に負担がかからないかなど、走る以外にチェックしたいポイントはたくさんあります。

ちなみに、6歳以下の子供はチャイルドシートの装着は義務。子供を一緒に試乗させたいと言って、すぐに子供用シートを用意してくれるかどうかで、新車ディーラーの質も分かります。「ちょっとだけなので抱っこして乗ってください」などと言う営業マンがいたら、お客に道路交通法を違反させていることになりますので、その程度の店だということ。試乗は赤ちゃんも含めて家族全員で乗れるとベストです。

「試乗した感想をなにか記録に残しておきたい」と思う人は、ICレコーダーなどの録音機材をポケットにしのばせて、走りながらしゃべった内容を録っておくのがおススメ。自動車ライターでも走行中の車内でメモを取るのは至難の業ですが、音声を後から聞けば、試乗している場面は鮮明に思い出せるもの。その車の気に入ったところも、イマイチな部分もしゃべって残しておきましょう。後での家族会議で役立ちます。

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